いよいよ国会会期末。
最大の問題は「共謀罪」の成立を許すかどうか。
答弁も二転三転してきている。
政権の狙いは「一般人」を常時監視下に置く。暴力団や麻薬密売組織を対象と言ってきたが、それだけでないと。
時の政権を批判する勢力を黙らせる。
この法案の目的はそこにある。
だから、「テロ等準備罪」と看板を掛け替えて出してきた。
国際的にIS、その前はアルカイダなどがヨーロッパを主な拠点としてテロをやっている。
かつて、組織的であったことが今は、ISなどに感化された若者がテロ事件の犯人となっている。
その人間の生まれはヨーロッパであってもイスラム圏から来た移民二世だ。
ヨーロッパの国々では雇用などに不満を持っていてそのはけ口としてテロ行為に走る。
日本のこの法案については国連でも問題視されており日本政府に書簡が送られてきた。
それに対し、日本は「抗議する」と言う態度で臨んだ。
国際ペンクラブが、日本支部が法案批判の声明を出した。
安倍政権は一切聞く耳もたずの態度であり、抗議するという有り様。
国内のメディアはどうか。
完全に腰が引けている。
特に、テレビなどは総務大臣の「恫喝」により黙している。
「紙」はどうか。
これも全国紙は全くの弱腰だ。
しっかりと批判しているのは地方紙だ。
良識ある識者は、満州事変におけるリットン調査団の報告に対する当時の日本政府の外交と酷似していると。
国際連盟脱退を宣言し、肩をそびやかして議場を後にした松岡洋右。
よくやったと大々的に取り上げて国民を煽動した当時の新聞。
その後の日本がどういう道をたどったか、歴史的に明らかだ。
最近、あの戦争はアメリカが仕掛けたものだ、との論調が少数ではあるが台頭しだした。
例えそうだとしても、それ以前に大陸に対し野望を持ち「大東亜共栄圏」なる妄想で
突き進んだことは事実だ。
日本を一等国とし、他のアジア諸国を従える。
おそらく安倍の頭にはその考えが祖父さんの岸信介によって刷り込まれているのだろう。
だからこそ極右の集まりである「日本会議」に名を連ね、その意を汲んだ政治に突き進む。
今はあまり見ないが「日本を取り戻す」と安倍の顔と刷り込んだ印刷物が街中に貼りだされていた。
どういう日本を取り戻すのか。
彼が首相に就いて言った「戦後レジームからの脱却」そのものだろう。
言うなら戦前回帰だ。
国家権力が国民を隅々まで監視し、批判勢力を、たとえ一人であろうと容赦しない。
拷問死した小林多喜二のように、だ。