試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-53+モハ102-53[ラシ332F-1] 車体改修 (側面窓セル嵌合精度向上施工:塗装変更車) ※TOMIX製High-Grade製品

2018-04-23 21:28:43 | 国鉄/JR103系
寸前。

TOMIX製JR103系High-Grade製品モハ102-53+モハ102-53(ラシ332F-1)が入場を迎えた。
共に柚肌での仕上がりで塗装状況は芳しくない。
但しサハ103-270で塗装被膜改善に失敗したため大掛かりな修正施工は見送る。


JR103系モハ103-53(ラシ332F-1:塗装変更車)。

モハ103-52+モハ102-53はサハ103-269,サハ103-270(ラシ332F)と同じく青22号車両とした。
動力ユニットはモハ102-53に搭載されておりラシ332F-1では中核を担うモハユニットである。
入場は塗装状態の差からモハ103-53からとした。
2位側に艶消し仕上げが目立つ中厚塗装で厚塗りのモハ102-53より軽度の工程に落ち着くと思えた。
またモハ102-53は動力車のため床板清掃が無く車体関連に集中出来る事も作用している。


入工中のモハ103-53。

ラシ332Fの組成第二陣としてモハ103-53+モハ102-53は竣工した。
第一陣だったサハ103-269,サハ103-270で側面窓セルの組付に難航し車体断面への塗料吹き付けを減らしている。
その効果は分解時に現れた。
ニードルを持ち出す必要は無く外側から側面窓セル上部を押し込むだけで撤去を終えられた。
但し側扉戸当たりゴムモールド部の車体膨張は隠せず車体断面の修正は必須項目となる。


製品と変わらない嵌合具合だった側面窓セル。

改修入場第一号のモハ103-265+モハ102-420(ラシ332F)から分解に手間取ってきた。
モハ103-53で初めて容易に側面窓セルの撤去を迎えている。
後から竣工したモハ103-265+モハ102-420には塗装変更の一工夫が足りなかったらしい。
車体断面は一応黄色5号で覆われているが微かに青22号時代の名残が伺える。
塗装被膜の強度に不安を抱き爪楊枝の使用は取り止めた。


中途半端に黄色5号で塗装された車体断面。

仕上げは省略されており車体内側には塗料の張り出しが残る。
先ず庇状に固まった塗料をクロスで取り除く。
その後極細綿棒と綿棒で車体断面の清掃に入った。
抑えたつもりの塗料吹き付けだったがある程度の厚みがあった。
特に側扉窓と戸袋窓はこの傾向が強く車体を押し出す原因と判明している。
強めに極細綿棒で擦り綿棒で塗料粉を巻き上げる工程を三回繰り返し側面窓セルへの押圧を減らした。
2位側の艶消し部分は磨きクロスを軽く往復させ全体に馴染ませた。
入場前の状態が比較的良かったため車体断面清掃施工後も側面窓セルの嵌合に変化は無い。
側扉窓の戸当たりゴムモールド部は押し出されず車体の歪みは消え去った。


固定化が決定したC4系ブレーキ制御装置。

床板にも塗料粉の付着が見られた。
清掃と同時にC4A形ブレーキ制御装置の取付具合を確認している。
2脚嵌合のためかモハ103-53でもぐらつく現象が生じた。
TOMIX製High-Grade製品では共通の弱点かもしれない。
恐らく量産冷房車のC4B形ブレーキ制御装置も同様だと考えられる。
モハ103-53以後の入場車は現状に関わらずC4系ブレーキ制御装置をタミヤセメントで固定する。




モハ103-53(側面窓セル嵌合精度向上対策施工)。

床板の清掃を終え車体と組合せた。
車体裾内側は予め庇状に固まった車体断面の塗料除去時に均しを終えていた。
よって嵌合時の渋さも解消されている。
順調にモハ103-53の改修は進み比較的短時間で竣工に至った。
モハ102-53への修正施工も可能な時間が残っている。


入工中のモハ102-53(ラシ332F:塗装変更車)。

続けてモハ102-53を入場させ同日竣工を目指す。
モハ102-53ではC4A形ブレーキ制御装置の固定化が省略出来る。
車体と動力ユニットには嵌合猶予があり台枠清掃も不要だった。
先に下廻り関連の整備を行った後に車体の改修へ入る工程とした。


簡易整備を終えたモハ102-53用動力ユニット。

動力ユニットは竣工以降から至って快調のまま推移していた。
分解整備は不要で艤装関係では津川洋行製ホイールクリーナーでの踏面清掃しか行っていない。
残るはTNカプラーSPの白濁対策となる。
クリーナーを浸した極細綿棒で底面と側面を拭き上げた。
外観から目立つ箇所ではなくクロスでの拭き上げは施していない。


垂直に戻した側板。

モハ103-53と同時竣工したモハ102-53だが塗装被膜は若干厚い。
側面窓セルの撤去はモハ102-420と同程度の時間を要している。
車体断面への塗料吹き込みは余り抑えられていないとも判った。
この影響により車体は外側へ膨らんでいた。
塗料片除去へ取り掛かる前に車体側板を矯正する。
車体矯正は直接押し込む方式だが磨きクロスに持ち替えた。
側板が原形に回復した直後に艶消し箇所の修正へ移れるよう工程を改めている。
モハ102-53も柚肌解消は放棄し艶出しのみで留めた。
磨き過ぎたサハ103-270は逆効果になってしまったためモハ103-53に合わせ半艶止まりとした。


平板のまま収まる側面窓セル。

車体断面の塗装が厚く改善に当たり再び爪楊枝を起用している。
爪楊枝での塗料除去は効率が高い。
その後の極細綿棒と綿棒での仕上げは一度で終えた。
ただ力加減を誤り一部で下地の青22号を露出させてしまった。
サハ103-270では側板の塗装剥離を塗料で誤魔化した。
同様の方式を採れない事もなかった。
その代わり車体断面清掃の効果が削がれてしまう。
取り敢えず側面窓セルを組み付け現状を把握した後に対策を考える。
側面窓セル嵌合精度向上施工そのものは良好だった。
今後は外側から側面窓セル上部を押し込めば撤去出来ると思う。
なお塗装剥離を招いたため着脱試験は見送った。


側面窓セルで隠された側扉断面塗装剥離部(千葉寄)。

問題は青22号を露出させた車体断面の状況だった。
当該箇所は2位側の千葉寄側扉窓部である。
爪楊枝を当て過ぎ車体断面は黄色5号が失われほぼ青22号に戻ってしまった。
しかしこれを側扉窓Hゴム支持モールドが救ってくれた。
剥離箇所は側扉窓セルの凸部で完全に隠蔽されている。
あらゆる角度から見ても青22号の気配は感じられない。
連続失敗になりかねない事態は無事回避された。




モハ102-53(側面窓セル嵌合精度向上対策施工)。

整備済の動力ユニットと嵌合させモハ102-53が竣工した。
単独入場が続いていたラシ332Fの塗装変更車改修はようやくユニット単位での同日施工が実現している。
たまたまモハ103-53の塗装状態と動力車であるモハ102-53が重なった結果と言えよう。
更に塗装を剥離させた車体断面の補修が必要となれば工期延長は避けられなかった。


モハ103-53+モハ102-53 (ラシ332F-1:塗装変更車+塗装変更車)。

塗装被膜の修正は軽度な範囲で行った。
入場前のモハ103-53+モハ102-53は連結部が艶有り塗装と艶消し塗装で隣り合っていた。
今回の改修で見附は若干改善されたと思う。
柚肌には変わりないがサハ103-270ほど劣悪ではない。
よってモハ103-641+モハ102-797(ラシ332F-2)の陰に隠れる存在にはならないと思う。

ラシ332Fの塗装変更車はモハ103-266+モハ102-421が未入場で残っている。
塗装変更車の改修は神経を使う。
あと1ユニットで側面窓セル嵌合精度向上対策施工を終える地点まで辿り着いた。
箇所は異なるとは言えサハ103-270とモハ102-53で塗装剥離を続けざまに招いたため十分注意したい。