隊員NO.7ゆっこで~す
12月10日の課題研究の時間、わたしたちは、因乗寺ご住職・家山勉先生とご一緒に、
小松市矢田野町の「グループホームやたの」を訪問させていただきました。
この日は、月に1回家山先生が訪問される日です。「グループホームやたの」では、
この2ヶ月の間に亡くなられた3人の入所者の方の法要が行われることになっていました。
「ふれ愛隊のみなさん。今日は、正信偈(しょうしんげ)の後、グループホーム管理者の
岩尾さんが、亡くなられた3人の方のことをお話しされます。集まりの中で、どんなふうに
お話がされるか、聞いてみてください。」と家山先生はおっしゃっていました。
「グループホームやたの」の集会が開かれるスペースには、わたしたちを含め、40人
近い方が集まりました。入所しているおばあちゃんたち、スタッフの皆さんだけでなく、
そこにはホームがある地元矢田野町の方々がたくさんおいでていました。
家山先生の正信偈が始まると、参加者全員が大きな声で正信偈を合唱されました。
わたしたちもまわりの参加者の方々に励まされながら、一生懸命正信偈を詠みました。
集会スペースには、みんなの声が響き渡ります。何か不思議なことですが、その場が
一つにつながっていくような気がしました。正信偈が終わると、管理者の岩尾さんが、
今回亡くなられた3人の方のことについて静かに話しを始められました。
「Aさんは、とってもハイカラで明るい97才のおばあちゃんでした。コンピュータがお得意で、
アメリカに住んでいる娘さんとスカイプというテレビ電話でお話しすることを毎日楽しみにして
おられました。Bさんはとってももの静かなおじいちゃんでしたね。本が読んだり、外をながめる
ことがお好きでした。最期はとっても静かに息を引き取られました。Cさんは、ご夫婦で入所
されました。仲のいいお二人でしたが、奥さんが体の都合で、他の施設に移られることになり、
少しお寂しかったかもしれません。3人の方はお医者さんの往診を受けられていましたが、
最期はご家族に見守られて息を引き取られました。
日本では、8割の方が病院という白いカベの中で亡くなられているのが現実です。一方、
ヨーロッパでは、5割の方が自宅やグループホームで最期を迎えられています。
死は特別のことではなく、ごく自然に迎えるものです。尊い3人の方の命がいま全うされたことを、
みなさんとご一緒に確認させていただきました。今日はご参加いただき、ありがとうございました。」
岩尾さんのお話で、亡くなられたおじいちゃんやおばあちゃんの生前のお姿が目に浮かんで
くるように感じられました。
岩尾さんのお話の後、わたしたちはお菓子をいただきました。参加者の方々は、お菓子を
いただきながら、口々に亡くなられた3人の方のことを話されていました。
「格差社会になったといわれる今こそ、人と人がつながっていくことが大切なんですよ。」と
家山先生は話されていました。今回のグループホーム訪問で、先生の言葉の意味が
少し分かったような気がしました。