試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-265+モハ102-420[ラシ332F] 車体改修 (側面窓セル嵌合精度向上試行:塗装変更車) ※TOMIX製High-Grade製品

2018-04-21 21:52:41 | 国鉄/JR103系
窮屈。

TOMIX製JR103系High-Grade製品ラシ332F-1はモハ103-265以下8両が塗装変更車で占められる。
各車の竣工時期はクハ103形高運転台車がリリースされる前だった。
塗装被膜は厚塗りが目立ち始める直前に当たり柚肌塗装車両と中厚塗装車両が混在する。


モハ103-265(ラシ332F:塗装変更車)。

TOMIX製High-Grade製品のモハ103形+モハ102形初期形冷房改造車(黄色5号)は未だ正式リリースに至っていない。
限定生産でモハ103-136+モハ102-249が登場しているため何れはラインナップされると読む。
ラシ332Fの組成準備は2014年8月から開始した。
当然モハ103-136+モハ102-249は影も形もなく構成都合で朱色1号車両,青22号車両を黄色5号へ塗装変更した。
半ば見切り発車でクハ103-743,クハ103-756の導入を待ちラシ332Fの出場に繋げている。


入工中のモハ103-265。

モハ103-265+モハ102-420
(ラシ332F)は朱色1号初期形冷房改造車を種車とした。
朱色1号時代の名残は車内に残るだけで当時にしてはましな仕上がりと言えよう。
塗装被膜は中厚である。
TOMIX製High-Grade製品の側面窓セルは車体嵌合精度が高く塗装変更後の組立に難儀した。
改めてモハ103-265を見直すと側面窓セルに撓みがあった。
車体も外側へ湾曲しており危険な香りを漂わせていた。
急遽モハ103-265以下8両を入場させ点検及び修正を行う。


撓む側面窓セル(中野寄)。

側面窓セルが撓んだ箇所を確認する。
すると原因は車体断面の塗料残滓だと判った。
側面窓セルの組み付けに難儀した理由は塗装技量に加え仕上げを端折ったためらしい。
塗料残滓を除去し車体と側面窓セルの歪みを廃せるか試行する。
TOMIX製High-Grade製品は嵌合爪が幕板にある下作用式の側面窓セルが採用されている。
そのため側面窓セルの撤去は内側から下部を浮かせ外側上部を押し込む方式となる。
塗装被膜が邪魔をし側面窓セルはなかなか取り外せない。
車体が軋むほどだったがどうにか撤去へ漕ぎ着けた。


分解も難航したモハ103-420。

側面窓セルには黄色5号の塗料片が付着していた。
エアーダスターで吹き飛ばしクロスで磨き直している。
幸い撓みは側面窓セルに記憶されていない。
復旧できるかは車体の修正に懸かった。
先に外側へ張り出していた側板を垂直へ押し戻す。
塗装変更車体であり無理な力は加えられない。
当該箇所より大き目の範囲から徐々に矯正を進めた。
矯正は上手く行き朱色1号の下地を覗かせる事無く原形に復せた。
続いて妻板を除く全車体断面の塗料残滓除去に取り掛かる。
ここでも塗装変更車が災いし爪楊枝で直接擦れない。
極細綿棒を駆使し少しずつ進めるしかなかった。


再発しなかった車体と側面窓セルの歪み。

何とか全箇所の修正を終え組立に入った。
残滓を除去したとは言え黄色5号で塗布した分だけ被膜は厚くなる。
製品原形より嵌合がきつくなるのは仕方がない。
ただ車体断面の清掃効果は得られた模様で初竣工時に比べ側面窓セルは装着し易くなった。
車体及び側面窓セルの撓みも廃され最低限の措置は取れたと思う。




モハ103-420(側面窓セル嵌合精度向上対策施工)。

塗料残滓除去に大幅な時間を割かれた。
しかし車体変形を招く事態に陥る前に改善を図れたのは大きい。
塗装被膜は一部艶消しに近い箇所があり並行して修正を行った。
大幅な外観向上には至っていないがモハ103-265を竣工させている。
モハ103-265と同時竣工だったモハ102-420も同じ弱点を抱えていた。
車体断面の仕上げに手間を要するためモハ102-420は日を改めて入場させている。
早速分解しようとしたが床板が固く嵌合していた。
この時点で塗装状態がモハ103-265を下回ると判ってしまった。


入工中のモハ102-420(ラシ332F:塗装変更車)。

側面窓セルは車体内側と密着しており下側を浮かせられる感じがしなかった。
残るは外側上部から押し込むしか術が無い。
車体嵌合爪に相当する箇所を中心にクロスで包んだプラスチックドライバーを当てた。
TOMIX製High-Grade製品用の予備品は殆ど無い。
初期形冷房改造車は所要数しか投入しておらず側面窓セルの破損は命取りだった。
軋む車体と大きく撓む側面窓セルに不安を抱きながら慎重に作業を進めている。


車体内側にまで張り出していた黄色5号塗料。

嵌合爪から側面窓セルが外れる度に緊張が走った。
心臓に悪い作業の繰り返しとなったが無事破損させずに側面窓セルの撤去を終えられた。
車体内側は各窓毎に塗料がリブ状に残っている。
覚悟はしていたがモハ103-265より状態が悪かった。
どうやらこの頃から厚塗りの傾向が始まっていたらしい。


車体裾内側にも手を加えたモハ102-420。

車体断面の清掃は極細綿棒を用いるモハ103-265と同一方式とした。
夥しい塗料残滓に手を焼き全箇所の修正を終えるまで約20分程費やしている。
なお床板を外し難くさせたと思われる車体裾内側は消しゴムで均し塗装被膜を薄くした。
側面窓セルの組み付けは難航しなかった。
入場前の状態が酷過ぎたためモハ102-420では着脱試験まで行い塗料残滓除去に落ち度が無いか確認している。
今後分解から壁にぶつかる事は無いだろう。


脱落したC4A形ブレーキ制御装置部品。

モハ102-420用床板の台枠には黄色5号の塗料片が散見された。
これの除去中にC4A形ブレーキ制御装置部品が脱落している。
元々ぐらつきが感じられた部品だったが遂に耐えられなくなった模様である。
台枠取付孔には微量の接着剤痕が見えた。
まだ嵌合強度に期待出来そうな状況と言える。
ブレーキ制御装置部品の取付脚のみにタミヤセメントを塗布し再取付を行った。


タミヤセメントで固定したC4A形ブレーキ制御装置。

台枠取付孔はメーカー塗布の接着剤で僅かに小径化されている。
タミヤセメント固着後のブレーキ制御装置部品は以前の様なぐらつきが無くなった。
再び脱落した場合には床板を分解し流し込み接着剤で溶着する方向である。
床板清掃が工程に入らなかったモハ103-265も追って確認した。
現状では脱落の気配が感じられず対策を見送っている。




モハ102-420(ラシ332F:側面窓セル嵌合精度向上対策施工)。

車体の改修を終えモハ102-420が竣工した。
入場前は塗料が車体内側に張り出した影響で側扉戸当たりゴムモールド付近が盛り上がっていた。
歪んだ車体の矯正も並行しておりこの症状は収まっている。
側面窓セル嵌合精度向上対策効果はモハ103-265を上回ったと思う。

モハ103-265+モハ102-420は大凡同等の外観に揃えられた。
取り敢えず車体変形は回避され安心感を得ている。
他の塗装変更車でも同様の症状が現れているかもしれない。
クハ103-756(ラシ332F)のTNカプラーSP白濁対策施工は先送りし塗装変更車を優先入場させる。

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