9月にオランダでは文化モニュメント関連のイベントがいろいろ開かれます。普段は非公開のモニュメントが一般公開されたり、無料で見ることができたりします。それで、今日は、一般公開され、簡単な見学ツアーが催されているFort(要塞)を二つ見に行きました。一つ目はFort de Gagelで、二つ目はそこから徒歩15分くらいのところにあるFort aan de Klop(写真)です。どちらも、19世紀にオランダに敵か攻め込んできた場合を想定して建設された軍事用のものです。この当時、アムステルダムの近くからユトレヒトまで約85kmにわたって水を低地に流して帯状の人工の水溜りの地帯を作って敵を足止めさせようという計画がありました。水溜りの地帯の沿って要所に多くの要塞が建てられ、それが今でも残っています。実際にこの低地に水を流す作戦が実行されることはなく、20世紀になり敵が飛行機でこの地帯を越えてアムステルダムやロッテルダムに攻め込める時代になった後もこれらの要塞は軍事訓練用に使用されたりしました。Fort de Gagelは、敵が攻めてくる方角には土が盛られており、建物が完全に見えなくなっています。建物自体は、長方形のどっしりしたものです。一方、Fort aan de Klopは円形の建物で、レンガ造りの厚い外側にコンクリートが塗られています。内部は、円形の外壁やアーチ状の天井など曲線がレンガで美しく表現されており、レンガ建築の技術の高さを見ることができます。
今日12月1日、オランダの視聴覚資料が一同に集められた新しい総合メディアセンター「Beeld en Geluid」がオープンしました。このセンターは、放送局などが集中している街ヒルバーサムにあり、建物自体がとてもカラフルで目を引きます(写真はこちらにも有)。ヌーテリンフス・リーダイク建築事務所(Neutelings Riedijk Architecten)の設計によるものです。建物の外壁は、オランダのTVの有名なシーンが描かれたガラスで覆われています。この部分のグラフィックデザインは、ヤープ・ドゥルプステイン(Jaap Drupsteen)が手掛けました。館内のミュージアム「Beeld en Geluid EXPERIENCE」では、15のアトラクションを楽しめ、ラジオやTV、映画、音楽の世界をバーチャル体験できます(入場料大人11ユーロ)。また資料室には、70万時間分に及ぶ視聴覚資料が保存されており、オンライン(こちら)で検索することができます。