Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

神経や精神に影響を及ぼす食品

2005-04-09 | Medicine
 知人のblogで, 「交通事故とそこでの行き違いにかかわる記事」 があった.
その記事にコメントしたところ, 「空飛ぶ教授」 という九州大学の生物の先生からコメントをいただいた.(元の記事と,コメントについてはもとの記事を参照されたい.)

 そのコメントを書いていて,食物の成分のもつ薬理効果が人間の自律神経や精神に及ぼす影響について気になってきた.
 例えば,唐辛子のなかには カプサイシンなどの成分 がはいっていている.その薬理効果には色々あるが,アドレナリンの分泌を促すという効果もある. 辛子入りのダイエットサプリメント は,このアドレナリン分泌促進効果を活用しているらしい.どれくらいの量の唐辛子を食べると,どれくらいのアドレナリンが増えるのかは知らないけど,沢山の唐辛子すなわち沢山のカプサイシンを食べるグループと,そうでないグループと調べると,その血中のアドレナリンの濃度はどれくらい差があるのだろうか?
 また,同じ人に,ある一定量の唐辛子入りの食品をたべだせたときと,そうでないときで比べると,血中のアドレナリンの濃度はどれくらい違うのだろうか?
 もし,アドレナリンの濃度に有意な差があるとすると,それは,ヒトの「気性」にはどのように影響を与えるのだろうか?

 同じようなことは,カルシウムにもある.カルシウムには,色々な効果があるが,「鎮静効果」があることはよく知られている.
 カルシウムの鎮静効果は,私も体感することがあって,起こりっぽいときは乳製品を食べていなかったりする.また,大事な会議の数時間前には,マグカルのサプリを摂取して意識的に平静度をあげたりりしている.これが結構効く.
 カルシウムが豊富な乳製品を沢山とると,結果的に血中カルシウム濃度が上がるとすると,乳製品を沢山とるグループと,そうでないグループでは,カルシウムの血中濃度には有意な差があるだろうか?
 
 カプサイシンは,アドレナリンが増えるとすると興奮系だが,カルシウムは鎮静系といえるだろう.身近な食品に含まれる成分で,神経や精神の活動に薬理効果があるものは,他にはどんなものがあるだろう?




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理系 vs 文系はもう古いけど,理系生活のススメ

2005-04-03 | Weblog
 知人のblogの,「政策を担う人達にも理系のセンスを望みたい」 という記事の中の議論で,「日本の官僚は法学部出身者が多く、また法学部以外でもいわゆる文系の卒業者だ。日本の政策の随所に理系には理解できない非合理や近視眼的な政策が通ってしまう原因のひとつが、このような理系文系分離教育の違いではないだろうか。」という記述があった.全くそのとおりだと思う.

 先に紹介したシンポジウムの案内によると,日本では「化学物質過敏症」 が正式に病気として認定されていないらしいので,関係官庁の官僚の方々には,是非少し,化学,生物学,医学,環境学の入門編を勉強しなおしてもらう必要がありそうだ.
 「理系,文系」という分け方そのものがすでに,「世の中の仕組み」にあっていないのではないかと思う.今日,ほとんどの最先端の分野では,ビジネでも研究でも「複合領域的」あるいは「学際的」な知識やアプローチが必要である.

 私自身は,少なくとも高校の成績でいえば,完全な「文系」の人だった.クラブは,マン研と美術部で,現代国語,政治経済,倫理社会等は学年全体でも良い成績だった.物理,化学,生物はまぁ良い方だったが,英語と数学は赤点連発だった.いまだに,高校時代の友人の何人かは,英数が赤点で,「文系的」だった私が,工学部で大学院に進み,外資系のコンピュータやソフトウェアの会社で仕事をし,工学博士だというと,納得がいかないらしい.

 さて,最近出たアエラの別冊(2005.4.5号), AERA SCIENSE 理系生活のススメ は,なかなか興味深い記事が多い.
 養老孟司先生のインタビューの中に「科学はいまや社会活動の一部になっていて,日本の社会のありかたそのものが,日本の科学のありかたを決めています.」というくだりがあった.政治家や官僚の「科学技術不認識症候群」や環境問題,エネルギー問題等をみると「日本の科学や工学のありかたが,いまの日本の様々な社会的問題を作りだしている」とも云えるのではないかと思う.
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第8回全国化学物質過敏症患者会 -化学物質過敏症と医療- のご案内

2005-04-03 | Environment
 最近,「化学物質過敏症」(Chemical Sensitivity)について勉強しているのだが,知人のblogに,非常に興味深いシンポジウムの案内がでていいたので,そのまま転載する.

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第8回全国化学物質過敏症患者会 -化学物質過敏症と医療- のご案内

1997年に第1回全国化学物質患者会を開催して早8年。この間、化学物質過敏症(CS)に対する対策は遅々としてではありますが、前進の方向へ向かっています。しかし、未だに正式に病気として認めない、発症者に対する救済策をとらないなど、患者にとって厳しい状況が続いています。

第8回目となる今回は、医療の問題に焦点をあてて、CS患者が他の病気にかかった時の医療の問題、国の専門医療機関での診療の状況をテーマに開催します。CS患者のかたはもちろん、化学物質による被害者のかた、医療従事者、また一般市民にも広くこの問題について知っていただき、化学物質汚染による被害のない社会をめざしたいと思います。多くのかたの参加をお待ちしています。

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【日 時】 2005年5月15日 (日) 10:00~16:30
【場 所】 国民生活センター 東京都港区高輪3-13-22 TEL:(03)3443-6211
【交通】 JR・京浜急行 品川駅高輪口徒歩5分 品川税務署裏
【プログラム】
■第1部(10:00~12:00)
  脱化学物質・物づくりキャンペーン
  無肥料栽培野菜、食品、内装材、患者・市民手作り品などの
  展示、試食、情報交換など

■第2部(13:00~14:40)
  講演「化学物質過敏症を合併した患者の外科手術を体験して」
  講師 馬場 紀行先生(東京共済病院乳腺外科部長)
  化学物質過敏症についての医師一般への啓発がいかに大切か、
  自らの体験を通してお話いただきます。

■第3部(14:50~16:30)
  講演「化学物質過敏症の治療の現状と課題」
  講師 長谷川 真紀先生(国立病院機構相模原病院臨床環境医学センター部長)
  国立相模原病院の診療の内容や今後の課題、患者に望むことなど、
  お話いただきます。

【参加費】 1,000円 事前申し込みは必要ありません
【主 催】 化学物質過敏症患者の会
http://www2s.biglobe.ne.jp/~chemicai/
【協 力】 化学物質問題市民研究会
〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階 TEL/FAX 03-5836-4358
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
【連絡先】 TEL/FAX 029-254-8994(患者の会) TEL/FAX 045-364-3123(研究会)

お願い:
CS患者さんは、たばこのにおい、整髪料、香水、化粧品、クリーニングしたての衣類、防虫剤等に反応しますので、ご配慮の上、ご参加ください。
コメント (2)
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