試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3700形3758[3758F] 3次車 後期仕様 後期リニューアル工事施工車 台枠更新,台枠直結式スカート化試行

2018-08-22 21:58:36 | 京成線:3700形
電球色。

グリーンマックス製京成3700形3758元中期仕様(3次車:3758F)の改修は車体関連で一時中断となった。
3728F後期仕様(1次車→中期仕様:3728F-1)の入場からスカート取付方式を台枠直結式に変更した。
その後に出場した3400形,3700形は存在せずまだ試行段階であり更なる細工を加える予定であった。


京成3700形3758 3次車 元中期仕様(3758F)。

3728,3721(3728F-1)の台枠直結式スカートは現在でも一応の安定性を保っている。
少なくともスカート付TNカプラーSP及びスカート付SPフレームTNダミーカプラーよりは耐久性を持つと思える。
但し取付直後のスカートはぐらつきが残った。
ゴム系接着剤が固着するまで安心出来ない状況が続いたため3758Fの入場で検討項目に挙がっていた。


入工中の3758。

3798F現行仕様(4次車:旧製品→3758F)はスカート取付方式変更試行編成だった。
そのうち3758はスカート取付方式変更先行試作車で構造がスカート付TNカプラーSP装着車と全く異なっている。
原形復帰が考慮されておりスカートは加工されていない。
逆に運転台側台枠に欠き取りを設けスカート取付脚を受け入れる措置が採られていた。
ゴム系接着剤は取付脚に塗布し台枠断面で支持されている。
3798(旧製品)時代から開始されたスカート取付方式変更は台枠直結式が元祖だったらしい。


撤去したスカート。

3728F-1では台枠への加工を避けた。
スカートの取付脚付近を切除,整形した上で固定はゴム系接着剤の厚みに頼っている。
加工済の台枠は接着代が足りず同様の形態を採れない。
予め更新用のTR-180用台枠を準備し作業に取り掛かった。
先ず現状で台枠直結式が採用できるか確認を行う。
限られた接着面ながらスカートは強力に固定されていた。
原形を保つスカートは強度が高く少々強引に引き剥がした。
台枠は整形以外にt0.3mmのスペーサーまで追設されている。
かなり工夫した形跡が伺えたが異端の台枠直結式スカートは呆気なく廃止となった。


台枠更新を決定付けた運転台側台枠の整形。

撤去したスカートから取付脚を切除する。
3758のTNカプラーSPはTOMIX製スカート取付台座までもが欠き取られていた。
整形された運転台側台枠形状に沿わせるためスカート取付台座避ける元取付脚周囲の切断は行っていない。
現在SPフレームTNダミーカプラーは発生品都合により新規製作が難しくなっている。
今後はTNカプラーSPを原形のまま取り付ける機会が増加すると予想され3758のスカート形状は一代限りになるだろう。
TR-180床板を車体へ組み込みスカート位置を合わせた。
残念ながら接着代が大幅に不足し台枠流用は不可能だった。


更新に着手したTR-180用台枠 (更新用,元3758用)。

TR-180床板は最後の予備品が残っていた。
更新対象は台枠だけで座席部品は保管品に廻る。
過去に行っていた増し締めにより山の崩れかけている座席部品装着車が多い。
相方を失ったが座席部品更新では即戦力となる。
先ず元3758用台枠から床下機器部品を撤去する。
台枠には回着時から手を加えた形跡が無くゴム系接着剤だけで固定されていた。
メーカーでの塗布箇所は前後取付脚部の2点止めで枕木方向内側に傾け剥離した。


切妻化した成田寄台枠車端部 (元3758用,更新用)。

更新用のTR-180台枠は上野寄,成田寄双方に後退角を持つ。
3700形M2c車の連結面側は切妻であり元3758用台枠に準拠し整形を施した。
加工は単独で行ったが座席部品を組み合わせた方が合理的だったかもしれない。
ゴム系接着剤は床下機器部品の取付脚部を避け平面部に塗布した。
メーカー様式では導電板まで接着されてしまう。
実際に3758用導電板にはゴム系接着剤流出が見られ独自方式へと切り替えた。
なお準備した時点で反りが生じていたTR-180用台枠は床下機器部品取付で大凡平行に至っている。


通電系統再整備を行った3758用TR-180床板。

3758は一度通電系統の研磨を済ませていた。
しかし上記の通り導電板が台枠に接着された状態だったため裏面はグリス除去だけで打ち切られている。
更新を機に導電板,台車集電板全面をラプロス#4000で磨き直した。
改修により3758Fは後期リニューアル工事施工編成へ改められる。
よって使用機会を失うライトスイッチは廃止した。
床下機器部品の固着を確認し3758用TR-180床板を組み立てる。
LOTに差が生じた座席部品と更新用台枠の嵌合は問題無い。
ビス締結も特に緩さを感じられず台枠更新は無事終了となった。


更新で原形に復帰した台枠。

切妻化を行った台枠は従前の通り車体に収まった。
これで台枠直結式スカート化への障害は皆無となる。
課題はスカートの安定性向上である。
台枠と車体裾には約0.8mm程の段差が生じていた。
運転台側台枠は後退角を残しており線路方向の接着代も不足する。
ここで参考になったのは旧台枠直結式スカートだった。
段差と接着代を稼ぐためスペーサー追設に踏み切る。


スペーサーを追設した運転台側台枠。

スペーサーにはt0.6mmのプラ板を起用した。
車体裾との段差までに届かないがスペーサー,スカートの固定はゴム系接着剤に頼る。
段差を埋めるには約0.2mmの猶予が重要だと思えた。
現物合わせでプラ板を切り出したため全長は不明である。
TNカプラーSPのTOMIX製スカート取付台座が切除済だった事も関係している。
何れは原形のTNカプラーSPに合わせた規格化が必要となる。
但し線路方向の接着代を稼ぐ台枠前端部に張り出す形態は今後も変わらないと思われる。


スペーサーに接着されたスカート。

スペーサーの裏面にゴム系接着剤を塗布しスカートを圧着させる。
3728,3721(3728F-1)ではゴム系接着剤の厚みが車体裾との段差を補っていた。
不安定さを抱える要因になったが3758ではスペーサー追設の効果が高く当初からぐらつきは生じない。
枕木方向の平行とスカート角度を調整しそのまま固着を待った。
先祖帰りと言えるスペーサー追設は的中し3728F-1での消化不良感を一蹴した。
3700形M2c車の先発入場が3758でなければ違う方向へ向かっていたかもしれない。


3758 [55K 快速特急 西馬込]:車体改修,窓セル交換,行先表示類変更,第二次台枠直結式スカート化試行。


3728 [61K 快速 佐倉]:3728F-1(台枠直結式スカート化試作車)。

車体裾とスカートの間隔は台枠直結式スカート試行編成の3728F-1とほぼ同等である。
外観上からはスカート付TNカプラーSP,スカート付SPフレームTNダミーカプラー装着車との差異も伺えない。
台枠直結式スカート化は一定の手応えを掴めた。
またスペーサーへの取付に変更されたためTNカプラーSPの単独着脱が可能になっている。
しかし入場を控える3751は3758とは構造が異なりスカート付TNカプラーSP装着車に近い形態を持つと思われる。
引き続き台枠直結式スカート化の試行錯誤を続けたい。




3758 点灯試験[55K 快速特急 西馬込]:前照灯(電球色LEDライト基板化,通電系統整備施工)。


3758 点灯試験[55K 快速特急 西馬込]:尾灯(電球色LEDライト基板化,通電系統整備施工)。


3768 点灯比較[A17 特急 成田空港]:3768F-2(電球色LEDライト基板,TR-180A床板装着車)。

改修を終えた車体と嵌合させ点灯試験を行った。
目玉は3768中期仕様(3次車:3768F-1)から転用した電球色LEDライト基板化である。
TR-180床板装着車で初登場となった電球色LEDライト基板は3768現行仕様(3次車:3768F-2)と変わらない点灯具合に至った。
黄色発光LEDライト基板は点灯色温度に加え光束の広がりが欠ける弱点を持つ。
これらを一気に解消できる電球色LEDライト基板は非常に魅力的でリニューアル工事施工編成以外にも採用したくなる。
整備保留となった3768(3768F-1)は分解されたままでありライト基板交換には絶好の機会と言える。
3708F現行仕様(1次車:3708F-2)より先んじて電球色LEDライト基板を組み込むかもしれない。




3758後期仕様後期リニューアル工事施工車(窓セル交換,台枠更新・黒色側面窓枠補修施工)。

2日間の工程で3758の改修が完了した。
台枠更新後でも下廻りの見附は入場前と変わっていない。
数少ない変更点はTNカプラー取付用ボスの嵩が短縮された程度でTNカプラーSPを用いる限り嵌合に支障は無い。
スカート取付方式変更試作車だった3758は台枠直結式スカート試作車として竣工を迎えた。
完成度は今試行の方が上回っていると思う。


3758+3757 (3758F:窓枠改修車+窓枠未改修車)。

先行入場した3757以下6両(3758F)の改修では車体塗装に手を加える機会が無かった。
初めて3758で側面黒色窓枠補修を行ったが印刷再現とマッキー再現の差異は然程気にならない。
3751も補修に至る可能性が高いものの編成見附を崩す事態には陥らないだろう。
また3種類の補修方式が混在する3767以下6両(3768F-1)への対応にも影響を及ぼすと思われる。

3758Fの改修最終入場車となる3751も前面車両番号はインレタ再現である。
改番前の[3791]は赤マッキーで直接塗り潰しており3758とは若干仕様が異なる。
但し要注意指定車には変わりなく慎重に作業を進める。
進行状況によっては作業分割も有り得ると思う。
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