中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

内山節先生の寺子屋で今日は勉強。ヴァナキュラーを勉強。組織づくりもヴァナキュラー。

2016-12-19 10:55:05 | 地域貢献
人間は、自分たちで作った時間に縛られていると。
そんな、冒頭の投げかけから話に引き込まれてしまう。



確かに、12時になったらお昼ご飯を食べる。朝の満員電車。

当たり前の日常。でもそれは、数百年前も同じなのか?

ヴァナキュラーという聞きなれない学術用語だが興味深い。

ヴァナキュラーを一言でいうと土着性ということなのだが、その概念を
日本語で表現するのはなかなか厄介だと前置きをしながら、
先生の講義が進む。

今使われている近代的時間の概念の前の暦について説明をいただいた。

原初的な暦つまり自然暦というものが、日本のそこかしこにあり、社会を
つくっていたと。

気象、動物、植物の変化が私たちの社会のリズムを刻んでいく。

私の実家からは、大山、阿夫利の山、丹沢山系が見えていたが、
よく近所のおじさんが、山の色を眺めながらそろそろ冬支度だなあとか、
田植えをする時期だなあなど話していたのを思い出す。



それが、いつの間にか、太陽暦という暦つまり近代的な時間の概念のみが
社会を作り上げていく時代に突入してしまった。

確かに、太陽暦は、時間を全国共通のものにした。
自然の変化+その地域、地方の土着性が合わさった、ヴァナキュラー的
な暦つまり自然暦は、全国統一のものではなく、不正確である。

しかし、第一次産業では、近代的な暦よりも正確な面もあり
いまだに有効ではないかという。

沖縄と青森が、同じ4月1日になったら種をまくというのはおかしい。

弊社でもお世話になっている農家さんがたくさんいる
が、
毎日天候や、湿度、土の温度などを気にしながら種をまく時期を決めている。

例えば、春を告げる魚は地域によって違う。

春告げ魚

北海道、東北ではニシン、関東では、メバル。瀬戸内海では、イカナゴなど

そして、それは本当なのだと。
麦イカというイカが取れるかどうかは、ピタリと麦の穂が赤くなるころに
麦イカがたくさん捕れるという。

つまり地域活動には固有の自然があり、固有の労働が存在しているという。

確かに、日光街道を毎年、143キロ歩いて気付くことは、草加のおせんべい、
古河の鮒の甘露煮、日光のそばなど歩いて一日で帰ってこれる生活空間ごとに街の様相が
変わっていく。そんな土地の記憶が遺っている。



江戸から40キロの地点には、粕壁のまちがある。まちに流れる時のリズムが東京のそれと、春日部のそれとは違うのだ。

先生からは、近代的な暦をこの東京では無視することはできない、
しかし、設計されない時間の中に身を置く時間は必要ではないかと。

時間の均質化=時間の商品化を意味し、
それは、人間の労働力を交換可能にし、人間性の阻害につながっているという。

効率の悪い社員、効率の悪いプライベートなコミュニケーションは関係ない。
近代的な時間の概念から少し離れた時を過ごす。

パサパサした職場の改善。多様な時代、複雑な曖昧模糊とした仕事。
実は、近代的な時間から少し離れてみることがこれからの未来の経営への
大きなヒントになるのではないかと。



弊社の903シティファーム推進協議会の都心から90分の範囲のもう一つのライフスタイル、
3割を自律、自然のリズムの中でという活動そして、
私たちのES=人間性尊重経営の大きな示唆をいただいた。

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