試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ102-249[ラシ307F-2] 2エンド側ウエイト湾曲式車体高嵩上試行(KATO製床板装着車) ※グリーンマックス製

2018-04-10 21:33:26 | 国鉄/JR103系
新手法。

グリーンマックス製103系サハ103-250,サハ103-256(ラシ327F)にて2エンド側プラ板式車体高嵩上を試行した。
KATO製床板装着車への水平展開を図るには試行車を増やしたい。
そこでモハ103-136+モハ102-249(ラシ307F-2)を第二陣とした。


JR103系ラシ307F (1990/10)。
[ラシ307F-2]:Tc805-M136-M'249-T492-M738-M894-T497-M739-M'740-Tc812。

グリーンマックス製103系TR-200床板装着車の1エンド側金属ワッシャー式車体高嵩上は順不同で施工を進めた。
その結果進捗状況が掴めなくなってしまった。
KATO製床板装着車では編成管理番号順とし未施工車が残らない方策を採る。
津田沼区の103系初期形冷房改造車はクハ103形とサハ103形しか配置実績がない。
施工対象編成はJR移行後の習志野区所属編成のみである。
ラシ307F-2が最若番編成だったためモハ103-136+モハ102-249が入場となった。


入工中のモハ102-249(ラシ307F-2)。

モハ103-136から作業を開始する予定だった。
ところが予想に反し2エンド側の車体沈下は生じていなかった。
一方ユニット相手のモハ102-249は明らかに下垂している。
いきなりのイレギュラー発生で工程は大幅な変更を迫られた。
何故両車で差異が生まれたか切り分けを行う。
相互に床板を振替え何が原因かを探った。
モハ103形用床板をモハ102-249に装着すると症状が収まった。
その結果原因はKATO製103系量産冷房車用床板にあると判断した。


最低地上高の異なる2エンド側台枠 (モハ102-249用,モハ103-136用)。

モハ103形用床板とモハ102形用床板を比較する。
1エンド側には差が見られなかった。
しかし2エンド側はモハ102形用床板の台枠が低い。
プラ板式車体高嵩上をモハ102形用床板だけに施す方策も採れた。
ただ2エンド側車体沈下の根本原因を解消出来る機会になり得るため双方の床板を点検する。


分解したKATO製103系量産冷房車用床板 (モハ103-136用,モハ102-249用)。

各々を完全分解し部品毎に比較した。
LOTは同一で基本構造は同一のはずである。
台枠,座席部品までは変わりなかった。
最初の違いはウエイトにあった。
モハ103形用床板のウエイトは僅かにへ字形へ湾曲している。
比較的硬度の高い部品であり車体沈下に影響を及ぼす可能性は高いと思える。
次の違いは2エンド側導電板の折り返し角度だった。
水平に近いモハ102形用床板では台車集電板の反力が低くなると予想した。


へ字形に整形したモハ102-249用ウエイト。

先ずモハ102-249用ウエイトをモハ103-136用ウエイトに倣いへ字形へ湾曲させた。
導電板の整形は先送りとしモハ102形用床板を組み立てる。
座席部品と台枠は爪嵌合式だが嵌合精度は高くない。
よって1エンド側,2エンド側のビス締結時に座席部品センターピン部と台枠が水平を保つよう注意を払った。
ウエイト整形前と各々の角度が変わらないため台車締結具合は小細工後も同一だった。


座席部品と台枠の間に生じた空間(中野寄)。


プラ板式車体高嵩上後のサハ103-265用床板(ラシ327F:中野寄)。

組み上げた床板の2エンド側座席部品嵌合爪を確認すると台枠から若干浮いていた。
新プラ板式車体高嵩上試行車のサハ103-250,サハ103-265程ではないがウエイト整形の効果があるらしい。
床板単独で試験線上に据え置くと台枠両端の最低地上高が同等になった感じがする。
この時点で導電板の整形は見送りとした。


全体がへ字形に湾曲したモハ102形用床板 (モハ103-136用,モハ102-249用)。

気になったのは床板全体の湾曲である。
モハ103形用ウエイトを参照したへ字形整形だったが多少大袈裟過ぎたかもしれない。
但し車体とは4点嵌合のため症状が出るならば車体中央部の床下機器上昇に限られると予想している。
車体嵌合前にモハ103形用床板と2エンド側台枠の最低地上高差を確認した。




同一の最低地上高になった2エンド側台枠 (モハ102-249用,モハ103-136用)。

結果は良好でモハ102-249用床板の2エンド側台枠下垂が廃された。
これで成果が出なければウエイトを水平に再整形しプラ板式車体高嵩上に切り替えれば良い。
期待を抱き車体と床板を組み合わせる。
入場前と嵌合時の感覚が変わり2エンド側の嵌合猶予も縮小された。
これはプラ板式車体高嵩上試行時にも得られた。
後は実際に形となって答が出るかに懸かる。




モハ102-249(ラシ307F-2:2エンド側ウエイト湾曲式車体高嵩上試行)。

心配された床板全体の湾曲は予想通り車体中央部の最低地上高上昇に繋がった。
但し大幅に見附を狂わす程ではなく許容範囲内にある。
ウエイト整形箇所を2エンド側に限定する事でこの症状を回避出来るかもしれない。
新採用したばかりのウエイト湾曲式車体高嵩上であり試作車にしては上出来だと思う。




モハ102-249+サハ103-492 (ラシ307F-2:グリーンマックス製+KATO製量産冷房車)。

重点項目だった2エンド側の車体沈下は完全に解消されている。
KATO製サハ103-492との全高差は目立たなくなった。
これで1エンド側に影響が出ては元も子もない。
モハ103-136とも連結試験を行い不具合無しとの結果を得た。
ウエイトに目を付けた対策方法は当たってくれたらしい。


モハ103-136+モハ102-249 (グリーンマックス製+グリーンマックス製)。

竣工数を考えるとモハ103-136に起用したKATO製モハ103形用床板が異端だったと思う。
それが奏功し3種目の2エンド側車体高嵩上方式を呼び込んでいる。
まだ試行段階で多くの調整課題が残る。
しばらくはプラ板式車体高嵩上とウエイト湾曲式車体高嵩上の二段構えが必要だろう。


モハ103-136(ラシ307F-2)。

モハ103-136+モハ102-249は2017年1月に施工したKATO製現行LOTベンチレーター化以来の入場だった。
この間にグリーンマックス製103系では妻面窓セル固定化が施工項目となっている。
未施工だった両車とも追加施工し竣工させた。
結果的にラシ307F-2からの入場は各方面で利点があったと言えよう。