教養としての建築入門
見方、作り方、活かし方
坂牛卓 著
中公新書2764
2023年7月25日 発行
まえがき
建築に対する三つのアプローチ
・「使用者・鑑賞者」の視点
・建築を設計する「建築家」の視点
・建築が存在する「社会」の視点
序章 建築の歴史
日本と西洋の建築での共通する事柄
20世紀入るまで、建築の屋根は大抵三角か丸だった
ル・コルビュジエが率いるモダニズム建築の一つの大きな特徴は、装飾がなくなったことである。
第一部 鑑賞論 建築の見方
第1章 機能の器
「用・強・美」という建築の三原則を編み出したローマ時代の建築家ウィトルウィウス
第2章 美の器
第3章 アナロジー
「人間」・「衣」・「食」・「音楽・アート」が建築に密接する4つの視点
第二部 設計論 建築の作り方
第4章 建築の設計とは何か
第5章 頭の中で考える
第6章 スケッチや模型で考える
第7章 実物を見て考える
第8章 建築家という職業
建築家の仕事の仕方として、近江商人の三方よしの思想がお手本となる。
すなわち「客よし、自分よし、世間よし」
四種類の建築家
・建築家然とした建築家
・活動家的建築家
・芸術家的建築家
・理論的建築家
21世紀に入っての建築家の職能の幅の拡大の理由
・建築と土木という2つの工学の境界が曖昧になり連続的になったこと
・社会が建築に求めるニーズが多様化した
・経済が停滞するにつれ建築を作る予算も減り、リノベーションを積極的に考える必要が生まれてきたこと
第三部 社会論 建築の活かし方
第9章 世相が建築に映る
鐘楼は主に3つの部分から構成されている。
・下層が基壇と呼ばれるがっちりした土台
・中層で階が反復
・上層は最上階あたりで三角錐の屋根あるいは装飾的な飾りが被さる
第10章 人や社会が建築を変える
第11章 政治と経済が利用する
スターリン統治下のソ連建築
・1924~31年 ソ連モダニズム建築
・32~41年 モダニズム表現が官僚制支配の権威付けのために記念碑的な造形と古典的装飾を付加
・41~53年 スターリンの権威を象徴する高層建築
終章 建築の基礎