Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

携帯デバイスに求められるもの

2006-06-26 | IT
 今年の2月に、PHS内像のハンドヘルドコンピュータ? Willcom W-ZERO3 を購入した。

 小さいがPCと似た配列のキーボードがついていて、画面も昔のPC並みの640x480なので、携帯電話とノートPCの中間的な携帯でバイスとして便利に活用していた。

 基本ソフトのバグと思われる問題はいくつもあるが、マイクロソフト製なので、その品質上の問題は、これは、まぁ想定範囲内である。
 また、端末そのもののメール処理能力に比較して、Willcomのメールサーバーの能力が貧弱であることに関しては、有料オブションでも良いので、W-ZERO3ユーザ向けのサーバーの容量や性能のアップなどの追加サービスを早急に検討してほしいところだ。
 goo.ne.jp のようなWebメールでは、300円以下の比較的安い月額料金で、2GBのメールボックスを提供していることを、Willcomの経営陣が知らないとは思えない。


 私の意見では、一番の問題は、ハードウェアの品質とサポート体制である。


 W-ZERO3の一つの特徴はキーボードにある。そのキーボードはスライド式であり、メカニズムとして相当な耐久製が要求されることは、当然織り込み済みの設計であるはずだ。このことは、W-ZERO3発売時に出た、W-ZERO3を紹介するのMookの記事の中でも、設計企画チームの人の発言として明記されている。しかし、実体はまったくお粗末なものである。

 わずか4ヶ月の使用で、スライドキーボードの根っこの部分を押さえる金具を固定しているネジが緩んでスライドキーボードの片側が外れてしまったのだ。
 これは、落下などで液晶やケースが破損したというのとは、わけが違う。
 毎日、携帯して使用する機器に内蔵されたキーボードを普通に使っていたら、ネジが緩んで外れてしまったというものだ。
 一日20回スライドさせても、たかが2400回である。どんなに多くみても3000回だ。
 たった4ヶ月で、2000-3000回の開閉で、構造上重要なネジが緩んではずれるというのは,機械屋からみると、ただの設計ミスとしかいえない。いまは、緩まないネジ/ゆるみにくいネジが沢山あるのだから。
 色々な状態で携行される、あるいは、その使用形態からいって、スライドキーボードを引き出した状態で色々な振動や外乱をうけることへの想定が、全く不十分であった証拠であろう。
 また、肝心な構造部品のネジが緩むという事態について、W-ZERO3は「ユーザは簡単にネジを締め直すことはできない」構造になっていいる。もし、コスト上の問題で、ゆるみ安い安物のネジを使うのであれば、いざというときは、ユーザがゆるみを締め直すようなシカケも考慮すべきだったのではないかとさえ思う。
 そうでなければ、どう考えても、2-3年は緩んではいけない部品のネジである。

 ソーシャル・ネットワーキングサイトの mixi の中に、「SHARP&WILLCOM W-ZERO3」というW-ZERO3のコミュニティがある。メンバーは、5000人以上である。このコミュニティの中に「私のW-ZERO3はこんな風に壊れました」というトピックがある。
 1/15 から開始して、6/24までの間で、190件以上の書き込みがある。
 落下や外部からの衝撃によるケースや液晶の破損や水没ももちろん報告されているが、それ以外では、HW的に同じ部類の故障がいくつも報告されている。液晶がナイーブなのは当然としても、電源プラグの部分が特に構造的に弱いようだ。
 上述のスライドキーボード関連のネジのゆるみも複数報告されている。
 W-ZERO3は、2005/12の発売なので、一番古いロットでも、まだ7ヶ月しか使われていない。7ヶ月の使用期間だとしても、スライドキーボードの開閉は、精々7000-8000回、どんなに多くても10000回以下であろう。やはり、構造部品のネジが緩むのは、設計上あるいは生産管理上の失敗といわざるを得ない。


 W-ZERO3は、15万台とか20万台とかいうオーダーで大々的に販売されており、この手の携帯デバイスとしてはヒット商品である。しかし、サポート体制が全く不十分といわざるを得ない。
 サポートの窓口である「ウィルコムプラザ」には,W-ZERO3の代替え機はないし,また、今回の簡単な修理でも、修理予定期間は「2週間」という普通の常識ではあり得ない回答であった。
# どうみても、2箇所程度のネジを締め直すだけなのに。
 W-ZERO3の場合、PHSの電話というよりは小さなノートPC的な構造であるので、電話や通信の技術部門でなくてもできる、修理が少なからずあるはずだ。
# 今回のネジのゆるみも、PHSとしての通信には一切関係ない。
 明らかに、通信に関わらない部分の修理や調整は、「ウィルコムプラザ」、「ウィルコムカウンター」経由ではなく、全国の通常のシャープのサービスセンターでも直接処理できるような体制にして然るべきであろう。
# W-ZERO3は、シャープの通常のサービスセンターでは修理を受け付けていないのだ。
 シャープは、長年ザウルスの商売をやっているわりには、携帯端末やハンドヘルドコンピュータを使うユーザのニーズをちゃんと捉えていないのではないだろうか?


 金曜日の夕方の,秋葉原のウィルコムプラザの込み具合と、周りにいた他のユーザへのサポートの内容の観察からすると、各社の端末のHWとしてオーバーオールでの品質管理が不足しているように見える。また、そのしわ寄せがフィールドのサポートに集まっているという印象をうけた。その中でも、W-ZERO3への対応は全く不十分であるといえよう。

 W-ZERO3についていえば、通常の携帯電話よりは、部品の価格が高いことも考慮すると、衝撃での破損や水没の場合もカバーする、オプションの損害保険プランの提供が早急に必要なのではないだろうか?
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オープンソースの過去,現在,未来

2006-06-17 | Software
 この数年,ITの業界では,オープンソースソフトウェア(opensource software)が,非常に重要なキーワードとなっている.「オープンソース (open source)」というのは,一般的には「ソフトウェアのソースコードが公開されていて自由に使用できる」という意味だが,IT業界の専門用語としては,きちんとした定義がある.

 本書は,オープンソースソフトウェアの源流となった フリーソフトウエア とその創始者である リチャード・ストールマン の人物や考え方の背景について解説し,さらに,現在のオーブンソースとビジネス,日本のオープンソース,将来への展望などにつて,最新の資料をおりまぜながら,コンパクトにまとめている.

 著者は,UNIXやフリーソフトウェアには古くから関り,リチャード・ストールマンとも個人的に親交がある, 青山学院大学大学院国際マネジメント研究科 井田昌之 教授 と,大学院の井田先生門下で,日本のフリーソフトウェア活動の中心的団体である NPO 法人 フリーソフトウェア イニシアティブ の理事もつとめている 進藤美希 博士


[目次]
 プロローグ
 第1章 オープンソースの原点  
 第2章 オープンソースビジネスの展開
 第3章 日本のハッカーとコミュニティ
 第4章 次世代への展望


 本書では,OSSの背景としてのフリーソフトウェア運動の歴史と,現在のOSSについて,「過去と現在の対話」としてつづられている.
 また,リチャードの生の話し,フリーソフトウェアとオープンソースの違い,ビジネス・モデル,現在の日本のコミュニティ等の記述は,井田先生と進藤博士のコンビならでわのものであろう.


 フリーソフトウェアについて勉強したい人,歴史的背景,将来への可能性などについて改めて確認したい人に,オススメの一冊.


オープンソースがなぜビジネスになるのか
井田昌之,進藤美希 (著)
毎日コミュニケーションズ

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 本書は, 毎日コミュニケーション社 の新しい「MYCOM新書」のシリーズの一冊である.



 リチャード・ストールマン氏 本人についてさらに知りたい方は,以下の本を
フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集
長尾 高弘 (訳)
アスキー

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 オープンソースの歴史的背景について詳しく知りたい方には,以下の本を
オープンソースソフトウェア―彼らはいかにしてビジネススタンダードになったのか
倉骨彰 (訳)
オライリー・ジャパン

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ヨーロッパの学位と米国流

2006-06-12 | Education
 この blog や,mixi の中のコミュニティで,学位について色々と書いているせいか,学位制度等について,相当に詳しいと思われているのかもしれない.
 

 日曜日に,マイミクでない人から,mixi のメールで
 「オーストリアのディプローム/マギスターの学位が,修士相当かどうか,日本とオーストリアで意見が別れている」
 ことについて,コメントを求めるメッセージをいただいた.

 私は教育システムや学位制度の専門家ではないが,判る範囲で答えることにした.
 ドイツ圏の事情についてはある程度は知っていたが,念のため,オーストリアとドイツの学位制度などについてインターネット上の資料を再度確認してから,少し前に返信した.

 折角なので,その返信の内容に加筆修正して,今日の blog の記事にすることにした.


 まず,何度も書いていることだが,教育システム,特に大学や大学院の教育システムは,異なる国(異なる文化圏の国)同士では,先進国同士でくらべても,内容的に互換性が無い部分が少なくない.
 また,日本の教育システムは,戦前は,当時の英国/ドイツの影響をうけており,戦後は(敗戦後のGHQの占領政策により)米国の影響を受けている.

 オーストリアとドイツは,歴史的/文化的な理由で,似通った教育システムになっている.歴史的には,オーストリアの方が先に発展した経緯があったためか,大学も,
 オーストリア最古 ウィーン大学 1365年設立
 ドイツ最古 ハイデルベルグ大学 1386年設立
と,ウィーン大学の方が古い.
 元々,ディプローム(Diplom)とマギスター(Magister)は,オーストリアでもドイツでも,大学卒業を示す学位であった.ディプロームは主に自然科学系,マギスターは主に人文科学系の分野の学位である.
 これらは,最短で4年で取れることになっているが,一般的には4-6年かかると言われている.つまり,平均5-6年だと思えば,修士相当という認識もうなづける.
# ドイツでは,大学の前に兵役がはいる.

 しかし,このオーストリア/ドイツ独自のディプローム/マギスターの制度は,ヨーロッパの高等教育の共通化のためのボローニャ宣言(1999)という協定によって,米国風のバカロレア(Bakkalaure),バカラウレウス(Bakkalaureus)すなわちバチュラー(Bachelor)とマスター(Master)のシステムに移行することになっている.


 オーストリアでもドイツでも,大学進学率は,日本の水準よりもだいぶ低い.オーストリアでは25%程度,ドイツでも20%強程度であるらしい.これは,若いうちに,職業とそれに学校を選ぶ社会システムになっているためである.
 つまり,大学へ進学する人の層が,そもそも,日本や米国とはちがっていて,既に「選別された人々」==社会的なエリート候補になっていると考えた方が良いだろう.
 また,オーストリアでは,大学の前の課程であるギムナジウム(Gymnasium)の最終試験が難しく,大学入学資格試験となっているので,通常は,大学の入学試験はない.

 近年,EUの統一や米国の文化的な浸食などによって,オーストリアやドイツの大学進学率はあがってきているようですが,現時点で20-25%程度ということは,日本なら1970年代の水準と言える.
 現在,日本の大学進学率は,男子では既に46-7%程度であり,米国は62-67%の範囲である(年によって結構違う).つまり,日本や米国では,学士の学位は,相対的ににインフレしていると言える.

 先のボローニャ宣言対応による,ディプローム/マギスター制度を,国際化==英国/米国風の学士/修士にするにあたって,バカロレア,バカラウレウス(学士)の最低終了年限が3年(平均は3.5年程度らしい)となり,このごろのドイツ語圏の産業界では,特に理工系の場合,学士の平均的な実力が,従来のディプローム/マギスターのレベルに劣っていることが社会問題となっているらしい.


 これらのことから,一般論としては,(ボローニャ宣言対応の問題がどうあれ),旧来のディプローム/マギスターの学位が修士相当であるというのは,少なくとも欧米では,通常の認識であると考えて差し支えないと思う.
 このような場合,現在の日本では,米国以外の海外のことを知らない人が多いことも問題かもしれない.

 学位は,単純に最短修了年限の比較ではなく,その背景や内容を総合的に判断する必要があるだろう.
 たとえば,日本の旧制大学は,3年の課程だったが,実際の旧制大学卒業の先生方の若いころの業績をみると,殆どの場合,旧制の学士は現在の修士レベル相当であったと考えて差し支えないと思う.これは,旧制の大学だけでなく,旧制高校の内容が高い水準であったことによると考えられる.
 また,米国の場合医師(Doctor of Medicine, M.D.)になるには,
  学部4年(物理学・化学・生物学の履修必須)
  大学院メディカルスクール(4年)
で,普通8年かる.これに対して,日本の医学部は6年の課程である(卒業後研修は2年間なので,それを入れてやっと米国並みとなる).この 2年の差は,日本で医学部を出て(国家試験もとおって)から,すぐに米国の大学へ留学するときに,問題になることがあるらしい.


 全く別の視点の話しとしては,大学/大学院の国ごとのシステムが少なからず違うにも関わらず,博士号(doctor's degree)への認識は,先進国ではほとんど統一的に確立している(概念として,互換性がある)と言える.
 つまり,どこで学位を取ったかに関わらず,「修士以下ではなく,博士号相当の学位があるかないか」で,はっきりと峻別されることだけは間違いない.




参考文献

http://www.jasso.go.jp/study_a/oversea_info_14.html
http://www.jpf.go.jp/j/japan_j/oversea/kunibetsu/2004/austria.html

http://www.jasso.go.jp/study_a/oversea_info_12.html
http://www.jpf.go.jp/j/japan_j/oversea/kunibetsu/2004/germany.html
http://www.ovta.or.jp/info/europe/germany/07policy.html

http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200511_658/065804.pdf
http://www.jsps.go.jp/j-news/data/kaigai02/27.pdf
http://www.svrrd2.niad.ac.jp/journal/journal_no11/sno11_4.pdf

http://en.wikipedia.org/wiki/Master%27s_degree
http://en.wikipedia.org/wiki/Doctor%27s_degree
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E4%BD%8D
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数学界の長老,彌永昌吉先生,100歳で逝去

2006-06-05 | Education
 インターネット上ではほとん報道されていないようだが,東京大学名誉教授,日本学士院会員、日仏会館顧問、元学習院大学教授の彌永昌吉(いやながしょうきち)先生 が,亡くなられたことを知った.
 ついさきほど,偶然にも勤務先の近くの交差点(文京区,千石一丁目)で,「彌永昌吉式場 東京諸聖徒教会」という立て看板を発見したのだ.

 彌永先生は 高木貞治先生 の門下で,日本数学界の最長老のお一人であった.日本人ではじめて,フィールズ賞を受賞した 小平邦彦先生 をはじめとして,多くの著名な数学者の指導教授としても知られている.
 
 90歳を過ぎてからも,ガロアの論文の解説書を執筆されるなどの活動をされており,昨年は, 8/14 の blogで紹介した 「若き日の思い出 数学者への道」という半生記も出版された.
 つい,この4月にも,6年がかりでまとめたという,フランス語で61ページの論文が 日本数学会の「日本数学誌」に採録となった ことが話題になったばかりだ.100歳の長老学者の論文が,理工系の学会に掲載されるというのは,世界的にみても非常に稀なことである.


 心からご冥福をお祈りします.


 
 
ガロアの時代 ガロアの数学〈第1部〉時代篇
彌永昌吉 著
シュプリンガー・フェアラーク東京

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ガロアの時代 ガロアの数学〈第2部〉数学篇
彌永昌吉 著
シュプリンガー・フェアラーク東京

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ジャワ島地震緊急募金

2006-06-02 | Environment
 インドネシア・ジャワ島中部地震の救援活動のために自衛隊の国際緊急医療援助隊が現地入りしたと報道されている.日本の自衛隊が救援活動の直接的な支援ができるのは,すばらしいことだ.


 直接救援活動を手伝うことができなくても,間接的に支援する方法もある.

  日本ユニセフ協会のインターネット募金 では,ジャワ島地震の被害を受けた子どもの支援のための「緊急募金」ができるようになった.
 クレジットカードがあればだれでも,簡単な入力で募金することができる.また,この募金は「寄付金控除」の対象となる.
 イーバンク銀行に口座をお持ちの方には,手数料無料で送金できる口座も用意されている.

 
 ほんの数千円づつの募金でも,塵もつもれば山となる.

 皆様のご協力お願いします.
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SEA フォーラム「GPL v3 を考える」 のお知らせ

2006-06-02 | Software
ソフトウェア技術者協会 から,フォーラムのお知らせです.


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SEA Forum July

GPL v3 を考える

主催: ソフトウェア技術者協会(SEA) 
http://www.sea.jp/
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 今年1月15日 Free Software Foundation(FSF)は,General Public License の
第3版 GPL Version 3(v3)のドラフトを公開しました.現在使われている
GPL Version 2 は 1991年6月に作られたのですから,それから約15年の時間を経
て,新しい Version のドラフトが出て来たことになります.GPL は,フリーソ
フトウェア運動の最も成功した成果だといわれていますが,そのライセンスが改
定されるということは,フリーソフトウェア運動も新しい段階に入ったと考える
べきでしょう.

GPL が果たしてきた役割は,単なる使用ライセンスという位置付けではなく,ソ
フトウェアの「自由」を守る運動の支柱であったと考えられます.いうまでもな
く、ここでいう "Free Software" の "free" は「無料」という意味ではなく,
Freedom の「自由」を指します.具体的には,次に示す4つの自由を意味してい
ます:

 - 目的の如何を問わず、プログラムを実行する自由 (第0の自由)
 - プログラムがどのように動作しているかを研究し,そのプログラムに
   ユーザが必要に応じて修正を加え,採り入れる自由 (第1の自由)
 - 身近な人を助けるためにコピーを再頒布する自由 (第2の自由)
 - プログラムを改良し,コミュニティ全体がその恩恵を受けられるよう,
   その改良点を一般に公表する自由 (第3の自由)

GPL v3 のドラフトには,これまでのライセンスの明確化や詳細化に加えて,新
たにDRM (Digital Restrictions Management/ 情報制限機能)を排除するという
項目が追加されて,世界的に多くの注目を集めています.

しかし,残念ながら、GPL v3 に関する議論は,日本ではあまり活発に行なわれ
ていません.そこで,今回の Forum では,日本におけるフリーソフトウェア運
動の第一人者 g新部裕氏 (特定非営利活動法人フリーソフトウェアイニシアティ
ブ理事長),法と経済学を研究テーマとし,かつ自らもフリーソフトウェア運動
を行なっている八田真行氏 (東京大学/Debian Project/GNU Project),暗号技術
の専門家で,やはりフリーソフトウェア運動に携わっている鈴木裕信氏(SEA 幹
事)の3人を講師にお迎えして,GPL v3 の内容を解説していただき, DRM その
他の関連する諸問題を議論することにしました.

フリーソフトウェアやオープンソースの動向に関心を抱いておられる多数の方々
の参加をお待ちしています.


      ***************** 開 催 要 領 *****************

1.日時:7月10日(月) 13:30~18:00
 
2.プログラム(予定)
 
  13:00 - 13:30 受付

  13:30 - 14:15 講演:”GPL v3 の概要” 八田真行(東京大学)

GPL v3 の概要について, v2 とv3 の違い、またGPL v3 Draft の討論プ
    ロセスについて
 
  14:15 - 15:00 講演:“GPLv3と現在の状況” g新部裕(FSIJ)

2006年1月にボストンで行なわれた GPL v3 カンファレンスの様子と各国
の状況について

  15:00 - 15:45 講演:“DRMとその問題点”  鈴木裕信(SEA)

DRM (Digital Restrictions Management)とは? また,それが持つ潜在
    的危険性について

  15:45 - 16:15 Coffee Break

  16:15 - 18:00 討論:GPL v3 を考える

 コーディネータ: 岸田孝一 (SEA事務局長)
     パネリスト:  上記講師の3人+α

3.会場: 全国情報サービス産業厚生年金基金(JJK)会館 7F B会議室  
(東京都中央区築地4-1-14)
         http://www.jjk.or.jp/info/guidemap.html

4.定員: 30名 (申込み順,定員になり次第,受付を締め切ります)

5.参加費: SEA 正会員 2,000円
       SEA 賛助会員 3,000円
       一般 4,000円

6.申込み方法:
下の申込み票に必要事項を記入し,SEA事務局 sea@sea.or.jpまで
    e-mail(テキストメールのみ: HTMLや添付ファイルは不可)でお
    申込みください.
    折り返し受付確認の mail を返信します.当日会場1階の受付デス
    クで,受付番号とお名前を申し出てください.入館証(バッジ)を
    お渡しします.
    参加費は当日現金でお支払いください.領収書をさしあげます.

---------------------------------------------------------------------
SEA Forum July (7/10 @ JJK会館) 参加申込み (  年  月  日)

氏名:          ふりがな(           )
所属:
住所:
電話・FAX:
E-mail:
種別(いずれかにチェック):
□ SEA会員(No       )
□ SEA賛助会員 (会社名:               )
□ 一般
この Forum をどうして知りましたか?
□ SEA からの案内で
□ SEA の Web Page を見て
□ IPA-SEC からの案内で
□ ML(メーリングリスト)で (ML 名:             )
□ その他(知人からの紹介 etc)
-----------------------------------------------------------------------
*注:賛助会員企業一覧:http://www.sea.jp/sanjo.txt


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