JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

欠落した一章

2011年12月31日 23時52分15秒 | in the forest
携え続けていたモノがあった。

その存在は、かつてに比べ小さくなっていたのだけれど-

それでも携え続けていた。

最後は、意地もあって手放さずにいた。


日頃は、小さな箱の中に、鍵をかけて閉まってある。

それを取り出す機会は、何年も訪れないのに、

それでも手放さずにいるのは、

二人をつなぐ糸を永遠に失うのが、怖かったからだ。


勝手な言い草かもしれないが、

いつか話のできる時が来れば、と考えていた。

いろんなことを、語り合ってみたいと思える、相手だった。

そうして私には、伝えたい心の内があった。


想い入れの度合いが変わってしまったのは、仕方がない。

そのことについては、相手を責めるつもりもない。

ただ、もうちょっと理解し合いたかった。

少なくとも、そういった場面と努力を、持ちたかった。


完全無視という状況の中、

自分なりに辛抱強く、関係改善の兆しを待っていたが、

そのうちこちらの心も弱っていき、働きかける気力も失せた。

そういったことに対する免疫がなかったのである。

大人になって、初めて受けた扱いだった。


何に、そんなに拘り、関係を維持しようとしたのか。

あったことが、なかったことになるようで、悲しかったのか。

すべてが、なし崩しに消え去っていく・・・

そんな事態に、我慢ならなかったのか。


実際物事は、なし崩しに収まっていくものではない。

私は、それを静かに受け入れられる程、強くはなかった。

あなたが放り出したモノは、誰かが引き取ったのだ。

そのことだけは、忘れないでほしい。


携え続けていたモノを、小箱から取り出し、手放した。

これが私の、本当の、断捨離。


2 コメント

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私には鍵をつけてまで持っていたいものがないのかな。 (angelique*)
2012-01-19 02:04:33
私には鍵をつけてまで持っていたいものがないのかな。
鍵の付いた小箱さえも持っていません。
捨てたものは何だったのだろう。
まだ続きがあるのかな?
これはこれでもうおしまいなのかな。
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小町さん。 (じんちゃん)
2012-01-21 14:06:35
小町さん。
これは・・・ 第一章ですね。
’しんどかった’ という心情をようやく描けたのが、一昨年12月のCafeエッセイ。
あれが序章かしらん。
自分の中では、好きなエッセイなんですヨ。 実は。 しんみりしちゃってるけどね。

今回の第一章は、年越し直前のギリギリUP。
夜の11時50数分に滑り込みで入れました(笑)。
どうしても年内に更新したかった。
同時期にCafeで発表したものと合わせて完結の形をとるようになっています。

関わりの話で言うとー
私から見た相手の姿と実像は、必ずしも一致しない。
こうして取り上げる以上、できるだけその本質に迫りたかったし、
また逆に、こちらへの誤解も解きたかった。
そういった機会を持つことができず、残念に思っています。

で、続きがあるのか、おしまいなのか?
わかりません・・・
私は、自分から見た相手の姿と、自身の心の内を、書いていくだけです。
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