ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

フランス 村の教会 街の大聖堂

2006-05-26 22:44:54 | フランス物語
フランスの田舎の村
いにしえの「教区」の区域を元にした村
教区の範囲を決める時
ほんとかどうかは知らないが
教会の鐘が聞こえる広さで決めたという

田舎に響く鐘の音
日の終わりには
農作業にいそしんでいた村人たちは
晩鐘の音を聞いて
お祈りをし
仕事を終えた
そんなミレーやコローの絵の情景が思い浮かぶような
フランスの村と小さな教会

いっぽう大きな街の大聖堂
現世とあの世の幸せと
街の発展を願い
ひとびとが力をあわせて造ったモニュメント

ストラスブールの大聖堂
ヴォージュ山脈産のばら色砂岩から作られた独特の色合い
刻々変化する太陽の光の角度と強さで
新たな色を作り出す

外側の彫像
内側のステンドグラス
聖書の色々な物語を
さまざまな芸術をとおして
わかりやすく説くための壮大なヴィジュアル装置

夜になれば
ライトアップで照らし出される
また違った大聖堂の表情
夏の夜を彩る
大聖堂のもう一つの顔


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大聖堂まで(ストラスブール旧市街)

2006-05-20 23:06:19 | フランス物語
20世紀の最後のほう
やり手の女市長が
やり手の男技術者を招聘し
ストラスブールの大改造を依頼した。
車は便利だけれども
排ガス、騒音まきちらし
街は汚くなっていた。

技術者は
街の真ん中から、車を追い出し
トラムや自転車や徒歩で
移動できるよう考えた。
もちろんいろんな意見があり
ケンケンガクガク、ケンケンガクガク
お話好きなフランス人
公共の精神というけれど
総論サンセイ、各論ハンタイ
個々の都合もいろいろある
そんなごちゃごちゃ葛藤の末
新たに創りあげられた旧市街

謎の旅人
クレベール広場をてくてく横切り
歩行者道路をてくてく歩く
石畳の道を
他の旅行者や街人と、一緒に歩き、すれ違う
踏みしめる足からわき上がる
ヨーロッパのいにしえの街を歩く歓び

目の前に迫ってくる
大聖堂の赤茶けたファサードの色
フランスのほかの大聖堂とは
また違った独特の色の調べ
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欧州の広場にて(クレベール広場)

2006-05-19 23:15:42 | フランス物語
ヨーロッパの街の中心に
必ず位置する「広場」
その空間は
建物に占められた街の中で
ひとびとが直接空の恵みを満喫できる場所
そこで出会い、集い、そして別れる

ここストラスブールでは
クレベール広場が、街の中心地
クレベール将軍の記念像の後ろには
多くの旗が風になびき
太陽光の角度を変えて
さまざまな光の効果をつくりだす
そして市民も観光客も
オープンカフェでくつろぎ
広場を横切るひとを眺めてる
定期市では
アルザス名産のお菓子から
ピカチュウのおもちゃまで
いろんなものをすすめる売り子の声

夜になれば
仮設のステージ
その上で
照らされたライトのもと
旅回りの音楽隊が
ヴァイオリンとアコーディオンを
得意げにかき鳴らす
彼らの音は
広場周囲の建物まで響いたのち
夏の夜空のはるか彼方へ
あとかたもなく
消え去っていく
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ストラスブールの「鉄の男」広場

2006-05-19 01:49:57 | フランス物語
旧市街に入り、
「いにしえのワイン市場」通りや
「子供たちの遊び」通りなどをさまよい
ホテルに到着する。
すぐ近くには
「鉄の男」という名の広場
ここは今は最新型トラムの駅
ロトンドと呼ばれる
環状ガラス屋根が
天使の輪のごとく
天と地をわける

鉄の男とは
ポーランドのワレサ氏のことでもあったが
ここストラスブールでは
鉄の甲冑で身を固めた男
17世紀までは
一度警鐘がなると
すばやく、その装備を身につけ
防備につく

20世紀末からは
アルザスの街を
のんびり、ゆったり走る
おしゃれで最新型の
トラムの中心地

広場としての
天の恵みを
天使の輪で制限された見返りに
ここ鉄の男広場は
地を巡る拠点として
ストラスブールの街に君臨する
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「通りの名前」考(フランス・ストラスブール編)

2006-05-13 23:37:18 | フランス物語
世界のどれくらいの国が
また
ヨーロッパのどの程度の範囲で
採用されている方法かは知らないけれども
少なくともフランスとその周辺では
住所を表すには
まず、通りの名前と番地で表す。
そのため、どんな小さい通りでも
ちゃんと名前をつけてあげ
そこに住んでるどんな人にも
ちゃんと手紙が届くシステム

ここストラスブールでも
有名な人の名前がいっぱいだ
市民病院の前の通りは
ルイ・パスツールと名づけ
彼の業績を賞賛し、彼の威光を期待する
また欧州各地の地名もあり
たどっていけば、あたかも欧州一周できそうな気がする
ある大通りは
ヴォージュではじまり、川のあたりはアルザスで、そこを過ぎれば黒い森
小さな街に押し込める欧州の大地の縮図

マルセイエーズの通りを、更に進むとヴィクトワール大通り
威勢のよさそうな通りの名前
ふと見つけた、「11月22日」通り
何のことかと調べてみると
1918年、この日にフランス軍がストラスブールに到来す
と街の年表にあり
また翌日の、1944年の11月23日
フランス将軍レクレルクの率いる軍隊
ストラスブールの解放に成功
というのも見つける。
たぶん1918年のことだと思うけど、ほんとかどうかわからない
通りの名前に潜む
その街の歴史と
それに翻弄される人々の運命
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