樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

山で 何がおこっているのか

2008-06-15 | 壊れかけてる森林
長いので 気力のない方は スルーしてねっ。

この間から 心配でたまらない。

今年は、特に山の色が悪い。

R306を三重県に向かい大君ケ畑まで行ってみた。

蒔き割りをしているおじさんに
「この時期は、いつも あんな色をしているの」と聞く。

いや 3、4年前から おかしい。

おじさんは、造林公社などの仕事もしてきたそうだ。

不適外地に植えたせいかなぁと 思っていたそうだ。
だから どこにも 何も 言わない。

自分たちが悪いのかなぁと 思っている。

また 評判を落すようなことは言わないのだと気がついた。

先日、間伐材を山に放置しておくことで キバチの被害が出ると知った。

しかも この時期は特にまずいらしい。

でも 放置すると決めた間伐は 腐りやすいように この時期にやると言っていたような気がする。ひゃー。

でも 今までの色々を総合すると 樹の免疫力 つまり 樹液の活性が鈍っていて キバチに限らず 害虫や産みつけられた卵を防除する機能も落ちているのではないかと思う。

ちゃんと 伐り旬に伐採しても 丸太のままにしておくと やたらに虫に食われる。大工さんは、樹皮付きのまま 天然乾燥した方がいいと言っていたが 今の樹は とても そんな事は出来ない。

事情が 昔と変わってしまったのか。

ナラ枯れと 杉・ヒノキが具合が悪くなりかけているのは ほぼ同時期だと言ってよい。ケヤキも やられてまっせ。

天然林( 広葉樹)との境あたりや 稜線付近から 色が茶色になっている気がする。

家からみえる山を 母に 見てもらった。

「 どう 思う? 」

「 ありゃ あのあたりって うちの山かも…」

ぐぇ。

鹿にもやられている可能性はある。

いやー しかし 実は 近づくと善し悪しが見えにくくなるのよねぇ。

山林で 儲けようとは思っていないけど 集団で一斉に悪くなると たぶん災害とかに影響が出ると まずいよね。

根は、20年位は 腐らないと聞いたけど ゆるゆる ひょろひょろで台風とかで倒れる可能性は 大 ですよね。

どうしたら よかんべかなぁ。

森の健康診断の結果を グーグルアースのGISに UPしたという事で見てみました。

なんとか しなきゃならない流域の山は あまりに 広い…。

おっちゃんには、いくつかの可能性の話をしてきた。

おっちゃんたちのせいだけじゃないよ。きっと。

だから 身近な人から 関係各所に おかしいと思うことは 伝えてねと言ってきた。私 ひとりが騒いでも なんともならない。

帰り際に「 ありがとうな 」と 言われた。

いや こちらこそ ありがとうだし セツナクなってしまった。

せっかく 長い間 手間をかけ 世話をしてもらっているのに
病害虫にやられたら 材価が ググッと下がってしまうのだ。

すると ますます 搬出されずに…という事態になってしまう。

ほんと「ほっとけない! 」「どぎゃんかせんといかん」なんだけど
弱体化している林業・木材関係者だけでは ほんと ムリだし
建築業界も 今は ヒィヒィ言ってるので余裕などないしね。

ほんと 森林税って どこに使ってるんだよ! と 吠えたくなってしまう。

あー すっきりした。ちょっと 元気が出てきました。

ほんと 海外に植林してる場合じゃないですぜ。


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