goo blog サービス終了のお知らせ 

Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「テンペスト」

2015-04-04 07:41:32 | Book
池上永一著「テンペスト」を読了。
沖縄(琉球)を舞台にした、文庫本で全4冊の長編大河ロマンです。
琉球王朝のころの話で、主人公の真鶴が、宦官の寧温と素性を偽って、琉球版の科挙である科試に挑戦し、王府に入り手腕を発揮し、一方では友情、兄弟愛、恋愛などの要素が組み込まれ、めくるめく物語が展開します。
史実にはかなり忠実のようで、欧米列強が東アジア進出をもくろみ、中国や日本との関係が変わっていく時代を、琉球王国からの視点で描かれており、とても興味深かったです。
琉球がいかに日本とはちがった文化圏で、独自の文化をもち、優雅で洗練されたものであったか感じられます。
ストーリー展開は、浅田次郎著の「蒼穹の昴」によく似ているなあと思いました。こちらは中国が舞台ですが、宦官の天才が活躍する部分や歴史に翻弄される部分などです。
ただ、「蒼穹の昴」のほうが文学作品として格は高いです。「テンペスト」は、女性が宦官に扮して誰も気づかないとか、のちに真鶴と寧温の一人二役を毎日続けるとか、ちょっと現実ばなれした部分が多いです。王宮の女性たちが住む<内>の世界でのやりとりもとてもマンガちっくで、読んでいてちょっと気が引く部分が多々ありました。
まあ、娯楽エンターテイメント小説として読むのにはいいのかもしれません。歴史の勉強にもなるし。
琉球王朝のことがよくわかったのはとてもよかったです。その点だけでもこの本を読む価値はあると思います。
体調は良好です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。