試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3150形モハ3167[3170F-3] 現行色 後期仕様 線路方向車体傾斜矯正,運転台側TNカプラーSP前進取付位置修正

2018-04-16 21:45:29 | 京成線:3150形
失念。

グリーンマックス製京成3150形モハ3168現行色後期仕様(3170F-3)の動力ユニット更新最終工程は連結試験だった。
試験相手には実際に編成を組むモハ3167(3170F-1)を起用している。
この際モハ3167の車体が運転台側から連結面側に向け傾いている様に感じられた。


京成3150形モハ3167 現行色 後期仕様(3170F-3)。

本来3170F-3(3170F-1+3162F-1)の次期入場車は通電系統の整備が待つモハ3159(3162F-1)を予定していた。
だがモハ3167の線路方向で生じている車体傾斜が引っ掛かった。
モハ3159の工程はモハ3170(3170F-1)と変わらない。
時間こそ要する内容ではあるものの軽作業に留まる。
急遽入場順を改め車体傾斜の真因を突き止めるべくモハ3167が先発となった。


入工中のモハ3167。

早速モハ3167を分解した。
先ず側面窓セルの嵌合爪を点検し異常が無い事を確認している。
原因はTR-180床板しか考えられない。
モハ3167用TR-180用床板は座席部品と台枠を分離する前から波を打っていた。
ビス締結がなされている状況での歪みである。
連結面側の沈下ではないため金属ワッシャー式車体高嵩上施工には当たらない。
座席部品及び台枠の撓みか締結角度に問題があると考えた。


水平に矯正した座席部品。

ビス締結は増し締めの気配こそ伺えたが垂直方向に挿されていた。
ここで疑惑対象からビス締結角度が外れている。
もう座席部品と台枠しか残ってない。
各々を調べ車体傾斜解消を目指す。
台枠から分離された座席部品は長年の締結による影響からか撓みが見られた。
TR-180床板用座席部品には予備がある。
先ず水平に戻し台枠との嵌合を待つ。
不具合が出るようであれば交換を行う二段構えとした。
座席部品の撓みはウエイトボックスを除く両端部で生じていた。
複雑な形状に歪んでいたため各方向から少しずつ力を加え一直線状に近付けている。


TNカプラー取付部を持ち上げた台枠(上野寄)。

一方の台枠は緩いU字形に変形していた。
恐らく車体傾斜の大元は台枠だろう。
台枠も座席部品と同様に水平へ矯正する。
但し上野寄,成田寄端部の最低地上高に差が無かった。
単に水平にするだけでは傾斜を防げないと思えた。
車体傾斜は連結面側に限られる。
そこで床下機器を境に上野寄台枠を下方向へ整形した。
このまま座席部品を取り付けると別の問題が生じる可能性が高い。
対策としてTNカプラー取付部を上方向に持ち上げ最低地上高の差異を廃している。


前進代が不足していた運転台側TNカプラーSP。

3170F-3は3150形で初の4+4編成として出場を飾った。
メーカー仕様のドローバー連結が気に入らず運転台付車にはTNカプラーSPの前進取付を初採用した。
現在まで続く運転台側TNカプラーSPの前進取付だが当時はC280曲線通過性能確保が基準だった。
近年に出場した3150形では明確に前進幅を定めている。
台枠矯正中に取付位置が奥まっている事に気付き修正を決断した。
この時点では運転台側TNカプラーSPの撤去に留め車体傾斜解消対策を進める。


ほぼ変形が解消されたモハ3167用TR-180床板。

先に座席部品と台枠を嵌合させ床板の状況を確認する。
何となく中央部が下垂している様に見えるが当初の変形よりはかなり改善された。
一度車体と組み合わせたところ嵌め込み時の手応えが変わった。
矯正前よりも嵌合猶予が減り車体の剛性も上がったように思える。
まだ確証は持てない状況下だったが対処法が掴めた。
固着時間との兼ね合いもあり運転台側TNカプラーSPの再取付へ移行した。


前進幅が増加した運転台側TNカプラーSP。

撤去した運転台側TNカプラーSPは取付部の逆L字形整形方法が現在とは異なっていた。
不要な箇所を切除し前進代を増大させる。
モハ3167の運転台側TNカプラーSPは撤去に労した。
初期竣工車の名残で大量のゴム系接着剤が塗布されている。
剥離時に逆L字形整形部を折損させる寸前まで至った。
取付部の再整形には慎重を期し流用に結び付けた。
床板はまだ車体に装着したままである。
適量のゴム系接着剤をTNカプラーSPカバー上に塗布しTNカプラー取付部に挿入した。
その後前面車体裾断面のパーティングラインとTNカプラーSPジャンパ連結器モールド前端を揃え固定している。




モハ3170(線路方向車体傾斜矯正)。

運転台側TNカプラーSPの固着でモハ3170は竣工を迎えた。
車体は完全な水平にまで到達しなかった。
しかし傾斜は緩和されたように見える。
入場前の記録を重ねたところその効果が感じ取れた。
結局車体傾斜を招いた原因は台枠だった。
急いて座席部品の交換に走らなかったのは正しい判断だった。
再矯正は容易であり今入場での矯正を打ち切り3170F-3の整備を進行させる。




モハ3170+モハ3160 (3170F-2:4+2編成)。


モハ3171+モハ3184 (3174F-2:4+2編成)。

前進取付位置の見直しを行った運転台側TNカプラーSPも現行の水準に達した。
修正前は連結器後端が前面車体裾と被る位置にあった。
現在はM1'車,M2'車と揃えており寸詰まり感が拭えたと思う。
3170F-1+3162F-1は4+2編成の3170F-2にも対応している。
3150形のTNカプラーSP化は組成自由度の向上が名目だった。
丸妻の運転台側が前進代の不足を隠してしまい気付けなかった。
TNカプラーSP化当時より4+2編成,2+4編成が増加したため良い是正機会になったと思う。