試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3700形3761[3768F-1] 3次車 中期仕様 台枠直結式スカート化,台枠湾曲修正試行 (TR-180A床板装着車)

2018-09-16 21:59:53 | 京成線:3700形
一発。

グリーンマックス製京成3700形3761中期仕様(3次車:3768F-1)の第二次整備は後半戦に突入した。
前半では車体関連が主に置かればらされた状態からの組み立て以外は改修入場に近かった。
残る下廻りの整備は引き続き第六次台枠直結式スカート化試行を施す新工程へと展開が変わる。


京成3700形3761 3次車 中期仕様(3768F-1)。

3768(3768F-1)の入場でTR-180A床板装着車もTR-180床板装着車と同一方式でも台枠直結式スカート化が可能と掴めた。
床板の違いに左右されず外観は大凡同等となる。
むしろスペーサーの変形が加わりスカートはTR-180床板装着車より安定度が高められたと思う。
よってプラ板スペーサー追設は正式採用が決定した。
3761では基本構造を守ったまま工程順を再構築し試行段階から本施工へ格上げを狙う。


入工中の3761。

仮組立直後の3768と3761では前面車体裾とスカートの空間に若干差が生じた。
これは両端部にスペーサーが採用されているTR-180A床板の個体差だと予想される。
何れにせよ運転台側スペーサーは垂直方向へ変形させるため差異の解消は可能と考えた。
既に3768はスカートを固定してしまいスペーサーの位置基準になり得なかった。
そこで再び3708登場時仕様(1次車:3708F-1)を持ち出し比較しながらスペーサーの変形を進める。
3708と較べ3761のスペーサーは大幅に下垂していると判った。
変形は台枠に取り付けたまま行っており都度車体と嵌合させ前面車体裾との段差を確認する。
しかし全体を引き上げてもなかなか3708に近付かない。
最後は運転台側TNカプラー取付部の境から前端側を折り曲げるように持ち上げた。


SPフレームから大きく離れたスペーサー前端。

かなり強引な手法になってしまいTNカプラーSPの嵌合が不安に感じられた。
幸いな事にプラ板スペーサー追設用の治具はTNカプラーSPの破損品である。
これが装着出来れば問題は無い。
変形させた副作用でTNカプラーSP(破損品)の取り付けは一癖あるものに変わった。
爪嵌合を成立させるにはSPフレームの取付部全体を押さえつける必要がある。
ただ着脱は可能で変形代は許される範囲内だったらしい。
3768にTNカプラーSP(破損品)を装着した際はカバーとスペーサーが接触していた。
前端部を極端に持ち上げた3761用スペーサーは殆どTNカプラーSPカバーに触れていない。
その結果ジャンパ連結器モールドから離れてしまいt0.3mmのプラ板はどうにか掠る程度であった。
プラ板追設に当たり重要な箇所の信頼度が下がってしまったのは想定外であった。


想定位置に収まったプラ板スペーサー。

TNカプラーSP(破損品)が黒色成形品でありスペーサーとの識別を難しくした。
そこでカバーだけを灰色成形品へ交換しプラ板スペーサーの追設に取り掛かる。
プラ板の裁断は3768と同じく適当に行った。
車体中央寄はスペーサーとTNカプラーSPのTOMIX製スカート取付口付近に隙間が無く原形のまま位置を合わせた。
そしてスペーサー側面とTNカプラーSPのジャンパ連結器を基準にプラ板が車体へ収まるよう整形する。
各方向のプラ板切断目安は間違っていないらしく3761では一発で決まった。
接着はタミヤセメントが上手く機能しなかったため当初から流し込み接着剤を用いている。


台枠直結式スカート化への準備を終えた床板。

プラ板の追設を終えた後にスカート取付脚台座を切り落としTNカプラーSPとの接触を防ぐ。
従来はスカート天面側から切断を行っていた。
この方法では誤って側面を傷付ける可能性が高く裏面側からの整形へと改めた。
これによりスカートの肉厚に注意を払う必要が無くなっている。
僅かに残る元取付脚の根元はクラフトナイフで削り平滑化した。
ここまでは至って順調に進みプラ板追設と共にスカート形状も本採用へ至ると思われる。
いよいよスカートの取付準備が整った。
一旦灰色成形品のTNカプラーSPを取り付けたがスカート装着前に撤去している。
ゴム系接着剤に頼る固定方式は変わっていない。
3768ではスカートを合わせる際にプラ板スペーサーからゴム系接着剤が押し出されTNカプラーSPに付着してしまった。
この作業を廃するためTNカプラーSPが未装着の状態でスカートを接着する。
はみ出したゴム系接着剤はTNカプラーSPの再装着前に除去し清掃を不要とした。
なおゴム系接着剤はスカート天面への塗布を取り止めプラ板スペーサー側だけに改めた。


快調に進んだ台枠直結式スカート化。

ここから少々忙しくなる。
スカート位置の融通が効くうちにTNカプラーSPを取り付け床板を車体へ嵌合させる。
その後仮接着していたスカートの向きを線路方向及び枕木方向共に微調整する。
大きく歪ませたスペーサーが不安要素だったが全く影響無かった。
上方向への反力は3768よりも大きい。
そのためか変形代が変更されたにも関わらず前面車体裾とスカートの空間は殆ど気にならない状態に達した。
固着した後も変化は見られずプラ板スペーサー追設に続いてスカート装着まで一発成功を収めた。
入場から約30分で台枠直結式スカート化試行工程が完了する良好な進捗具合だった。
残る作業は上野寄FS-547非動力台車のTNカプラーSP対応化だけだと思われた。


TNカプラーSP対応化されたFS-547非動力台車(上野寄]。

FS-547(047)非動力台車はカプラーポケットを撤去するだけで作業を終えられる。
TNカプラーSPをスペーサーに取り付け車体と床板を嵌合させた。
ところが3761の竣工を目前に新たな問題が発覚した。
上野寄車体裾に対しTNカプラーSPの位置が異様に低くカバーまで露出していた。
スペーサーへの嵌合不完全かと思えたが装着に全く異常は無い 。
TR-180A床板も部品同士はしっかりと噛み合っている。
原因が判らずTR-180A床板の解析へと至った。
分解に先立ち基本構造を確認する。
床板は2pcs式で双方が都合8箇所の嵌合爪により固定されていた。
スペーサーは上側台枠へ取り付けられている。
従って分離にはスペーサーの撤去を要した。


初の分解と相成ったTR-180A床板。

運転台側スペーサーはスカートの装着を終えていた。
耐性が心配されたが着脱程度では左右されない安定度に達しているらしい。
プラ板の追設をタミヤセメントから流し込み接着剤に切り替えた効果だと思われる。
表面から嵌合を解き上側,下側の台枠を分離した。
ここで上野寄のTNカプラーSPが嵌まり込まない要因が掴めた。
双方とも順反りが激しく両端部は下方向を向いている。
3768に比べ前面車体裾とスカートの空間が広かった理由にも繋がると言えた。
TR-180A床板では初となる台枠の個体差に出会している。
湾曲の修正は力業に頼るしかない。
上側,下側台枠とも約1cm事に区切り端部から少しずつ水平に近付けていった。


水平に近付いた下側台枠。

当初は下側台枠の矯正だけで構わないと思えた。
しかしスペーサー嵌合部が上側台枠に存在すると思い出し修正対象へ加えている。
水平化だけでは何処か不安を抱きTNカプラー取付用の欠き取り部から先を上方向に持ち上げた。
運転台側スペーサーに近い変形方法である上にプラスチックの硬度が高まるため折損への注意が必要だった。
目視で症状改善に至ったと思えたところでTR-180A床板を組み立てに入る。
分解とは一転し座席部品も含め嵌合爪に合わせるだけで固定され瞬く間に原形へと復帰した。


3761:TNカプラーSP取付位置補正施工(上野寄,台枠湾曲修正試行)。


3757:3758F(成田寄,TR-180床板装着車)。

再組立を行ったTR-180A床板は分解前と変わらない車体との嵌合を示した。
車体傾斜も招いておらず不具合は無さそうである。
下垂が激しかった上野寄TNカプラーSPはTR-180床板装着車の位置とほぼ揃えられた。
TR-180床板装着車はTNカプラーSP化の個体差が少ないため比較に適している。
改修入場時の3757後期仕様(3次車→現行仕様:3758F)で記録を残しており改めて矯正結果を確認した。
無論3762との連結も差し障りない。
本来グリーンマックス製京成3700形はTNカプラーSP非対応と謳われている製品である。
アーノルトカプラーでは床板が湾曲していても何ら影響しない。
自己責任の加工で初めて判明した個体差と言えよう。




3761 [A13 特急 上野]:台枠直結式スカート化試行(TNカプラーSP化)。


3768 [A13 特急 上野]:3768F-1(第六次台枠直結式スカート化試作車)。

台枠補正の実施でスカート位置の変更を要すると思われた。
運転台側を確認したところ施工直後と全く変化が無い。
スペーサーの変形は垂直方向に限った。
更にプラスチックの硬度が低く台枠本体と角度が改められた影響を吸収したらしい。
反力は3768よりも高められており前面車体裾との位置関係を自動的に補正してくれた。
その結果3768F-1の台枠直結式スカートは差異が伺えない仕上がりに至っている。
最後で台枠修正と言うどんでん返しがあるとは思っていなかった。
これを省けば台枠直結式スカート化の所要時間は約30分で収まる。
TR-180床板装着車との仕様共通化も実現し台枠直結式スカートの本格採用が決定している。


3761 [A13 特急 上野]:前照灯(電球色LEDライト基板(直販品)交換施工)。


3761 [A13 特急 上野]:尾灯(電球色LEDライト基板(直販品)交換施工)。


3701 点灯比較[A05 特急 上野]:3708F-2(電球色LEDライト基板(8422)交換,TR-180床板装着車)。

台枠湾曲修正は導電板とライト基板集電脚の接触具合にも変動を与えると思えた。
TR-180A床板の取り付けは従来通り運転台側へ偏位させた位置から行っている。
ここで非点灯に陥ると厄介であった。
徐々に電流を上げると共に前照灯が光り輝いた。
電球色LEDライト基板(直販品)への交換とを併せ安心を得た瞬間になっている。
後半戦は台枠直結式スカート化に注力したが電球色LEDライト基板への復帰も3768F-1の重要項目だった。
ライト基板交換は3708F現行仕様(1次車:3708F-2),3758Fに続く3編成目への施工で不安は無い。
但し二連の電球色LEDライト基板(直販品)を分割する方法には課題が残っている。
作業失敗に備え電球色LEDライト基板(直販品)はもう1組同時投入を図った。
交換候補筆頭は3728F中期仕様(1次車:3728F-1)に据えており切断方式を再考したい。

3761中期仕様が竣工し3768F-1は全車の第二次整備を終えた。
回着から大幅に時間を要したがようやく出場を迎える。
各種課題は無事消化され以後の改修や増備に反映されると思う。
現時点での最新構造へ改められた3768F-1は在籍する3700形でも出色の存在になるだろう。
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