アミアン大聖堂のバラ窓とアーチ型天井 2020-04-29 09:27:29 | フランス物語 みたびアミアンの大聖堂に戻ります。 中に入ると、やはり薄暗い内部にバラ窓が輝いていました。 その光が四分割リブ・ヴォールトの天井をほのかに、そして妖しく照らしています。 バラ窓の存在を可能せしめた、アーチの力学。 壁に頼らずに、屋根の重力を上手く柱をつたって下へ、そして横のフライング・バットレス(飛び梁)に逃がせる建築構造。 縁の「上」と「横」の力持ちをそっと祝福するかのように、幽かな光を与えています。
サン・ピエール公園のアヒル?カモ?の親子(アミアン、フランス) 2020-04-27 16:14:31 | フランス物語 アミアンのサン・ピエール公園内を歩いていると、画像のようなのんきな姿に出会いました。 水鳥の親子が、仲良く泳いでいます。 母鳥だけが白く、子は一羽を除いて茶系統色です。 日本語では、白いのがアヒルで、茶色がマガモとなるのでしょうか。 でも、家禽化したマガモがアヒルと呼ばれているそうなので、大した違いはなく、人工の公園の中ということもあり、混ざりあってしまっているのかもしれません。 フランス語では、カモもアヒルもcanardで、マガモはcanard sauvageつまり野生のカモ、という言い方をするそうです。 あと、アヒルの一種として、ルーアンアヒルと呼ばれるアヒルもいるそうです。 アミアンはルーアンからほど近い場所にあるので、その可能性もありますが、結論を出すまでには至りません。 とにかく、微笑ましいcanardの親子の姿に、ホッコリしたものでした。
サン・ピエール公園から見た大聖堂②(アミアン、フランス) 2020-04-26 09:09:45 | フランス物語 アミアンのサン・ピエール公園内を、大聖堂の威容を愛でながらホロホロ歩いていきます。 緑の公園で皆さんのんびりくつろいでいます。 この公園内にはちょっとした湖というか池もありました。 この時はそれまでの大雨で少し増水していたようです。 防風林のような並木が、大聖堂の尖塔に負けじとそびえています。 そしてその姿を、やはり尖塔に負けじと、水面上に反映させています。
サン・ピエール公園から見た大聖堂(アミアン、フランス) 2020-04-25 20:37:51 | フランス物語 大聖堂とは相反する概念の フランスの激動時における わずかな期間の革命暦 その「草月」真っ盛りの 緑のじゅうたんの上に アミアンの大聖堂が浮かんでいます
ジャン・コクトー作 堀口大學訳 「耳」 Cannes V 2020-04-05 17:09:22 | フランス物語 このところ、太田和彦さんの居酒屋探訪の番組を、特に居酒屋好きでもないのですが、よく観ています。 太田さんの独特の語り口に、はまってしまったのかもしれません。 先日、貝料理専門の居酒屋に行った時、テーブルの上の貝殻に 耳を当てて、こうおっしゃっていました。 「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」 さらっとこういうフレーズが出てくるのが羨ましいですね。さすが資生堂出身(笑)。 改めて調べてみると、ジャン・コクトーのCannes Vという詞を堀口大學が「耳」という題で訳したものでした。 原文は Mon oreille est un coquillage Qui aime le bruit de la mer となっています。シンプルなフレーズです。 まず耳を貝殻にしたコクトーの発想の勝利です。 そしてそれをきっちり七五調にまとめた、堀口大學の勝利でもあります。 原文では、Cannes Vという一見無機質な題名も好きです。カンヌでの6作の連作の五番目だそうです。 南仏のカンヌというエリア自体も魅力的なのですが、堀口大學により、世界のあらゆる海辺、海岸へと普遍性を与えられた、という気もします。 この詩のおかげで、そこいらの海岸でも、もちろん居酒屋でも、貝を拾って耳にあてることがサマになります。 あとついでながら、Cannes Vという題名から、イギリスの王様で、パリのホテル名でもある、George Vを思い出してしまいました。 泊まったことはないのですが、ホテル内の一室での催しに参加したことを思い出しました。