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樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

近江鉄道に大日本スクリーン駅 

2007-12-06 | 持続可能な社会
すばらしい。

近江鉄道・多賀線に来年3月新駅 彦根の大日本スクリーン
という記事があった。

大日本スクリーンは 半導体とかを製造している会社で友達もたくさん勤めている地元の企業です。事業所を拡大されるそうで1000人従業員が増えるそうで 建設費1億円を同社が負担して駅をつくるという事だ。

このあたりは、駅までが遠くどうしても車を利用することになる。
新駅が出来ると500人が マイカー通勤ではなく鉄道を利用する。
マイカー通勤抑制による二酸化炭素排出量の削減と交通渋滞の緩和が出来るという事だ。

と いっても 今より500人はマイカー通勤が増えるので交通量は増えることになるのだよね…。うっ。

近江鉄道さんも、環境に熱心に取組んでいらっしゃいます。
「環境フリー乗車券」なんてのが あるんですねぇ。

通勤時間以外は、自転車で乗ってもいいそうです。

できれば、通勤時間帯に自転車をつめる車両を連結してもらえると 自宅から駅、駅から会社まで遠い私も利用できるんだけどなー。

あーしかし モーダルシフト(自動車から鉄道・飛行機から船に輸送手段を代えるてCO2などの削減をすること)が推奨される世の中になるなんて 何年か前には想像できなかったもんねぇ。

前に、セメントの原料を山から出す為に線路があったのよね。
わが町も工業団地をつくるのに その線路を潰して道路を作ったのだけど
あれを残しておけば、工業団地にお勤めの人や資材を運ぶのに便利だったのになー。

大日本スクリーンの彦根工場から多賀の工業団地にある多賀工場まで直結するし
参天製薬さんや、セキスイ化学さんとか 工業団地にある会社の皆さんで資金を出し合って ここは 一つ 近江鉄道多賀線をもう少しだけ延長するってのはいかがでしょうねぇ。

持続可能な木造建築の基本

2007-11-24 | 持続可能な社会

先日の どっぽ村プロジェクトの建築途中の写真。

基本的に、長持ちさせなくてはいけない社寺仏閣は
このような構造になっている。

どーんと 柱が直接 土台に載っている。

今の ガチガチの建築基準法から見ると

とても 危うい感じはするが 免震構造なのと

虫に食われたり 腐った時に直しやすい構造になっている。

実際 築70年の実家を以前直した時はこの構造だったので
一部の補修ですんだ。

長く 使える住まいにするには もう一度
建築基準法を 根本から考え直す時期にきているのではないかと
心底思う。


限界とバックキャスティング 2

2007-11-03 | 持続可能な社会
原油が高騰している。

微妙な乱高下はあるだろうけれど、石油の生産がピークになり その後少しづつ少なくなって行くにしたがって 価格は上がってくるというのは当たり前の事ですね。

と いつも「お前は 何でも人ごとだ」と 怒られますが これからは「右肩上がり」ではなくて「右肩下がり」の中で どう対処していくかが問われると びわ湖ビジネスメッセ関連のシンポ 二つに出て学びました。

明日の生活や老後を考えると、日本の人口が増えない事は問題だけど それって年金と日本の借金をどうするかという事で 日本にある資源でそこそこ暮らすには 1億人で十二分らしいです。

意に計らずも 少子化は 後の子孫の事を考えると悪くないことなのかも。

世界規模で考えると これから発展していく国を止める事はできないし 先に発展した国がなんとか しばらく 抑えて 持続可能な地球の為にガマンしないと…。

GDP(国民総生産)の成長率とか 会社での総売上高とかの比較の勝った負けたではなくて 一人あたりの中身を充実させる事で ガマンとかじゃなくて 幸せに感じる心を持てるようにしていきましょうという風に意識の変革が大切になってくようです。

いやー 「成長しなくっていいんだよ。大きくならなくてもいいんだから、みんなほどほどに幸せならいいじゃん」って 社長が言ってくれたら サラリーマンはどんなに気持ちよく 仕事ができる事だろう。

2030年 2050年 2100年 のあるべき姿を思い描けべて 逆算してどうすればよいかを考えておくと これから変化していく世の中にも ウオサオしなくていいのだけれど…。

今 植える木は 2100年にも生きている可能性があるのよねぇ。

2030年に、燃料にするバイオマス資源である「薪」が必要なら 今から その準備をしておかないとねぇ。

20年~30年に一度は、薪や炭にするように広葉樹を伐りなさいという言い伝えは、やっぱり 守っていかなくちゃ。
細い木だと 機械を使わなくてもいいし 切り口から又芽がでるから 植林をしなくていいし 根はあるわけだから土壌の錯乱もないし 植林に比べてすぐに大きくなるから自然環境への負荷も少ない。

今は すぐに 日本国中や世界をターゲットに商売を考えるから 話がややこしくなって価格競争をして 自分の首も他の土地の同業者の首も絞めるような森林資源の使い方になっているような気がするけど 森林に負荷のない量にあわせて その近くの流域単位の人だけでも 一番作るのに化石資源を使わない 単純な「薪」を使う人が増えるように 何か手立てを考えなくちゃね。

本当は 今から建てる家も それに対応できるようにしておくといいのだけれど。

ほんと 日本国中 同じ仕様にさせようとするから どんどん不要な金具や電気を使う換気扇の設置を義務づけたりとか 後から廃棄に困る断熱材を省エネで推奨したりするんだよね。

太陽の取り入れ方と 風の抜け道を考えれば かなり省エネに出来るのに…。

あっ これは又 いつかちゃんとかきませう。  



  

間伐紙

2007-10-30 | 持続可能な社会
忙しいとかいいつつ・・・

環境活動レポートを ちょっと直しています。

わが社のレポートや このブログを始めるきっかけとなった「風の通心」という小冊子は 間伐紙を使っています。



いつか、わが町から出た間伐材が( 間伐材でなくて 端材でもいいのだけど)又 紙になって手元に戻ってくるような 仕組みが出来ればいいなーと ちよっとだけ高いけれど総額としてはそんなにたいした事はないので 新聞の折込広告を入れる時にも 

この広告の紙は静岡の「間伐材」と古紙が原料に使用されています。日本の山が少しでも元気になるように、そしていつか「びわ湖の水」や「滋賀の山を守り育てる」為に伐採された間伐材が紙になって又私たちの元に戻ってくる日が来る事を願って・・・・

とメッセージを載せて使用しています。
(環境を考えると 折込や紙ベースのものはやめた方がいいのですけれど…。ハハハッ)

でも 環境省は 古紙100%じゃないとだめと言ってらっしゃる というニュースを以前読んだ事がありました。印刷屋さんとこの間 話をしていたら 古紙も中国に回っているらしく再生紙の値段も高くなってきているとの事でした。

昨日のブログに紹介させて頂いた 安井先生の

「市民の為の環境学ガイド」

R100からR75K25へ ・・・紙リサイクルの一つの考察・・・10.28.2007

と 詳しく間伐紙の事について書いて頂いているでは あーりませんか。
うれしい。ぜひ リンクをクリックして読んで下さい。

「日本の人口林は 育てる時代から 利用する時代へ」というところもお忘れなくね☆


で 思い出したのだけど 数ヶ月前に横浜の動物園に入っている業者さんから 動物の檻の下に敷く 杉のチップはないですかと問合せがきた。
環境・杉・チップで検索したら うちがヒットしたらしい。
近くで探したけれどないとの事。

でも ウッドマイルズを考えると 少しでも近い方がいいし 乾燥してないと…という事なので 新月伐採で天然乾燥しているので たぶんチップも乾いているのではと 天竜の製材所を紹介しました。天竜は静岡ですもんね。
やはり チップは製紙会社に行っているとの事でした。

でも せっかくと思い「動物のにおい消しや、湿気も給放出してくれるので 炭を混ぜられてみてはいかがですか?」と 思い切って営業してみました。

すると 「うーーーーん」と とても困られた声で
「しろくまなんですよぉー。黒い白熊になっちゃうとねぇー」
ですって。 ハハハハハッ。

そりゃ まずい。 

 

多賀 国生み祭りでアートと出会う

2007-10-20 | 持続可能な社会
多賀の門前町の参道のあちらこちらで
国生み祭りのイベントの一つで 観藝館(かんげいかん) という
色々な作家の個展も2weeks開催されいます。

平成19年10月15日(月)~28日(日)まで

しばし このブログに登場するmatuのオフィスでも
”てん刻とTrue Tree”といった 書と印と鉋の削りアートの
コラボ企画をしているので のぞきにいきました。

「鉋の削りアート」って いうと固そうだけど
多賀の杉と 永源寺のもみの木 を スライスしたもので
まー 今回も見事に 素敵な作品を作ってくれました。

ほんとは、紹介したいのだけど ぜひ お近くの方は
実物を見に行ってあげて下さい。無料です。

絶対 何かに応募するか 売るかしたい( 笑 )

滋賀銀行 多賀支店の向かいです。



明日は、10月21日、多賀ふるさと楽市も開催されます。

多賀大社では 11:00  木遣り・子どもみこし・稚児行列・猿楽

があります。 この猿楽は すごいですよぉ。



この竹は、無造作に使っていますが、茶道具として売れば
結構するんじゃないかと思う煤竹です。
matuの家を解体した時に とっておいた貴重なものです。

いやー ほんとに matuの作品を皆さんに見せたーい。
煤竹のキャンドルの下に敷いていたり

この印のが押してある 素材で それは美しい木を活かしたものです。

でも これとは イメージがぜんぜん違うですよぉー。
おしゃれなのぉー。オーダーしちゃいました。

ちなみに これと同じ杉の木で お多賀さんの絵馬を
当社で作りました。



これは 売っているそうです。
ろうそくも 廃油を使って作ったそうです。
実は、杉も そのままだったら 廃棄物になるものです。

こういうのを ほんと「ロハス」っていうのかも…。
実は あんまりロハスって使うのが しっくりきてない私が言うのもなんだけど…。

熊じゃあるまいし…と言われそうですが
手みあげに どんぐりを持って行きました。

山の動物の食料を かっぱらった訳ではないのでご安心を。


うん、かわいい。matuならきっと これで また 何か作ってくれそう…☆

最近の私の楽しみの ひとつです。

山のおじ様方に学ぶ 森林を守る為の心構え

2007-10-06 | 持続可能な社会
「林業新知識」
林業の事をぜんぜん知らなかったので勉強にと読んでいる業界誌です。

森林科学者である藤森隆郎氏が、森林の中の作業道づくりの第一人者である 林業家 大橋慶三郎氏にお話を聞かれた記事が載っていました。

現場で自然を相手にしてこられた方のお話は、とてもカッコイイ。

くちゅくちゅ あーでもない こーでもないという資料ばかりを最近読んでいたので ちょっとゲンナリしかけていた所だった。

......................................
・中途半端の知識で人間の理屈でやるんやったら、
 自然の通りにしたほうがええ。
・人間も嫌いな事をされたら腹が立つように、山も怒る。
・あそこへ道をつけたら木が出しやすいとか、
 見晴らしがいいとか、人目に美しいとかの
 人間の都合にあわせるから、道がつぶれる
 そうだ。

林業は工業みたいにいかないし 
世の中の時間と林業時間はものすごく違うという事を心して 
取組まなければいけない。

そもそも、気候風土も社会情勢もドイツ林業を一生懸命真似して 日本国中画一的にしたのが まずいらしい。

そうなのよぉー。
私は大学の森林科で んな事を教えているのか知らないけど 建築科で木造なんてほとんど習わないですよぉー。

私も建築士の免許持っていて、もちろん建築の確認申請も出せるのだけど ほんとに木造建築に必要な知識なんて必要とされてないの。

日本にこんなに木造の家が多いのに…。

そして、その木造を知らない良い大学を出た方なんかが、
建築基準法作っちゃうのよねぇ。
西洋の論理で…。
こんなにすごい世界に誇れる木の文化と伝承されてきた技があるのに…。

広葉樹は植えてはいけないという 山を見てきた人と同じように 

木材を本当に触っている人は 今の人工乾燥させた木が良くないことは感づいている。
もちろん、無意味な金物やせっかくの工法の邪魔をするものを入れなければならない事もある。

木材自体も、工業的な時間の感覚で進めてられているのが 
そもそも色々な問題をおこして、それが又違う問題になりつつある。

突拍子もないが、これは住宅金融公庫の政策のあり方が問題だったし
金融機関も一緒になって対策を考えてもらわないと 持続可能な森林や長持ちする木造住宅は建てられない。

外国と日本では、自然は違う。しかも、日本の中でも違うと書いてある。
そう 建築も本来は違うのよね。徳島のTSウッドさんの図面見て驚いた。

藤森さんのコメントに 大橋さんの山の施業は
体を使って自然と向き合い、
自然の掟と
人間の欲望のかみ合うところを求めて
知恵を働かせた産物である


おもい言葉である。

ご興味のある方は、ぜひ本を手に入れて読んでください。

うぎぉーーー。
やっぱり あった。本棚に…。
読もうと思って買って すっかり忘れていた。。。
藤森先生 ごめんなさい。これから 読みます。



あわせて買いたい



「グッド・ニュース―持続可能な社会はもう始まっている 」
以前にも紹介しましたが、
もう間に合わないかもしれないと思い始めていた私に
希望を与えてくれた一冊です。
自然や ずっとそこで生活をしてきた地元の人や
長老の話や言い伝えにこそ、これからの持続可能な社会を築く
ヒントがあると教えてもらいました。

二冊とも とーっても分厚くて内容も濃いので 
半年は充分楽しめるかなという
超お得な一生バイブルにしたい本です。www

森林生態学は まだ こってり読んでないけど…。wwww

環境こだわり農業と 森林と 炭と 共生

2007-10-02 | 持続可能な社会
美しい景色でしょ。
多賀町土田。名神沿いから鈴鹿山脈を見た風景です。
そばの花と彼岸花と柿の木。

ちょっと前まで 田んぼだった所です。

前にも書きましたが、彼岸花は わざと田んぼのあぜに
人の手で植えられたもののようです。

彼岸花が生えていたら そこは 昔 田んぼだったか
田んぼからの土が運ばれたとこなんだと 今年から見る目が変わりました。
球根でしか増えなくて 稲作と一緒に大陸から持ち込まれたそうです。
どうも 雄の花は日本の土壌に合わなくて 今は中国と日本で別居状態(ハハッ)

私は マンジュシャゲ(曼珠沙華)と呼ぶ方が好きです。 

彼岸花にはアレロパシーという 他の植物の生長を抑える物質を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだりする効果があり 生物農薬(いやな言葉…)として 見直されているらしいです。

まずは、雑草を抑制したり もぐらがあぜに穴を開けて田んぼの水が漏れてないようにしたり 抗菌・殺虫作用もあって おまけに畦(あぜ)を補強してくれる優れものです。水ににさらすなどして球根の毒をのぞけば デンプンがとれるそうです。

母の畑は、少ししか咲いてなかったので モグラが来ましたが この写真のようにびっしり咲けば きっと被害も少なくなるのでは思います。

クルミやミズナラにも、アレロパシーがあり 樹の下には雑草が生えないそうです。でも それにも限界があるらしい…。


滋賀県の環境こだわり農産物の看板がありました。

むむっ。そっか 農薬・化学肥料の使用を通常の半分以下に減らしたのが「環境こだわり」だったんだ。

先日、久しぶりに会った方が 田んぼで石灰を撒いて顔や手がひどい事あれたと言っていた事を思い出した。熱くて汗だくで 塩と反応したらしいです。

前回にも書きましたが、石灰は山を削って(貝殻の場合もありますが)作ります。
農作物の場合は、どうなのかわかりませんが 炭は酸性化した土壌を中和したり 微生物の住みかになります。ミネラル成分もあります。

炭は無機質なので微生物が好きな栄養があるわけではありません。
炭の中を好む微生物は、窒素を固定する菌や光合成細菌、植物の根と共生して生息する根粒菌などだそうです。
と こちらに書いてありました。

そうそう 松も稲作と一緒に入ってきたんですよ。

前に書きましたが、松の葉には病虫害を防ぐ成分があると
このブログで知ったのです。
炭矢作さんとも お知り合いのようですね。
おおっ 名大のだいず先生の生徒さんだったのか。

森林と農業がもう一度つながることが 持続可能な社会を考える為の第一歩のような気がします。
すごく 大切なのに どうして おざなりになっちゃったのかなー。ほんと。

「いつまでも 当たり前にあると思うな 米と森林」て 感じかなー。

グッド・ニュース―持続可能な社会はもう始まっている

2007-05-18 | 持続可能な社会
仕事で EA21(エコアクション21)という
中小企業版環境ISO の担当になってから
色々な情報を見たり、聞いたり
こちらからも 発信したりしてきた。

こんな危機が迫っているとか、二酸化炭素を
削減しなければならないのに増え続けているとか
マイナスな情報と スローガンばかりで
ちょっと嫌気がさしていたのに 自分も
そうしていた事に気がついた。

そんな中で 二つ 希望が持てるものに出会った。

滋賀をモデルに持続可能な社会像を描く
-2030 年、自然と共生する滋賀の将来像-


( 『BIO-City』No.33 に詳しく載っています)

これは、2030年に滋賀県の二酸化炭素排出量を半分に
する事も可能である という内容だ。
例えば、薪の利用を2030年に復活させるなら
今から、植えすぎた杉を間伐・主伐取り混ぜて
伐採して広葉樹をその頃に丁度薪向きの大きさに
なるように植林して行くという事を考えなければならない。

グッド・ニュース―持続可能な社会はもう始まっている


内容(「MARC」データベースより)
世界にはこんなにも「グッド・ニュース」があふれている! 環境問題を嘆いていても始まらない。悪いニュースばかりに耳を傾けるのはもうよそう。自然環境のしくみを守り、復元できるような解決策を世界中から集めて報告する。

とても 読み応えのある本で まだ半分しか読めていないけど
前書きとあとがき お好みの章を少し読んだだけでも感動して
明日への希望が湧いてくる。

これから何を基準に考え、何をしていけばいいのか・・・。
少し 見えてきた気がする。

地域の伝承 出来れば 明治維新以前にどうしていたか。
時すでに遅しの感もないわけではないけれど
まずは、お年寄りの話に耳を傾けようと思ったのでありました。