Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

「情報」から世界を見る.

2005-12-30 | Informatics
 Amazon.co.jp から,「情報学的転回」が届いていた.

 本書は, 東京大学大学院情報学環教授 西垣 通先生 の最新作である.

 帯には「圧倒的なITの奔流をこえて,新たな人間文明の展開と可能性を切り拓く!渾身の語りおろし.」とある.
 また,まえがきには「ごく平たく言えば,本書でのべる情報学的転回とは,人間がコンピュータの奴隷になることへの異議申し立てにほかなりません.」と,のっけから刺激的である.

 第一章 人間がロボットになる
 第二章 IT文明の本質とはなにか
 第三章 情報学が文と理をむすぶ
 第四章 情報とは生命的なものだ
 第五章 宗教とメディアから二〇世紀をふるかえる
 第六章 IT文明に新しい聖性は出現するか

 
  現在のIT社会の歪みから,生物からみた情報,情報と宗教のかかわり,超多極分散社会における思想までを論ずる.
  2005/1/4に紹介した「基礎情報学」 に続く,新しいIT文明論.

 情報社会,IT社会の問題点,特に文明や思想的視点に興味のあるすべての人にお勧めする一冊.



情報学的転回―IT社会のゆくえ
西垣 通
春秋社

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OSSAJ 新春セミナーのおしらせ

2005-12-26 | Software
 オープンソースソフトウェア協会(OSSAJ)では,以下のとおり,2006/01/30(月)に,新春セミナーを開催します.

 基本ソフト,データベース,デスクトップ,地域でのOSS活動と活用など,盛りだくさんのセミナーです.
 お誘いあわせの上,ふるってご参加ください.

----------------------------------------------------
新春イベント概要

 「OSSAJ フォーラム2006 新春夢語り!」

 日時: 2006/01/30 (月)  13:00 - 21:00 
     (受付開始 12:40)

 会場: 中野サンプラザ ( http://www.sunplaza.jp )
 主催: NPO オープンソースソフトウェア協会
     ( http://www.ossaj.org )

 参加費: 3000円 (当日会場にて申し受けます.)
 
 第1部 セミナー
 「OSSビジネス放談 基本ソフトからデスクトックまで」
  講師:FSIJ g新部氏,PostgreSQLユーザ会 石井氏,
     OpenOffice.org日本ユーザー会 可知氏

 第2部 セミナー
 「地域におけるOSSの活用と活動」
  講師:北海道*BSDユーザ会 佐々木氏,
     沖縄Open Source Promotion Institute(OSPI) 大木氏
  

 第3部 OSS新春情報交換会


 問い合わせ,参加申し込み:
 E-mail info@ossaj.org FAX 03-5804-1822

------------------------------------------------------------------


    「OSSAJ フォーラム2006 新春夢語り!」
    
          2006/01/30 (月)
          中野サンプラザ
        http://www.sunplaza.jp
    
    
   主催:オープンソースソフトウェア協会
        http://www.ossaj.org
   
   共催(打診中含む):
     NPO フリーソフトウェアイニシアティブ,
     日本PostgreSQLユーザ会,
     OpenOffice.org日本ユーザ会,
     北海道*BSDユーザ会,
     NPO 沖縄Open Source Promotion Institute(OSPI)
          
   後援(打診中含む):
     サン・マイクロシステムズ株式会社
     有限責任中間法人 IT記者会(AFITS)



プログラム(予定)

 受付開始 12:40 (8F 研修室2 前)

 開場 13:00  (8F 研修室2)

 13:10 - 13:30 オープニング 20分
   開会の挨拶 その他


 13:30 - 16:40
 第1部 セミナー
 「OSSビジネス放談 基本ソフトからデスクトックまで」
  
  NPO フリーソフトウェアイニシアティブ g新部 裕氏  60分
   「ソフトウェアとネットワーク、自由な社会」
   概要:フリーソフトウェアを主軸に,ソフトウェアと
   ネットワークによる「自由な社会」について解説する.

  小休憩 10分
 
  PostgreSQLユーザ会 石井達夫氏  60分
   「PostgreSQLの最新事情とビジネス利用」
   概要:PostgreSQLの最新版 8.1 と,PostgresSQLを
   用いた様々なビジネスシステムについて解説する.
    
  OpenOffice.org日本ユーザー会 可知 豊氏  60分
   「OpenOffice.org2.0の全貌と可能性」
   概要:オープンソースのオフィススイートOpenOffice.org
   は,バージョン2.0の登場で大いに注目を集めている.
   誰でも気軽に使い始められるOSSとして,
   OpenOffice.orgの全貌と可能性を解説する.

 16:40 - 17:00 休憩 20分

 17:00 - 19:00
 第2部 セミナー
 「地域社会におけるOSS」

  北海道*BSDユーザ会 佐々木伸幸氏  60分
   「北海道のオープンソース関連活動とコミュニティ近況」
   概要:北海道でのオープンソース活動のはじまりとここ
   数年の経過について概観する.
   その上で,現在のビジネス的な動向とコミュニティの動向に
   ついて解説する.
  
  NPO OSPI(沖縄Open Source Promotion Institute) 大木一浩氏  60分
   「地方IT産業振興とOSS」
   概要:OSS活動と地方IT産業の更新とのかかわりについて,
   沖縄の事例等を交えて解説する.


 19:00 - 19:20 休憩/フロア移動 20分

 19:20 - 21:00
 第3部 OSS新春情報交換会  (15F フォレストルーム)
    会長挨拶
    活動報告
    分科会説明等


 ※ セミナーの内容等は12/25時点での予定です.変更される場合がございます.
 
-------------------------------------------------

 以下のフォームで,メールまたは FAXでお申し込みください.

 問い合わせ,参加申し込み:
  E-mail info@ossaj.org FAX 03-5804-1822

--------------------
To: OSSAJ 事務局 <info@ossaj.org>
Subject: [参加申込] OSSAJ フォーラム2006
--------------------

「OSSAJ フォーラム2006 新春夢語り!」参加申込書

※氏名(ふりがな):      (        )
 所属:
 連絡先郵便番号:
 連絡先住所:
※Tel:
 Fax:
※E-Mail:
※種別(該当欄を黒四角(■)に変更してください):
  □OSSAJ会員(正/一般/賛助)   会員種別 (      )
  □協賛団体会員(正/賛助) 団体名 (          )
  □一般

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SEA & FSIJ 合同フォーラム のお知らせ

2005-12-26 | Software
 2006/01 の SEA & FSIJ 合同フォーラム のお知らせです.

--------------------------------------------------------

               開 催 案 内

           SEA & FSIJ 合同フォーラム
             ~月例会計画会議~

                主催
           ソフトウェア技術者協会(SEA)
        フリーソフトウェアイニシアティブ(FSIJ)


        ***************** 開 催 要 領 *****************

1. 日時: 2005年1月23日(月曜日) 19:15 ~ 20:45

2. 場所: 東京都体育館 第四会議室
〒151-0051 東京都千駄ヶ谷1-17-1
http://www.tef.or.jp/tmg/
(注意)会場の場所は右側に植込があるゆるやかなスロープを降り半地下の
入口から入った奥の方になります。
http://www.tef.or.jp/tmg/access/img/map1.gif のトレーニングルーム
健康体力相談室、サブアリーナ 入口とかいてある所からが下りスロープ
で、研修室と書かれているのが会議室です。

交通:
*JR中央・総武線各駅停車* 千駄ヶ谷駅より徒歩1分
*地下鉄大江戸線* 国立競技場駅より徒歩3分(A-4出口)


3. 内容

・テーマ: 月例会計画会議: 月例会を月例会する

2006年のSEA-FSIJ月例会計画をオープン会議形式で検討します。

4. 参加費: なし

5. 定 員: 30 名 (先着順に申込みを受付け、定員になり次第、締切)

6. 申込み方法:下の申込用紙に必要事項をご記入の上、
SEA SIGOSS 事務局 <sea-sigoss-office@media.osaka-cu.ac.jp>まで
E-Mailでお申込みください。
申込受付後のキャンセルは、原則としてお断りします。

尚、満員でお断りするなどの事情がない限り、こちらから参加申込の確認
等のご連絡を差し上げることはありません。

7. 今後のスケジュール

SEA & FSIJ 合同フォーラムは毎月開催しております。今後のスケジュール
は以下の通りです。いずれも場所は東京都体育館第四会議室、時間は18:30
からです。

予定日時: 2月14日、3月22日

......................................................................
To: SEA SIGOSS 事務局 <sea-sigoss-office@media.osaka-cu.ac.jp>
Subject: [参加申込]SEA & FSIJ Forum
--------------------
SEA & FSIJ 合同 Forum (Jan. 2006) 参加申込書

※氏名(ふりがな): ( )
所属:
連絡先郵便番号:
連絡先住所:
※Tel:
Fax:
※E-Mail:
※種別(該当欄を黒四角(■)に変更してください):
 □ FSIJ会員(正/賛助) (会員No. )
 □ SEA会員(正/賛助) (会員No. )
 □ OSSAJ会員(正/賛助) (会員No. )
 □ JLA会員
□ 一般
先頭に"※"がある項目は必須項目です。他はオプショナル項目です。
......................................................................
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米国のEPAやFDAの陣容

2005-12-26 | Environment
  2006/11/26のblog の続編.

 米国のEnvironmental Protection Agency : EPA (環境保護庁)や,Food and Drug Administration : FDA (食品医薬品管理局)は,日本で言えば,環境省や厚生労働省の厚生省部分に当たる官庁である.

 これらの役所の責任者は,どういう経歴をみてみよう.

 現在の EPA 長官と副長官の経歴:
 ( http://www.epa.gov/adminweb/administrator/biography.htm 等より)

 Stephen L. Johnson
 Administrator of Environmental Protection Agency
 ...He received a B.A. in Biology from Taylor University in Indiana and
 an M.S. in Pathology from George Washington University, Washington, DC.
 つまり,生物学士,病理学修士である.

 Marcus C. Peacock
 Deputy Administrator of Environmental Protection Agency
 Mr. Peacock holds a Bachelor of Science degree in industrial and systems
 engineering from the University of Southern California, and a Master of
 Public Policy degree from Harvard University.
 つまり,理学士(工業およびシステム工学),公共政策修士である.


 現在の FDA 局長の経歴:
 ( http://www.cancer.gov/directorscorner/about-the-director
  http://www.fda.gov/opacom/7org.html
  http://www.fda.gov/oc/commissioners/default.htm より)

 Andrew C. von Eschenbach
 Commisioner of Food and Drug Administration
 (Director of the National Cancer Institute )
 Dr. von Eschenbach earned a B.S. from St. Joseph's University in   
 Philadelphia in 1963 and his medical degree from Georgetown University  
 School of Medicine in 1967.
 理学士,医師であり,国立ガン研究所の所長を兼任している.
 日本で言えば,厚生省の医薬担当審議官が,がんセンターの所長と兼任しているということになるだろう.

 また,副局長は3人いるが,3名とも医師である.

 Deputy Commissioner for Policy
 Scott Gottlieb, M.D.

 Deputy Commissioner for Operations
 Janet Woodcock, M.D.

 Deputy Commissioner for International and Special Programs
 Murray M. Lumpkin, M.D.

 歴代の FDA 局長のリストをみると,1950年代以降はそのほとんどが,医師か博士号所持者である.

 Lester M. Crawford, D.V.M., Ph.D.
 7/18/2005 - 9/23/2005

 Mark B. McClellan, M.D., Ph.D
 11/14/2002 - 3/26/2004

 Jane E. Henney, M.D.
 1/17/99 - 1/19/2001

 David A. Kessler, M.D.
 11/8/1990 - 2/28/1997

 Frank E. Young, MD, Ph.D.
 7/15/1984 - 12/17/1989

 Arthur H. Hayes, M.D.
 4/13/1981 - 9/11/1983

 Jere E. Goyan, Ph.D.
 10/21/1979 - 1/20/1981

 Donald Kennedy, Ph.D.
 4/4/1977 - 6/30/1979

 Alexander M. Schmidt, M.D.
 7/20/1973 - 11/30/1976

 Charles C. Edwards, M.D.
 12/13/1969 - 3/15/1973

 Herbert L. Ley, Jr., M.D.
 7/1/1968 - 12/12/1969

 James L. Goddard, M.D.
 1/17/1966 - 7/1/1968

 George P. Larrick
 8/12/1954 - 12/27/1965

 Charles W. Crawford
 6/1/1951 - 7/31/1954

 Paul B. Dunbar, Ph.D.
 5/6/1944 - 5/31/1951

 Walter G. Campbell 
 7/16/1921 - 6/30/1924 &
 7/1/1927 - 4/30/1944

 Charles A. Browne
 7/1/1924 - 6/30/1927

 Carl L. Alsberg, M.D.
 12/16/1912 - 7/15/1921

 Harvey W. Wiley, M.D.
 1/1/1907 - 3/15/1912
  
 日本でも,医師から国会議員になった人が厚生大臣をしていた例はあるが,厚生労働事務次官,審議官,医薬食品局長等の官僚の幹部が,"Dr." が当たり前という話しはあまりきかない.
 現在の厚生省の幹部をざっと調べたところ(全員を調べたわけではない),黒川達夫 審議官(医薬担当)が,薬学博士であった.
 
 このへんに,後追いの環境対策や,薬事政策の遅れの大きな理由があるのではないだろうか?
 やはり,環境,公衆衛生,医療,薬品,食品など分野の官庁の幹部は,関連分野の理工学,医学,薬学等の専門知識が必要だと思う.

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医学は科学ではない

2005-12-23 | Medicine
 数日前に,店頭で「書名」だけをみて購入.

 筆者の 米山公啓先生 は,神経内科医,元聖マリアンナ医科大学第二内科助教授.作家として,多くのエッセイ,小説,医療実用書などを執筆する傍ら,現在も父診療所で診療を続けている.

 まえがきの冒頭から,
 「医学というのは,科学的な根拠にもとづき,体系づけられた学問だと信じられている.ところが,実際の臨床の現場では,意外にも医師の経験にもとづく判断であったり,いわゆるカンで治療が決めめられたりしている.EBM(実証に基づく医療)によって,治療や診断が行われているのは,医療行為のうちの半分にも満たない.」
 という書き出しではじまる.

 第1章 統計学が医学なのか
 第2章 医学は芸術であった
 第3章 医者は科学的根拠で治療しているか
 第4章 人間的だからこそ科学ではない
 第5章 医学を科学と誤解する人たち
 第6章 患者は医療に何を求めるのか
 第7章 健康食品と代替医療
 第8章 医学をどう考えるべきか

 工学出身で,子供のころから医学に興味をもっている私からすると,全体的に,
 「やぅぱりねぇ...」
 と思う記述が満載.

 現在の医学,特に臨床医療の実際が,いわゆる「科学」ではないことを,様々な角度から具体的に示したうえで,今後の医学のありかの問題点や「医学の新しいルール」の必要性を説く良書.

 現在の医学や臨床医療に,問題や疑問を感じているすべての人にオススメしたい一冊.

医学は科学ではない
米山公啓
筑摩書房

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 浅学なため,パルスオキシメータ(酸素飽和度計測器)が日本人の発明であることを,本書で始めて知った.
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「情緒と形」 「論理と合理性」

2005-12-18 | Education
 本書は, 日経ビジネス の2005.12.12号の 伊藤洋一氏 の書評をみて土曜日の午後購入.

 11/20 の初版から12/10までの20日間で,すでに,5刷.
 Amazon.co.jp 売上ランキングは「本で43位」と快走中.

 筆者の 藤原正彦先生 は,お茶の水大学理学部教授の数学者だが,数学の本ではない.

 「欧米にしてやられた近代」への認識から出発して,欧米による「自由,平等,民主主義」を疑い,「情緒と形」が日本の特質と説く.論理を操作する学問である数学の世界にいる先生だからこそ,論理や合理だけに立脚する弱点がよく判るということかもしれない.

 目についたキーワードには,以下のようなものがある.

 「ならぬことはならぬもの」
 「卑怯を憎む心」
 「総合判断力」
 「外国語より読書」
 「理系の学問における美的情緒の重要性」
 「識字率と国の底力」
 「美の存在と天才」
 「異常な国,日本」


 一部に「確信犯的な論理の飛躍」的記述があるが,私の日常的な考え方と一致している意見が多いので,ちょっと驚いた.
 また,p.85 の「GHQのハーグ条約違反」については,浅学のためこれまで知らなかった.これは,中学の歴史の時間にちゃんと教えるべきだと思う.


 日本や世界の現状に疑問をもつすべての人,また,若い世代に強くお勧めしたい,一冊.


国家の品格
藤原正彦
新潮社

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デジタルコンテンツの未来を考える

2005-12-14 | Informatics
 Amazon.co.jp から,先日注文してあった,「2010年コンテンツ産業に必要な8つの要件」が届く.
 日本工学アカデミーと日本学術会議合同の「デジタル・コンテンツ流通研究専門委員会」の2002年から2年間の研究成果をまとめたもので,2004/11/01の出版.
 
 日本を代表する,以下のデジタルコンテンツの研究者の先生方によるオムニバス的論文集.

 安田 浩  東京大学 教授
 辻井重男  情報セキュリティ大学大学院 学長
 酒井善則  東京工業大学 教授
 中村伊知哉 スタンフォード大学日本センター研究所長
 藤田欣裕  NHK放送技術研究所 ネットワークシステム部長
 坂田史郎  千葉大学大学院教授
 曽根原 登 国立情報学研究所 教授
 笠原正雄  大阪大学大学院 教授
 土井美和子 東芝 研究開発センター 研究主幹


 目次

 第1章 コンテンツビジネスの展望
 第2章 超学際総合科学としての情報セキュリティ
 第3章 ブロードバンド社会の実現
 第4章 コンテンツ政策の転換
 第5章 ディジタル・テレビの可能性
 第6章 コンテンツ配信プラットフォームの展望
 第7章 d-コマースの提案と展開
 第8章 ディジタル権利管理技術に関する考察と提案
 第9章 メタデータによる知の記述
 第10章 情報社会の人の道

 4章で,ポップカルチャーや,アマチュアによるコンテンツ制作について言及している点は非常に興味深い.


 私は,昨年の秋から,某大学のデジタルコンテンツのライセンス管理と流通に関する共同研究に参加しているが,一年以上も,この文献に気が付かなかったのは,全くの不覚であった.


 デジタルコンテンツについて,研究,開発しているすべての人にお勧めの一冊.



2010年コンテンツ産業に必要な8つの要件―d‐commerce宣言
日本工学アカデミー, 日本学術会議 編
アスキー

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夢の実現のための戦略

2005-12-11 | Education
 本書は,米国で「世界一のメンター」と讃えられている, ジョン・C・マクスウェル (John C. Maxwell) 氏 による,"Your Road Map for Sucess" という本の翻訳である.
 "Sucess" というと,すぐに,名誉や財産を想像されるが,その部類の「成功」ではない.本書では,以下のように定義している.

 「成功」とは,
 1) 自分の人生の目的を知り,
 2) 潜在的能力を最大限に発揮するために成長し,
 3) 人のためになるような種をまくこと.

 本書の
 「持続的進歩」
 「他利の精神」
 というキーワードは,私もこの数年いつも念頭におくようにしていることだ.

 特別な「秘密」では,ないが,意外と忘られがちな,「成長し続ける人生」のための基本的なポイントが,2章から8章まで述べられている.
  集中力
  突破力
  段取り力
  進化力
  失敗力
  洞察力
  指導力
 
 
 訳者は「声に出して読みたい日本語」で有名な,明治大学教授 斉藤孝 先生 .


 「人生の成功へのの道しるべ」に興味のあるすべての方にオススメの一冊.


夢を実現する戦略ノート
ジョン・C・マクスウェル 著,斉藤孝 訳/解説
三笠書房

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情報通信政策フォーラム  セミナーのお知らせ

2005-12-04 | IT
  情報通信政策フォーラム から,今年最後のセミナーのお知らせです.

-----------


第7回「ワイヤレス・ブロードバンドへの総務省の取り組み」

スピーカー:小泉純子(総務省電波部 電波政策課 周波数調整官)
モデレーター:真野浩(ルート株式会社 社長)

日本が「ブロードバンド大国」になった今、無線の世界に注目が集まっています。
総務省は、民間の専門家からなる「ワイヤレス・ブロードバンド推進研究会」を
開催し、今後5~10年後の周波数再編を見据えた検討を行ってきました。その結
果が21日にとりまとめられるのを機に、これからの電波政策について総務省の説
明をうかがい、その方針について議論します。

日時:12月22日(木)19:00~21:00
場所:東洋大学白山キャンパス 5号館5202教室
   東京都文京区白山5-28-20
   地下鉄三田線「白山」駅から徒歩5分
   地下鉄南北線「本駒込」駅から徒歩5分
入場料:2000円
    ICPF会員は無料(会場で入会できます)

申し込みはinfo@icpf.jpまで電子メールで(先着順で締め切ります)

--
情報通信政策フォーラム
http://www.icpf.jp/
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ナッシュ博士の論文と解説

2005-12-04 | Education
 Amazon.co.jp より,先日注文しておいた「ナッシュは何を見たか」が届く.

 本書は, 1994年にノーベル経済学賞(ノーベル記念スウェーデン銀行賞)を受賞した数学者 ,すなわち映画「ビューティフル・マインド」の主人公である, ジョン・ナッシュ (John F. Nash Jr.) 博士の経歴,自伝,主要論文8編(全訳)とそのれらの解説等をまとめたものである.
(ナッシュ博士の学位論文である,「非協力ゲーム」(NON-COOPERATIVE GAMES) は,英文原論文のフォトコピーも掲載.これは必見.)

 ナッシュ博士は,「統合失調症」を発症して1959年から約30年間病院漬けとなっていたが,現在はプリンストン大学で「Senior Research Mathematician」として,研究を続けている.

 自伝の中に「そこで私は,ゲーム理論がその数学教室では学位論文として受け入れがたいと見なされる可能性にそなえて学位修得の目的を他の結果で実現できるようにした.」(p.30)とあった.つまり,「非協力ゲーム」の論文が,学位論文として通らない場合にそなえて,後に発表された「実代数的多様体」の論文を並行して準備していたという.これには,いささか驚いた.
 また,ナッシュ博士が,「一般流体の微分方程式に対するコーシー問題」とい流体力学関連の論文を発表していたこと,1950年ごろのMITがまだ「一流の工科大学」であり今日のような米国を代表する研究大学ではなかったことを,本書で始めて知った.


 わたしは,数学を専門とするわけではないので,日本語に翻訳されていたからといって,ナッシュ博士の多くの論文をちゃんと理解できるとは限らないが,最初から原文にあたるよりは,解説付きの翻訳は理解しやすいと思う.
 
 ゲーム理論,交渉問題,ナッシュ均衡,ナッシュ交渉解,あるいはナッシュ博士自身に興味のある方に,お勧めする.


ナッシュは何を見たか -純粋数学とゲーム理論

シュプリンガー・フェアラーク東京

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