試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-274[ラシ331F-1] 台枠更新 (クハ103-566 回着,クハ103形用台枠転用:2pcs式サハ103形用床板擬廃止)

2018-03-03 21:35:26 | 国鉄/JR103系
転用。

KATO製国鉄103系一般形クハ103-566(朱色1号)が回着した。
所有するKATO製サハ103形(一般形)のうち極初期に竣工した車両を除き床板の遣り繰りに苦労した個体が多い。
103系一般形はクハ103形とサハ103形の床板が共通設計でありクハ103-566の導入名目は当初から部品取とした。


JR103系ラシ331F (1990/10)。
ラシ331F-1:Tc741-M673-M'829-T272-M7-M'7-T274-M674-M'830-Tc754。

2社3種混結のJR103系ラシ331F-1はKATO製103系一般形再編の初陣を飾った編成である。
7号車のサハ103-274はスプレーLOT都合により他車と黄色5号の色温度が変わってしまった。
後に竣工したサハ103-144(ラシ335F-3)も同様の事情を抱えていた。
共に未更新車がプロトタイプだったため屋根板を相互交換し車体振替を行った。
この入場でラシ331F-1とラシ335F-2の色温度問題は解決した。
その代わりサハ103-274は2pcs式サハ103形用床板擬を装着する中期竣工車へ格下げされている。


サハ103-274(ラシ331F-1)。

サハ103-274の台枠は1エンド側~床下機器部+2エンド側が組合わされていた。
2エンド側台枠にはKATO製103系一般形用台枠を起用しており最低限の走行性能は保持されている。
一方の床下機器部はモハ102形用台枠を転用したためグリーンマックス製床下機器部品を追設した。
サハ103形(一般形)にはサハ103-274より床板への継ぎ接ぎを施した車両が存在している。
これらを差し置いてサハ103-274の台枠更新に踏み切らせたのはサハ103-272(ラシ331F-1)の影響だった。


サハ103-272(ラシ331F-1:KATO製サハ103形用床板装着車)。

サハ103-274と同時竣工したサハ103-272は車体振替の対象に挙がらなかった。
初期竣工車でもあり台枠にはKATO製サハ103形(一般形)用床板が流用されている。
そのためグリーンマックス製床下機器部品を移設したサハ103-274とは見附が大幅に異なっていた。
まだ使用が見込めるサハ103-274の2pcs式床板ではあるものの編成見附向上を優先した。


国鉄103系クハ103-566(朱色1号:ジャンク車両)。

投入したクハ103-566(朱色1号)は[KOKUDEN]と銘打って奇跡の復活を果たした現行LOT品だった。
ジャンク車両扱いになったのはKATOカプラーへの交換で原形を失っていたためらしい。
車体はもちろん下廻りの不具合は見られない。
朱色1号の車体こそ転用先が無い一方で他部品は予備品拡充に打って付けだった。
即刻確保しサハ103-274の台枠更新に取り掛かった。


入工中のサハ103-274。

当初は台枠を交換するだけの容易な工程だと考えていた。
強いて挙げれば側面窓セル撤去時に車体破断を避ける程度で済むと思っていた。
しかしこの予想は早々に覆される。
台枠と側面窓セルの分離を進めていくと2エンド側に嵌合爪が無いと判明した。
しかも2エンド側台枠は線路方向両端が切除され車体の補強梁に固定されていた。
側面窓セルの撤去を終えた直後からいきなりの山場になっている。


切断されていた2エンド側台枠の嵌合爪。

サハ103-274の台枠更新で捻出される2pcs式サハ103形用床板擬は転用予定があった。
まさか重要な嵌合爪が切除されているとは思わずどの様に対処するか悩ませた。
取り敢えず無瑕での撤去を図り転用方法は棚上げする。
更なる計算外は台枠の固定だった。
中期竣工車まではゴム系接着剤を主にしていたはずである。
ところがサハ103-274の2エンド側台枠には流し込み接着剤が投入されていた。


モハ103-7(ラシ331F-1:電装解除車)。

これは後年に追加した施工に間違い無い。
恐らく凸形動力ユニットが故障し電装解除に迫られたモハ103-7が絡むと思われる。
モハ103-7の電装解除と同時に大幅な組成変更を行いモハ103-674(ラシ331F-1)が動力車に変更された。
サハ103-274の2エンド側は牽引及び推進力を大きく受ける。
その対策として溶着を選択したのだろう。
車体の補強梁に固定された2エンド側台枠は容易に撤去できない。
転用も考えられるため強引な剥離方法も取れなかった。


時間を掛けて撤去した2エンド側台枠。

少しずつ2エンド側台枠の撤去を進めるしかない。
最初にニードルで補強梁と台枠の間を罫書いた。
僅かに生じた隙間へニードルを挿し徐々にその間隔を広げる。
広がった空間へプラスチックドライバーを挿入し別の箇所へニードルを挿し込む。
この作業を繰り返しようやく2エンド側台枠の剥離まで漕ぎ着けた。
補強梁裏面は溶着痕が激しく#1000のペーパーで平滑化している。


解体処分となったクハ103-566。

続いてクハ103-566を解体した。
サハ103-274へ転用する部品は床板のみである。
この他の現行LOTベンチレーターやTR62(212)非動力台車は予定通り予備品へ廻した。
TR62は黒染車輪を履いており現行LOTベンチレーターと共に貴重な戦力となる。
ただカプラースプリングが撤去されているため今回の転用対象にはならなかった。


TR62非動力台車を取り付けたサハ103-274用床板 (旧サハ103-274用台枠,元クハ103-566用台枠)。

座席部品までの組立は流れ作業で行った。
側面窓セルの取付からは一転して慎重になっている。
車体を破断させたサハ103-212(ラシ305F-3)の苦い記憶があった。
台枠と側面窓セルのLOT差が大きく嵌合には不安が残る。
装着前に側面窓セルの嵌合爪受と合致するか確認した。
目算では誤差が無いように見え作業を続行している。


側面窓セルの装着を終えたサハ103-274。

薄汚れた側面窓セルは流用せざるを得なかった。
台枠更新用種車がクハ103-566だったため致し方ない。
車体更新が主眼であればクハ103-566の導入を見送っていたと思う。
あくまで2pcs式サハ103形用床板擬の廃止入場と割り切った。


床下見附が揃ったサハ103-272,サハ103-274 (ラシ331F-1)。

サハ103-274の台枠は製品仕様に復帰した。
クハ103形用とサハ103形用で別設計が採られなかった古参製品だからこそ行えた更新と言えよう。
これで長らく続いてきたサハ103-272との差異は解消に至っている。
最後に汚れが目立っていたベンチレーター周囲の清掃を行いサハ103-274が竣工した。




サハ103-274(ラシ331F-1:台枠更新 クハ103形用台枠転用)。

更新前の床下見附はグリーンマックス製床下機器部品を取り付けた効果で立体感があった。
純正品同等に戻ったサハ103-274は吊金具等の成形が無い。
そのため一見ではデチューンに感じられる。
代わりに得たものは車体剛性の向上だった。
2pcs式サハ103形用床板擬でも嵌合爪撤去を行った個体は少ないはずである。
そもそも2エンド側の剛性が落ちる細工を施したのか理解に苦しむ。
溶着で補ったつもりだったらしいが台枠更新後の車体は安定度が飛躍的に高まっている。


サハ103-274+モハ103-674 (ラシ331F-1:非動力車+動力車)。

車体補強梁裏面の平滑化も上手く行った模様でモハ103-674との車体高差は生じなかった。
ラシ331F-1は動力車位置偏位編成のため弱点はサハ103-274+モハ103-674の連結部にあった。
幸い2pcs式サハ103形用床板擬使用時の脱線は一度も無い。
まさか2エンド側台枠の嵌合爪が無いとは思わなかったがよく耐えてくれたと思う。
今回の台枠更新でサハ103-274に関する不安は一蹴された。

サハ103-274から捻出された2pcs式サハ103形用床板擬だが1エンド側は使用に耐えられるだろう。
嵌合爪が残る2エンド側台枠さえ用意できれば再用の道が開ける。
保管品や予備品を探り変則組付を採用したサハ103形の台枠更新に結び付けたい。
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