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ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

教養としての建築入門

2025-04-11 19:41:51 | ヨーロッパあれこれ

教養としての建築入門

見方、作り方、活かし方

坂牛卓 著

中公新書2764

2023年7月25日 発行

 

まえがき

建築に対する三つのアプローチ

・「使用者・鑑賞者」の視点

・建築を設計する「建築家」の視点

・建築が存在する「社会」の視点

 

序章 建築の歴史

日本と西洋の建築での共通する事柄

20世紀入るまで、建築の屋根は大抵三角か丸だった

 

ル・コルビュジエが率いるモダニズム建築の一つの大きな特徴は、装飾がなくなったことである。

 

第一部 鑑賞論 建築の見方

第1章 機能の器

「用・強・美」という建築の三原則を編み出したローマ時代の建築家ウィトルウィウス

 

第2章 美の器

 

第3章 アナロジー

「人間」・「衣」・「食」・「音楽・アート」が建築に密接する4つの視点

 

第二部 設計論 建築の作り方

第4章 建築の設計とは何か

 

第5章 頭の中で考える

 

第6章 スケッチや模型で考える

 

第7章 実物を見て考える

 

第8章 建築家という職業

建築家の仕事の仕方として、近江商人の三方よしの思想がお手本となる。

すなわち「客よし、自分よし、世間よし」

 

四種類の建築家

・建築家然とした建築家

・活動家的建築家

・芸術家的建築家

・理論的建築家

 

21世紀に入っての建築家の職能の幅の拡大の理由

・建築と土木という2つの工学の境界が曖昧になり連続的になったこと

・社会が建築に求めるニーズが多様化した

・経済が停滞するにつれ建築を作る予算も減り、リノベーションを積極的に考える必要が生まれてきたこと

 

第三部 社会論 建築の活かし方

第9章 世相が建築に映る

鐘楼は主に3つの部分から構成されている。

・下層が基壇と呼ばれるがっちりした土台

・中層で階が反復

・上層は最上階あたりで三角錐の屋根あるいは装飾的な飾りが被さる

 

第10章 人や社会が建築を変える

 

第11章 政治と経済が利用する

スターリン統治下のソ連建築

・1924~31年 ソ連モダニズム建築

・32~41年 モダニズム表現が官僚制支配の権威付けのために記念碑的な造形と古典的装飾を付加

・41~53年 スターリンの権威を象徴する高層建築

 

終章 建築の基礎

 

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日本の聖と賤 近世篇

2025-04-08 20:08:48 | ヨーロッパあれこれ

日本の聖と賤 近世篇

野間宏・沖浦和光 著

人文書院 発行

1992年10月20日 初版第七刷発行

 

第一章 「海の民」と瀬戸内水軍

瀬戸内海では、川のように勢いよく潮が流れる。しかもその方向が時間によって刻々変化し転流するから、潮待ちをして連潮に乗らなければならない。順潮を利用しないと、上手く前に進めない。

 

朝鮮侵略が失敗すると、水軍はもう用済みの危険なパワーとして解体させられた。

つまり、文禄から慶長にかけての頃に、旧村上海軍は完全に壊滅させられてしまった。

 

第二章 〈異類〉視された「山の民」

 

第三章 江戸文化と河原者芸能

江戸時代を通じて、西欧人の手でかなり多くの日本観察記が書かれています。ケンペルのルポはその中でも特筆すべきものです。

 

化政期には、平賀源内や司馬江漢に代表されるように、科学畑だけでなく、芸術家でも通用する万能のルネッサンス型の人間が多い。

菅江真澄なんかもすごい。彼の民俗学的記録は、当時としては世界レベルでも特筆すべきものです。

 

第四章 日本史の転換点・近世民衆社会

1920年代のドイツやロシアの表現主義者は、はじめて日本にやってきた歌舞伎を見て驚いている。

西洋の劇場はいわゆる額縁舞台だが、歌舞伎は極めてダイナミックな舞台構造をもっている。

 

南北が生きた化政期は、武家政権のうれすぎた爛熟期であり、文化的には退廃と倒錯の時代だとよくいわれる、果たしてそうか。

むしろ武家権力の行き詰まりがはっきりしてきた解体期の前夜であり、日本独自のやり方で近代への架橋が開始される新しい民衆文化の興隆期であると思う。

 

『歴史のなかの江戸時代』

三人の外国人の江戸時代の研究家の討論

当時の日本の民衆文化の高さに驚いている。

 

18世紀のヨーロッパでは、最も進んでいたイギリスでも、読者層は貴族やブルジョアジーに限定されて、庶民が本を買うことは一般化していなかった。

 

ジーボルト(シーボルト)などが、江戸時代の日本人がよく旅していることを指摘。

 

16、7世紀からの古文書がよく保存されている日本

識字率や計算能力だけでなく、紙の生産が質量ともによほど高かったからか。

 

往来物

寺子屋などで使用された初等教科書の一群

 

江戸時代の民衆レベルでの読み・書き・ソロバンでは世界一ではないか

 

森鷗外はドイツでタンツアー、今日流でいえばストリップショーの女の子とできていますからp325

(これは舞姫をそのまま現実だと思ったことによる誤り。帽子製作や縫製業に従事していた時があった(六草いちか2013))

 

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道しるべとなるドイツのことばと絶景100

2025-02-07 20:08:15 | ヨーロッパあれこれ

道しるべとなるドイツのことばと絶景100

地球の歩き方編集室 著作編集

2022年11月15日 初版第1刷発行

 

1章:世界を広げ「前進する」ことば

2章:暮らしが豊かになる「思いやり」のことば

3章:ひとつを極める「勇気」のことば

4章:心が整う「愛と幸せ」のことば

 

100の名言と風景や建物、更には食べ物などの写真を掲載しています。

最後の101番目の、ゲーテの言葉を載せておきます。

 

気持ちのいい生活を送りたいなら、

過ぎたことは気にしないこと、

めったに腹を立てないこと、

いつも現在を楽しむこと、

とりわけ人を憎まないこと、

未来は神様にまかせること。

 

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旅の民俗学 宮本常一

2025-02-05 19:44:30 | ヨーロッパあれこれ

 

旅の民俗学

宮本常一 著

河出書房新社 発行

2006年8月30日 初版発行

 

宮本常一を中心とする対談・鼎談集です。

 

旅と民俗学

土と生活と応用の視点

 

日本人の旅と文化の交流

悪人はいない日本の常民文化

with 筑波常治

 

柳田先生がよく言われたことで、私(宮本)もそういう体験があるのですが、商売というのは貧しい者への同情から成り立っているのではないか。

持てるものが持たざるものを救う、逆にいえば、持たざる者が、持てるものから救ってもらうのが当然であるという人と人のつながりが商売みたいな格好になっている。

 

歩く得 歩かぬ損 with 秋元松代

日本人で一番よく歩いた人は一遍だと思うのですが、あれほど歩いて、あれほど自分を虚しくした人はいない。

 

「人生は旅」の思想 with 丸谷才一・紀野一義

西行は歌も上手だったが、戦術とか戦略にも相当深かった人らしい。だから西行はスパイという説がある。

 

日本人とは

その起源にさかのぼって

with 江上波夫・國分直一

 

縄文時代の言語は何らかの形で残っていないか。その残っている可能性が一番あるのは地名だと思う。

 

日本人は二つの、全くある意味では性格や伝統の異なる人間が、ごちゃごちゃにならずに、しかも日本民族ということで統一されていた。

フランスやドイツに行ってみても、何とも一つのものと感じる。

 

日本の原点 with 水上勉

 

旅の伝説に魅せられて with 松谷みよ子・松永伍一

 

高野聖と平家部落

日本人は悲劇的英雄がお好き with 杉本苑子

 

道の文化史 with 中西睦

馬と牛の運搬

昔の馬は小さく、運搬させるのは牛の方がよかった。

また馬は立ったままだが、牛は夜になると横になって寝る。それで野宿するとき、牛を二頭寝かせてその間に寝た。

 

新志摩風土記 

大浦と小浦

 

漁村と港町 with 河野通博

「泊」という字がつく地名のところは、必ず遠浅で、そういうところが最初の漁港になり、それが古い時代の日本の船を平底にした。

シナの造船技術を採り入れて船底に水切りがつくのは平清盛の頃からのことで、それから「津」という字のつく水深の深い港が発達し始める。

 

漁村部では末子相続が多い。播磨の家島など、一本釣りの漁村ではだいたいそうです。

 

瀬戸内海の港町を発達させたものというと、江戸時代の参勤交代が大きい。

 

日本に稲が入ってきたのは二つの流れ

・朝鮮半島(山東半島経由といってもいい)経由の実蒔

・南からの田植えを伴う稲

 

海と日本人 with 山崎朋子・茂在寅男

山口県の見島の漁師の話

船の帆を巻いて西南に向かって走ると、中国の浙江省の先にある舟山列島までわずか二日で行ける。

萩あたりから東南の風に乗ると、同じように二日間でウラジオストックまで行ける。

 

貴重な観光資源を保護する態度 with 荒垣秀雄

 

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ルーマニアとブルガリア、シェンゲン協定に完全加盟

2024-12-21 19:49:21 | ヨーロッパあれこれ

 

【ロンドン時事】欧州連合EU)は12日、東欧のブルガリアルーマニアについて、欧州の加盟国内の自由移動を認める「シェンゲン協定」への完全加盟を承認した。

 3月末に国境検査が廃止された空路と海路に加え、来年1月1日からは陸路でも自由移動が可能となる。

 フォンデアライエン欧州委員長は声明で「きょうは全てのブルガリア人、ルーマニア人、そしてEU全体にとって喜ばしい日だ。われわれは共に、一段と強固に結び付いたEUの恩恵を享受することになる」と述べた。 

世界が内向きになっている中、これは流れにある意味逆行していますね。
EU内の移民や、EU外からの難民の流れが、この加盟でどうなるのか気になります。

 

 

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