ぢろーらものおもちゃ箱:引っ越し後

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高峰温泉:番外編:数年前の話・・・なお骨折、ヘリ到着・・・そのあとの対応など

2012-03-05 21:43:39 | うんちく・小ネタ

以前のブログ「高峰温泉:お風呂に食事にイベントに満足♪」などに書かせていただいた通り、2月中旬に高峰温泉さんに泊まって、いろいろと満足して帰ってきました。

今日はその番外編として、数年前に仲間といっしょにとまったときの出来事を書きます。当時はまた結婚前でしたが、このときも現在の妻なおとはいっしょでした。

そして、題名のとおり、なおが山登り中に足を滑らせ、足を骨折する、という事故が起こりました。そのとき、どんな様子だったか、宿としてどんな対応をしていただいたか、などを書いてみたいと思います。

季節は夏、7月の土日を利用し、フィットネスクラブの仲間で男女10人ほどで泊まることになりました。チェックインは15時すぎでしたが、我々は佐久平の駅に午前中に着き、そのあと4時間ほど黒斑山を歩いてから宿に行くことにしました

妻は張り切って、みんなの分のから揚げとかいろいろと用意していました。みんな喜んで食べていましたが、悪いことに妻は前日、あまり寝ていなかったようです。

最初のうちはみんないっしょではありましたが、それぞれ体力もばらばらなので、いくつかのグループにわかれて自分たちのペースで歩くようになりました。最終的には、ぢろーらもを除く男性陣が先に行き、女性陣はなおを除いてショートカットして先に宿に着き、ぢろーらもとなおが最後列を歩いていました。

そして、あと10分か15分で宿に着く、という下りの道だったのですが、ぢろーらもの目の前でなおが突然足を滑らせて転倒しました。頭などは打っていないことはわかったのですが、なんだかとても痛そうです。これまで見たことがないくらいの痛がり方をしていました。

「やばい、骨折れたかも・・・パキッて音したし・・・。とてもじゃないけど歩けない・・・

まじか・・・命にかかわることはなさそうだけど、それはけっこうおおごとだな・・・

とりあえず、ぢろーらも達の1つ前にいた男友達を大声で呼んだら、こちらまで戻ってくれました。他の男性陣はすでに下山していたので、電話で連絡をとりました。で、彼らがレスキュー隊に連絡をしてくれました。

ほどなくして、レスキュー隊数名と、まだ余力のあった男性陣がこちらまで来てくれました。「なおさん、大丈夫ですよ、もう少しの辛抱ですよ」などとレスキュー隊の人が何度も呼びかけます。意識ははっきりしているようです。ただ、足は固定してないとすごく痛いようです。ひとまず、応急処置で足を木と包帯で固定していました。

さて、問題はどうやってなおを下山させるかです。ただ、レスキュー隊の方々、現地の状況を見て即決しました。

「ヘリだな・・・」

なおは最初は二の足を踏んでいましたが、下りはまだしばらく急な道が続きます。屈強なレスキュー隊員のみなさんとはいえ、成人女性をおぶったり担架に乗せてこの道を下るのは危険です。「二次災害のおそれもあるので・・・」と考えると、ほかに選択肢はありませんでした。なおも覚悟を決めたようです。

うわ、ほんとにヘリ呼ぶのか・・・なんか、すごいことになってきたな・・・。この状況、意外に本人は冷静なのですが、ぢろーらもは気が気ではありません。

そして、レスキュー隊の方ももろもろの方々と連絡をとり、ヘリコプターの手配をしてくれました。

「ヘリがきたら、まわりはすごい風と砂埃が舞います。目にはいったら失明の恐れもあるので、しっかり保護してください」

そうなんだ・・・当然、ヘリコプターにお目にかかれることなんかそうそうないですし、我々もはじめての経験だったから、そんなこと知らなかったよ・・・。でも、なおがきちんとヘリに吊り上げられたかどうか直接見れないのか・・・それは心配なんだけどな・・・。

なおを吊り上げる準備などしてからしばらくしてヘリが近づいてきました。うわ、ほんとにすごい風だ・・・大丈夫かな、なお・・・。

・・・。

あ、風がなくなってきた・・・おや、もうヘリはむこうに行ってしまったのね・・・。

あとで聞いたのですが、付き添いでもう1人ヘリには乗れたらしいです。この場合付き添うのは当然ぢろーらもになるわけですが、連絡が行き届いてなくて、ぢろーらもはその場に残されたようです。まあ、しょうがないか・・・。

ともかく、手際よく救助してくれたレスキュー隊のみなさん、そして、かけつけてくれた友人たち、みんなありがとうございます。

ちなみにヘリに吊り上げられたとき、なおが何を考えていたかというと、

「うーん、寒いなー・・・。ぢろーらもに上着借りればよかったなぁ・・・」

と、けっこう冷静でした。ぢろーらものほうがあわててるじゃん・・・

下山の際、事故があった、ということで我々全員おまわりさんから事情聴取を受けました。といっても、実際に現場をみてたのはぢろーらもだけなんだけどな・・・。

とりあえず、どういう状況だったか、あとはもしかすると「事件性はないのか」なんてことも確認したかったのかもしれませんが、事情聴取はすぐに終わりました。そして、なおの状況がわかり次第、こちらからおまわりさんにも連絡をすることになりました。

搬送先は佐久総合病院か・・・。来てはいけない、というなら別だけど、そうでないならやっぱり様子が心配だから行かないとな・・・。そもそも、入院しなくちゃいけないのか、なんとか出てこれるのか・・・。

・・・。

宿泊先の高峰温泉に着きました。みんなからは「とりあえず落ち着いて風呂でもはいれば?」と言われます。そうね、山登りで汗だくだったから、風呂は早くはいりたい・・・。

その後、どうにか携帯の電波がはいり、メールを送ることができました。そして、なおから「迎えに来てください」と返信がはいります。はっきり様子わからないけど、出られそうなのかな?じゃあ行かなきゃな・・・。(あとで聞きましたが、引取り人が来てくれないとなおは出られませんでした。だから、ぢろーらもはどのみち行かなくてはいけなかったのです)

すでに時刻は5時をまわってます。ごはんの時間は6時なので、病院までいったらぢろーらもは間違えなくその時間には間に合いません。仮に食べれないとしても、それはそれで仕方ないと思います。まあ、無理だったらどうにか飯は済ますよ・・・だから病院にいかなきゃ・・・。

ただ、それにしても足がない・・・。ぢろーらもは高峰温泉の若旦那さんに相談します。このとき冷静さをだいぶ欠いていたぢろーらも、けっこう若旦那さんに詰め寄るような感じだったかもしれません。すみませんね・・・。

対応としては「そういう事情であれば2人分のごはんは残しておく」「足がないなら車を貸してくれる」とのことでした。でも、車はワンボックスカー、当時スターレットしか運転したことのなかったぢろーらも、不慣れな道をワンボックスで行くのは不安がありました(現在は普段からワンボックスに乗っているので、今なら何の不安もないのですが)。それに、夜になるとローリング族みたいな人達も山を走るかもしれない、とのこと。まあ、多分大丈夫なんでしょうけど、平常心を保っていないぢろーらも、万が一事故でも起こしたら大変です。

お金かかっても最善の方法をとりたいので、タクシーを呼んでもらうことになりました。着いてきてくれる、といってくれた友人もいたのですが、ぢろーらもは1人で行くことにしました

道中、タクシーの運転手さんと話しながら病院に向かいます。運転手さん、とても親切な方でしたね。それはよかったと思います。

・・・。

病院に着きました。運転手さん「そういう事情なら、病院内にいる間、メーターをとめておいてあげる」と言ってくれました。助かります・・・。

そして、ようやくなおに会うことができました。足が折れているだけで、至って元気そうですどうも、腓骨という足の骨が折れたようですが、お医者さんいわく「きれいに」折れたそうです。もしこれで変な折れ方をしていたら、この日は強制入院でみんなとも合流はできなかったでしょう。不幸中の幸いでした。でも、さすがに「退院して宿に戻る」と話したら先生方はあっけにとられてたみたいですが・・・

そして、なおを乗せて再び同じタクシーで宿に戻ることができました。運転手さんありがとうございます。

で、かかったお金ですが、病院代はこの日だけでたしか9000円そこらだったでしょうかね。まあ、それはそれで仕方ないです。また、タクシー代はそういう配慮があったり割り引いてもらったりはしたものの、20000円近くかかりました・・・さすがにこの出費は痛いけど、ぢろーらもが運転するリスクに対する保険、と考えるしかないですね・・・。

で、「どのくらいかかるかな・・・」と思っていたヘリコプター代なのですが、なんとこちら、いまだに請求がきていませんいいのか・・・。

もちろん、遭難の場合の捜索とかだとすごいことになってしまうのですが、もともと場所もわかっていたので、請求がきてもそれほど高くはないな、と思っていました。しかしながら、実際はどうも「全額県で負担」という感じのようです。。。これは助かりましたね。

・・・。

そして、宿に戻ると、ちゃんと2人分の食事の用意がありましたしかも驚いたのは「わざわざ温かい料理を出してくれた」ということです。さすがに戻ってきたのはけっこう遅くなってから。たとえば名物の天ぷらとか、完全に冷めたものが出てきたとしてもそれだけで御の字なわけです。食べられるだけありがたいんです。

それがなんと、「揚げたて」を用意してくれたんです。この対応には感動しましたねもちろん、今回の場合は「やむを得ないケース」ですし、それにしても毎回期待できる対応ではないとは思いますが、こちらは非常にありがたかったです。宿の皆様、ありがとうございます。

そのあと、お風呂はいっしょに泊まった女性陣がサポートしてくれたようです。これもありがたいですね・・・せっかく温泉に来て入れないってのも悲しいでしょうから、すごく助かったと思います

ああ、ぢろーらも誕生日近いから、なおはケーキ用意してくれたんだね・・・ありがとう、まあ、さすがにこんなことになるとは予想つかなかったけど・・・

・・・。

翌日、ぢろーらも達は午前中ハイキングで、そのあとおそばを食べて宿を出ました。ええ、何から何まで助かりましたよ・・・。

このあとどうするかな・・・とみんなで話します。さすがになおの負担になるから、その場で帰ろう・・・という話になりかけましたが、それを一番嫌がったのはなお本人でした。ぢろーらももそれはわかっていたので、「ぢろーらもが面倒は見るからお願いします」という旨を伝えます。

結局このあとは「佐久市子ども未来館」に行きました。いっしょにいた友人の女性が「こういう施設だったら、車いすとかも準備されてるんじゃないかな?」と言っていたので、そう期待していってみると、確かにありました。これなら中の移動もだいぶ楽です。う、なんか知らんが、なおは車いす乗りながら楽しそうだぞ・・・そのあとも、プラネタリウムなど楽しい時間を過ごしました。

そのあと、帰り道も友人たちにはいろいろとサポートしてもらいました。やっぱり持つべきものは仲間ですね。ありがとうございます。

・・・。

帰りの電車でも、東京駅から大森駅まではJRさんに車いすを借りることができました。ああ、「お客様ご案内中です」ってのは、車いすとかの誘導のアナウンスだったのか・・・はじめて知ったよ・・・。それにしてもJRの職員さん、非常に手際いいですね確かに、事故とか非常停止ボタンとかだとけっこう遅れるけど、「ご案内」の場合にはほとんど時間のロスないですからね・・・。

なおの実家は蒲田駅のほうが近いのですが、蒲田駅よりも大森駅のほうが、車いすでのタクシー乗り場までの移動は楽、と判断し、大森駅を使うことにしました。そして、そこからタクシーでなおの実家まで送り届けました。

ある意味すごく印象深い旅となりましたが、とりあえず無事帰ってこれてよかったです

・・・。

ちなみに、その後なおは介護の道を目指すことになりました。「なおちゃんのお休み期間:ヘルパーのおべんきょう&自動車教習所」でも触れているように、介護を選ぶ1つのきっかけとして、このときの骨折の経験も影響しているようです。文字通り「転んでもただでは起きぬ」となったようで、それはそれでよかったのかもしれません。


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