Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

夏休み読書月間 (25) 言語の認知科学入門

2005-08-30 | Cognitive Sc
 昨日に続く,今月入手した,認知科学関連の入門書.
 原題は「Patterns in the mind - Language and human nature」

 本書では,言語をヒトを他の動物と大きく隔てる特徴とし,言語をヒトの心の(==頭の中の)認知活動として位置づけている,認知科学的言語学の入門書.
 「さらに読むひとのために」という,文献一覧も,訳書があるものは訳書が示されており,初学者には親切.

 筆者の Ray Jackendoff 先生 は,MITで言語学のPh.D.を取得した チョムスキー教授 の門下.ブライダス大学教授を経て,現在は,タフツ大学の心理学部の教授で,米国言語学会,米国哲学心理学会の会長を歴任している.

 言語学,認知科学における言語に興味のある方にオススメ.


心のパターン―言語の認知科学入門
レイ・ジャッケンドフ(著) 水光雅則(訳)
岩波書店

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夏休み読書月間 (24) 認知心理学入門

2005-08-29 | Cognitive Sc
  8/15 の blog 8/17 の blog での紹介につづく,今月入手した認知科学関連の参考書.
 まだ,一部しか読んでいないが,紹介する.

 6人の第一線の心理学者,認知科学者,言語学者によって,認知心理学の歴史から,知覚,注意,表象,記憶,言語,問題解決と推論,という幅広いトピックスについて,コンパクトにまとめられている.

 読書案内,参考文献一覧,用語索引,人名索引なども充実している.特に,用語,人名に英文表記がついているのがとても親切である.

 認知科学,認知心理学,実験心理学について,これから学ぼうとうする方にオススメである.



認知心理学―知のアーキテクチャを探る
道又 爾 他(著)
有斐閣

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酒酔い運転での人身事故の量刑は軽すぎるのではないか?

2005-08-28 | Weblog
 きさらぎけいすけさんの blog 「なんか,変」の 8/27 の記事  は,「飲酒で捕まるよりひき逃げの方がお得???被害者遺族が署名活動を展開」というタイトルであった.

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 飲酒運転の上で人をはね、厳罰を恐れて現場を逃走し、アルコール濃度が薄まってから出頭した結果、より悪質なのにもかかわらず刑が軽くなってしまうといった飲酒・ひき逃げ事件が急増しています。
----------
 
 日本では,ひき逃げしても,通常は,懲役3年程度の量刑ですむらしい.

  毎日新聞 ユニバーサロン クリッピング の2000年の記事 によると,
----------
 現行刑法では、業務上過失致死傷罪の法定刑は懲役5年以下で、酒酔い運転で
 死亡事故を起こした場合でも、業務上過失致死と道交法違反(酒酔い)を合わ
 せた法定刑の上限は懲役7年。
----------
 ということだ.

 米国では,州によっては,酒酔い運転での殺人は,懲役15年である.

 日本は,どうも「お酒の上のこと」に甘すぎるような気がする. 平成14年の仙台の事案で 酒酔い運転で,高速道路を逆走し,5人に怪我をおわせても,少し情状が酌量されて,懲役1年6か月執行猶予5年の判決がでている例もあるらしい.


 法律は,人間のつくるものなので,間違いや欠陥があるのは,当然のことかもしれないが,それにしても,日本の道路/自動車行政や道路交通法の体系は,「制度設計の欠陥」としか言えないような状態なのではないか?

 
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夏休み読書月間 (23) データ構造とアルゴリズム

2005-08-26 | Software
 ソフトウェアの設計は,データ構造の設計とアルゴリズムの設計から成り立っているが,私の個人的なイメージでは,データ構造の設計の方がより重要である.
 どのような処理をするシステムか?ということからすると,アルゴリズムが重要であるように思われるかもしれないが,処理の対象について充分に吟味してデータ構造のイメージをはっきりすば,アルゴリズムはおのずと決まるが,その逆は難しい.

 オプジェクト指向の設計やプログラミングでも,オブジェクトやクラスの設計の本質はデータ構造の設計である.

 しかし,どうも最近,情報工学を専門とする学科でも,データ構造の重要性についてはあまり徹底できていないようだ.

 
 データ構造とアルゴリズムの教科書は,沢山があるが,以下は,私が新人のころによく参照していた,古典的名著である.(原書は1982年刊,訳書は1987年刊)

 筆者の Alfred V. Aho 先生 はコロンビア大学の教授, John E. Hopcroft 先生 はコーネル大学教授(元工学部長), Jeffrey D. Ullman 先生 はスタンフォード大学の名誉教授(現在)という,2度と実現しないかもしれない凄い顔ぶれ.

 本書では,サンプルのプログラムが pascal で記述されているので,pascal を知らないと判りにくい面もあるが,データ構造とアルゴリズムの教科書として,広くオススメできる一冊である.

データ構造とアルゴリズム
A.V.エイホ・J.E.ホップクロフト・J.D.ウルマン(著),大野義夫(訳)
培風館

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知識のフロー,ストック,そして,「本」は安い!

2005-08-24 | Education
 「空飛ぶ教授のY日記」の8/19の記事に 8/17の記事「生態学専門書の危機」の続編として,「知識のフロー・ストック・オリジナリティ」という記事があった.

 この,知識のストックとフローの話題は,私もいつも意識している問題である.例えば, 6/15 のblog にも書いた.


 Y先生は,理学部教授=>研究者の視点から,以下のようにおっしゃっている.
----------
 :
一体どうすれば、その人ならではの知識の体系を築き上げることができるだろうか。

研究者としての経験から言えば、一見あい反する2つの努力が必要だと思う。
 :
 :
オリジナルな知識のストックを築き上げようと思えば、自分の視点で知識を吸収できるようになる必要がある。「自分の視点」を持つためには、「自分の視点」がしっかりと書き込まれた本をたくさん読み、それらとは違う視点を探す旅を続ける以外ないと思う。

この旅の過程では、いろいろな主張を持つ人と議論をすることも大切だが、体系的な議論ができるようになるためには、やはり本と取り組む必要があると思う。

私が、「本」に格段の思い入れを持っているのは、このような理由からである。
----------

 個人的なイメージだが,理学部で研究されるような分野においては,「オリジナル」という言葉のなかに,体系や哲学的意味での「オリジナルさ」だけでなく,データが示す知見そのものや手法の「オリジナルさ」=>「新しさ」というものが,少なくないと感じている.
 つまり,前者はストックとなり得るものがだ,後者はフローでしかないのではないだろうか?
 もちろん,学術論文の貢献の価値という意味では,後者のものも重要であることはいうまでもない.


 「学者」の育成という意味では「知」のオリジナリティは非常に重要だが,現代においては,大学院を出て,修士をとっても,また,博士を取った場合でも,みんなが学者になるわけではない.(私自身,少しは研究もしていて,学位も頂いたが,「学者」ではない.)

 私の感覚では,今日的な意味において,修士号は「ある分野の専門家としての基本的教育を受けた」,博士号は「ある分野の専門家として免許皆伝となった」という意味だと思う.つまり,「その道のプロ」になるべくして,もしくは,なれるように,学んできた証である.
 そういう意味では,まず,大学院の学生さんには,「その道のプロの端くれ」として,はずかしくないレベルの「プロとしての知識のストック」を蓄積する方法を学んでもらいたいと思う.


 そういう意味で,専門書それも一流の専門家のまとめた「定本」と言われるような教科書,参考書は,「体系的な知識のストックを吸収するメディア」としては,非常に安くて確実なものである.

 たぶん,大半の学生は,このシンプルな事実に気がついていないのだと思う.

 世界的に高名な先生に,直接の講義や指導をうけることは,偶然,幸運が必要であろう.(私自身,多くの高名な先生方や技術者の薫風を受ける機会を得たことは,全くの幸運であった.) しかし,そのような,高名な先生方の著わされた教科書であっても,4000-6000円で手に入るものが多い.これは,現在の東京なら,コンビニの遅番で4-5時間働けば良い金額であろう.すなわち「本は安い」のである.

 この「本は安い」という話題については, 7/31 の blog にも書いた.

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井戸が枯れたあとはどうするのか?

2005-08-23 | Environment
 8/20につづく,8/21の NHKスペシャル は,農業用水がテーマだった.

 インドや,米国などのある地域では,日本の数分の一の降水量でも,地下水や灌漑に頼った農業が営まれている.
 しかし,おおまかに考えれば,雨によって蓄えられる以上の量の水を,地下から汲み上げ続ければ,いずれは水脈の水位が下がって,色々な問題が発生することは明らかである.(降水量と井戸からの汲み上げ量と,地下水の水位の関係は,比較的簡単なシミュレーション・プログラムで予測できる.)

 インドでは,井戸が枯れたために,充分な作物を収穫できず,借金が増えて自殺する農民がいるという.
 その一方で,アメリカには,広い農地を2つに別け,それぞれ一年おき作物をつくる(一年づつ畑を休ませ少ない雨を吸収させる)という先祖から受け継いだ自然のバランスにマッチした手法を取る農民もいれば,肉牛の飼料のために,地下水からの散水にたよって,麦の倍以上の水を必要とするトウモロコシを作り続ける農民もいる.

 とにかくはっきりしていることは,地球にある大半の水は,海水であり,次に多いのは実は氷河で,地表およびその近辺にある,淡水はわずかに 0.8%程度であり,実は,淡水は非常に貴重な資源であるということだ.


 私は,環境に関連するテーマを本格的に研究するようになってから, ワールドウォッチ研究所 の 地球白書 (STATE OF THE WORLD) に毎年目を通すようにしている.地球白書は,環境やその他の社会的な問題について,全地球的視野で論じている.

 以下は,昨年の号だが,水については,
  第3章 「水の利用効率を高め,生態系と分つ」 Boosting Water Productivity
 にまとめられている.(pp. 83- 120)
 農業用水だけでなく,工業用水,生活用水等についても言及している.

 水,食品,エネルギー等,地球的問題に興味のあるすべての方に,基本的参考書としてオススメできる.

地球白書〈2004‐05〉―ワールドウォッチ研究所

家の光協会

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 *すでに,2005-2006 年版もでています.
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夏休み読書月間 (22) 数学者の20世紀

2005-08-21 | Education
  8/14の blog で紹介した,彌永昌吉(いやなが しょうきち)先生の,前作「数学者の20世紀」が,金曜日に Amazon から届く.
 とりあえず,一回目読了.前作はとはちがって,本文中に数学的な話しが書いてある部分もあるので,2-3回読み直すことになると思う.

 全体的に,数学に関わることで,彼方此方に,これまで知らなかったことが沢山あった.また,やはり,語学==>広い意味での異文化との交流と,専門の探求には,相乗効果があるのだと,強く感じた.
 
 大学院のころ今井功先生にならった, 超関数 の創始者であるシュワルツ先生の写真を初めてみて,22年前の講義を思い出した.

 彌永先生は,平均からみるとだいぶご長命だが,長生きすると,一つつらいことがあることが実感された.自分より年長の先生や先輩方だけでなく,後輩や教え子の追悼文を書く役がまわってきてしまうのだ.

 数学者,科学者,教育等に興味のあるすべての方にオススメする.
 

数学者の20世紀―弥永昌吉エッセイ集1941-2000
彌永昌吉(著)
岩波書店

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水道の民営化?

2005-08-21 | Environment
   きららぎけいすけ氏のblog にもとりあげられているが,8/20の NHKスペシャル は,興味深い内容だった.

 もちろん,水道サービスを民営化しても,うまくいっている地域もあるだろう.
 しかし,私は,水道サービスの民営化には反対である.「安心して飲める水」の供給は,電力や通信のように技術やサービスを「競う」性質のものではない.


 今回の番組では,マニラの水道民営化の失敗,カリフォルニアのある小さな町で水道公営化の是非を問う住民投票,ウェールズの水道の公営->民間会社->NPO運営変遷などの状況について,ドキュメンタリー的な構成になっていた.
 
 それにしても,どうして,フィリピン政府は,このような「詐欺のまがい」の話しに乗ってしまったのだろう?
 端からみると,フランスの世界的企業が地元財閥と結託して,マニラの市民の水道を人質にし,世界銀行のお金を食い物にしたとしか言えない.おそらく,世界銀行の中にフランスの某企業の意向に協力しているグループがいるのだと思う.
 
 番組の取材の中で,民営化で値上がりしたマニラの低所得者層の人への水道料の請求書が,600ペソ==1180円(Yahooのレートから概算)だといっていた.
 2001年の人口一人あたりの国民所得(GNI)でみると,フィリピンは926ドルしかない.ちなみに,アジアの他の国の2001年のGNIは,日本 32576ドル,台湾 12551ドル,韓国 8917ドル,中国 908ドルである.日本の1/30程度のGNIで,水道料金は,日本の1/4-1/2では,とてもまともな値段とは言えまい.
 だいたい,水道の水で,コレラに感染するなんて,どうかしている.
 フィリピン政府にも,問題はありそうだ.


 日本のODAは,どこかのミサイルをつくり海軍や空軍を増強していている国にではなく,水道や井戸の整備などの基本的人権に関わる社会インフラの構築に困っている国を支援するために使うべきだ.


 以下の本は,以前にも紹介したように思うが,水の問題に興味のある方に,オススメである.
 NHKの番組では名前が伏せられていた,マニラの水道を破綻させた,フランスの某多国籍企業がどこかもわかる.

 「はじめに」の2ページ目は,『淡水危機は,動かしがたい現実である.その現実に直面政府と国際機関は,「ワシントン・コンセンサス」に基づいて,水の私有化と商品化を提唱しだした.水に値段をつけろ,彼らは言う.水を売り出して市場にその未来を決定させろ,と.世界銀行や国連によれば,水は人間の必需品であっても人間の権利ではない.この言葉の解釈の違いはきわめて重要だ.金がある者にとって,必需品はいくらでも手に入る.しかし,人間の権利を売るのは許されないはずだ.』という,過激なフレーズで始まる.
 原書は読んでいないが, 鈴木主税 先生 の訳は相変わらず,スムースである.


「水」戦争の世紀

集英社

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「専門書が売れない?」理由

2005-08-19 | Education
  空飛ぶ教授のY日記の 8/17 に,「生態学専門書の危機」という記事がある.

 確かに,若い世代の「可処分所得」の配分が,昔とはちがっていて「通信費」の比率が大幅に上がった分,他の費目は圧迫を受けていることは間違いない.しかしそれだけが問題ではなはずだ.

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大学院生やポスドクは増えているはずなのに、いったいどうして売れないのだろう。日本生態学会大会で書籍を出店しても、かつての半分くらいしか売れないそうだ。どうやら、学生は本を買わなくなっているらしい。

思い当たるふしがなくはない。最近では、研究の進歩が早いので、勉強することがたくさんある。大学院生やポスドクは、自分の研究テーマに直接関係のある論文を読むのに忙しくて、少し専門から離れた本を読むゆとりがないのかもしれない。
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とあるが,これは,その学問分野そのものや,大学/大学院での指導方法にも問題があるのではないだろうか?

 私の専門の一つである,ITの分野,コンピュータ,ソフトウェア,ネットワークなどの分野では,とても変化が激しい.書籍,論文,雑誌の前に,最新情報はいつもInternet上にある.しかし,重要な分野,注目されている分野では,新しい話題の教科書,参考書は,原書,翻訳,和書の書き下ろしに関わらず,ちゃんと売れている.分野によっては,ソフトウェアの販売よりも「儲かっている」本屋もある.

 私は,一部の教育の現場で「ストックとなるような整理された知識はWebの情報や論文だけでは充分に得られない」ということがちゃんと浸透していおらず,そのことが専門書の売上低下の大きな原因であると考えている.
 どんなに,変化の激しい分野でも,「外せない専門書」の数が増えることはあっても減ることはないはずだ.

 また,「自分の研究テーマに直接関係のある論文を読むのに忙しくて」というのは,フローをおいかけているという意味でもある.そのような,フローの知識は,2-3年で陳腐化してしまう.

 そもそも,先生方そのものが,「他人の書いた日本語の専門書」をちゃんと買って,読んでいるのだろうか?先生方が,論文や洋書の教科書だけを読んでいては,「(日本語の)専門書を読もう」という指導そのものが説得力がない.


 もちろん,上述の話しとは別に,生物学関連の分野の中で「生態学」という学問そのものが,廃れて来ているという可能性もあるかもしれない.
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夏休み読書月間 (21) インターネット時代の著作権

2005-08-19 | Informatics
 昨日紹介した,デジタル・コンテンツに関連した共同研究の参考文献その2.

 本書は, 林 紘一郎 先生らを中心とする,「デジタル創作権研究会」のメンバーによって,まとめられた,デジタル時代の「著作権」の教科書.林先生は,元NTTアメリカの社長であり,現在は,情報セキュリティ大学院大学副学長・教授,慶応義塾大学客員教授である.元々,法学部出なのに,経済学博士号をおもちだったが,昨年法学博士号も取得された,この分野の第一人者.


 インターネット時代の著作権について,法律とビジネス(経済)の両面を学びたい方にオススメ.


著作権の法と経済学
林 紘一郎(編著)
勁草書房

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夏休み読書月間 (20) ディジタル情報の流通

2005-08-18 | Informatics
 昨年の秋から,「都の西北」の某大学の先生方と,デジタル・コンテンツに関連した共同研究を行っている.

 本書は,その研究に関連した参考資料として,最近入手したものである.
 知的財産権,著作権管理技術,ネットワーク・インフラ,デジタル化技術,コンテンツ管理技術,コンテンツの流通サービス等について,2004年半ばぐらいまでの知見が,コンパクトにまとめられている.
 章ごとの,参考文献も充実しており,本書を「あしがかり」として,次の段階の学習,研究に進むことができる.


 デジタル・コンテンツについて,概観したい方にオススメ.


ディジタル情報流通システム―コンテンツ・著作権・ビジネスモデル
画像電子学会(編),曽根原 登(監修)
東京電機大学出版局

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*「ディジタル」と「デジタル」は,学会あるいは学派ごと方言だろうか?
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夏休み読書月刊 (19) 心理学からみた認知科学

2005-08-17 | Cognitive Sc
 土曜日に,Amazon から届いた,認知科学の入門書の一冊.

 心理学,認知心理学の立場からみた,学部レベルの認知科学の入門書.
 11人の第一線の専門家による分担執筆.
 章毎に,完璧な参考文献一覧と,読書案内(推薦図書)が付いているのがすばらしい.

 これから,認知科学を勉強してみようという,すべての人にオススメ.


認知科学パースペクティブ―心理学からの10の視点
都築誉史(編)
信山社出版

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夏休み読書月間 (18) ビジネスマンのための心理学入門

2005-08-17 | Business
 私は,なぜかはよく憶えていないが,中学生ぐらいから,心理学に興味がある.
 また,ITのビジネス,情報システムの設計や構築においても,心理学的な視点が重要であると感じている.
 
 筆者の 和田秀樹氏 は,心理学者,精神科医,国際医療福祉大学教授であり,また,様々な分野に心理学的なアプローチを適用した本を執筆している.同年代であることもあって,和田氏の著作には注目している.(少々「出し過ぎ」の感はあるが...)

 本書は,表題のとおり,心理学に興味のあるビジネスマンに広くオススメできる.

ビジネスマンのための心理学入門
和田秀樹
角川書店

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夏休み読書月間 (17) 論文の書き方,まとめ方

2005-08-16 | Education
 夏休み中に,宿題として,何らかのレポートや小論文が課せられている人もいるだろう.また,学部の4年目,修士課程2年目,博士課程3年目の方は,そろそろ,卒業論文の構想をまとめはじめたり,学位論文の本格的執筆に着手しなくてはならない時期であろう.


 レポートや論文は,内容はもちろんのこと,作法や構造が重要である.
 以下にあげる参考書は,私が,卒業論文,修士論文,博士論文の執筆やその取り入まとめにあたって,実際に読んだもの,読み直したもの,参考にしたものである.(すでに,何度か紹介済みものもあるが,どれもそれぞれ,オススメできる.)


 以下は,比較的基本的な,考え方,書き方についての指南書.

考える技術・書く技術

講談社

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入門・論文の書き方

PHP研究所

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勝つための論文の書き方

文芸春秋

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論文のレトリック―わかりやすいまとめ方

講談社

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理科系の作文技術

中央公論新社

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考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

ダイヤモンド社

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 以下は,主に社会科学系の大学院生向けの参考書.「書き方」だけでなく,研究のまとめ方についても述べられている.理科系でも参考になる記述が少なからずある.

創造的論文の書き方

有斐閣

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評価される博士・修士卒業論文の書き方・考え方

同文舘出版

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社会科学系大学院生のための研究の進め方―修士・博士論文を書くまえに

同文舘出版

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 以下は,英国,米国での大学院や博士課程についての参考書.研究の進め方,まとめ方等については,日本の大学院生にも参考になる.

博士号への道―海外で学位をとるために

同文舘出版

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アメリカへ博士号をとりにいく―理系大学院留学奮戦記

化学同人

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アメリカ大学院留学―学位取得への必携ガイダンス

アルク

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アメリカの大学院で成功する方法―留学準備から就職まで

中央公論新社

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 「博士号への道」にも同様の記述があったが,特に博士論文の場合には,「既に学位が授与された博士論文」を読むことがとても,参考になる.(分野は自分の専門とちがっても良い)
 
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夏休み読書月間 (16) 認知科学への招待

2005-08-15 | Cognitive Sc
  きさらぎけいすけ氏の 8/14 の blog に「ユビキタスネットワーク -- 活かすも殺すも人次第」という記事があった.
 『「客に対する気配り」が無ければ、ユビキタスなネットワークも活かされないだろう』というのは,全くおっしゃるとおりだ.

 システムの設計において「ユーザへの気配り」を充実させるためには,思いやりと心理学や認知科学の知識が不可欠なので,設計者への教育カリキュラムから見直す必要があると考えている.

 個人的にも,システム設計における,認知科学的アプローチに興味があり,参考書を集めている.この土曜日にも,Amazon から,3冊届いた.
 本書は,そのうちの一冊.日本を代表する,各分野の専門家19名による,初学者向けの認知科学ガイドブックである.

 「気配りのある設計」に興味のある人へオススメ.



認知科学への招待―心の研究のおもしろさに迫る
大津 由紀雄, 波多野 誼余夫 (編集)
研究社

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