ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

アルザスの村々を目指して

2006-06-18 23:07:10 | フランス物語
ストラスブールの夏の午後
謎の旅人、歩いて大聖堂に向かう
この日は大聖堂の中には入らず
そばにある観光案内所に入る

手にはきれいな日帰り旅行のパンフレット
アルザスの田舎のぶどう畑の斜面
こうのとり、そして木組みの家
緑の風情が彼を誘う

案内所で受付嬢の指示通り
名前やホテルの電話番号を書き
140フランを払う
4種類のコースがあるうち
アルザスの特徴的な村めぐりにしてみよう

翌日の昼下がり
駅前広場のホテルの前
約束よりも早い時間に来てバスを待つ
旅慣れない旅人
どんな人と一緒だろうとか
いろいろ不安になるばかり
向かってくる、この観光バスかと思いきや
そのまま前を通り過ぎる

時間近くなり、同乗者らしき人が近くに寄ってくる
同国人はやっぱりいない
そして遅れて、小型のバンがやってくる
思っていたより小さい車
チケットを確認し、運転手さんに精一杯の挨拶
笑顔で迎えてくれる気のいいおじさん
バスはストラスブールの都心を離れ
アルザスの村々を目指す
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欧州議会まで(陸上編)

2006-06-17 01:37:57 | フランス物語
みんなトラムから、旧市街の南の周縁、堀のような川のそばで、バスに乗り換える。
バスに乗り、改めて感じる、ゆったりとしたトラムのありがたさ。
バスは並木に挟まれた、緑の通りを走っていく。
旧市街ほどの風情はないけれども、普通のいわゆるヨーロッパの建物が並木越しに見える。
バス停で、みんな降りていく。ここから欧州議会に歩いていこう。
橋を渡り、左手に広がる豊かな河の水量、そして目の前に広がる欧州議会の威容。
緩やかな曲線を描く建物。
みんなもぐるりとカーブを描いていき、太い円柱形の建物を目指す。
なぜかその近くに建ち並んでいるかわいい家々とのアンバランス。
入り口にはEUの旗を先頭に、各国の旗がはためくばかり。
太い円柱の中は空洞。おいしいバウムクーヘン。
やっぱりみつけた、この内側の色も赤茶けた色。ストラスブール色を隠している。
空洞を抜け、本会議場に入る。
傍聴席にみんなで座り、欧州会議の説明を聞く。
「会議場を見るとその組織がわかる」と言われたけれど、とりあえずたくさん議席があるなと思っただけ。
欧州連合人が三々五々ここに集まってくるのだ。
吹き抜けを登っていくきれいな階段。ここで行われたセレモニーの写真。
やっぱりここにもあるグッズ売り場。
EUデザインの入った品物が並ぶ。
帰り、巨大なバウムクーヘンの空洞で記念写真。
外に出て、再び見上げる建物と旗。
ヨーロッパを覆う、欧州連合。
三歩進んで五歩下がるときもある。
可愛さ余って憎さ百倍の時もある。
限りない議論は続き、パソコンはテケテケ打たれる。
通訳はぺらぺら喋り、翻訳者はどんどん訳していく。
EU内のエネルギーを吸い込み、そして限りなく発散していく欧州議会。
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ヨーロッパに現れた連合(欧州議会)

2006-06-14 22:29:01 | フランス物語
むかし、ある男たちが書いた「宣言」
ヨーロッパに幽霊が出る、共産主義という幽霊である というその出だし
第二次世界大戦後、その幽霊は東半分にとどまり、
西側では、まず石炭と鉄に目をつけ
いさかいの根源を管理しようとした

東の幽霊が消え去った後
西の勢力はますます広まり
欧州連合としてその力を伸ばした
国家を超えた 
超国家
新しいヨーロッパの発展のため
国々はその権限を移譲し
通貨まで半ば統一した

イル川のほとり
欧州連合の立法機関である
欧州議会がその姿を横たえる
ガリレイの円と
ケプラーの楕円を重ね合わせた
その重厚な姿
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欧州評議会にて(ストラスブール・ヨーロッパ地区)

2006-06-11 23:00:47 | フランス物語
遊覧船は旧市街を離れ
カルティエ・ウーロペアン(ヨーロッパ地区)に入る
この地域にある施設のうち
せっかくなので触れておきたい欧州評議会

欧州議会と紛らわしいけれど
欧州連合とは関係はない
第二次世界大戦後
1949年に設立された
今の加盟国は40数ヶ国
旧ソ連・旧ユーゴの国々も含む
広い範囲の評議会

欧州連合とは違い
決まった事についての拘束力は弱い
よって評議会自体も強くない
それでも勧告繰り返す
理想のヨーロッパを作るため

ある日の総会
広い議場に「歓喜の歌」が鳴り響き会議は始まる
スペインのテロで亡くなったメンバーのためにみんなで黙祷
英仏の二ヶ国語が公用語だが
やっぱりここでも英語が優勢
しかし議長はフランス語で
演説一回終わるたび
「メルシー・ボク」の太い声

クリミア・旧ユーゴなどに関する演説があり
なおかつオブザーバーのアメリカ人による
歯切れのよい、感動的な演説
分科会では
キプロス問題の報告があり
無事まとまった後では
がっちり握手する関係者たち

全てが終わりふと見る窓の外
目の前には欧州議会の重厚な建物
強い力はないけれども
レンガを一つ一つ積み上げ、大聖堂を造る様に
議論を重ね
新しいヨーロッパを創ろうとする
ストラスブールの欧州評議会
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ストラスブールの小さな教会

2006-06-10 11:38:57 | フランス物語
ストラスブールのノートルダム大聖堂ほど
大きくもなく
歴史もなく
大学のそばの中州の端の
いわゆる街のはずれにあり
なおかつフランスでは少数派の
プロテスタントの教会だけれども
自分にとっては
とっても気になる
聖パウロ教会

赤い砂岩の聖堂の色は
アルザスはヴォージュ山地生れのしるし
控えめなファサードから伸びる
二本の鋭い尖塔は
聖なる巨大アンテナのごとし
地上の祈り人の切なる願いを天に届け
なおかつ天の意志を忠実に受けようとする
思いが込められているのだろうか

教会の前の
ポン・ドゥ・リュニヴェエルシテ(大学橋)には
今日もトラムが走る
その近代的なデザインにも
ひけをとらない
聖パウロ教会の
シンプルで伸びやかな姿

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