Dr. Jason's blog

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春の読書月間 経営コンサルティングの開祖

2007-03-05 | Business
 異なる分野の専門家と,大きな書店にいくと,自分では見逃してしまうような,新しい本を色々と発見することができる.
 本書は,知人の経営分野の博士と池袋のジュンク堂を訪問して発見し,購入した一冊.

 本書は,世界的な経営コンサルティング・ファームである McKinsey and Company の,事実上の第二の創業期の代表者であった, マービン・バウワー(Marvin Bower) の評伝である.

 私は,昨日までは,米国のコンサルティング会社について多少は知識を持っているつもりでいたが,実際には甚だ浅学のため,本書を読むまでは,マービン・バウワーについて,何も知らなかった.

 マービン・バウワーと言う人は,現在,我々が McKinsey and Company の特徴だと思っている企業文化や,プロの経営コンサルタントの普通のやり方だとおもっている仕事の仕方を,数十年の実際の活動の中から,選び,実践し,教えつづけてきた人であった.
 私が,日常的に頭をやなましているような課題の多くは,50年前にすでに,バウワーによって実践され解決されていて,それが,今日のマッキンゼーのやり方になっていることがわかった.


目次
  序文
  ジョン・H・マッカーサー(元ハーバード・ビジネススクール学院長)

  第1部◆ビジョンの実現

  第1章 マービンの一世紀
  第2章 ビジョン
   ジェームズ・O・マッキンゼーとの出会い
   マッキンゼーを買い戻す
  第3章 プロフェッショナル・ファーム
   経営コンサルティングという職業
   マッキンゼー・アンド・カンパニーという組織――五つのビジョン
  第4章 リーダーの決断
   ワン・ファーム・ポリシー(一九三九年~)
   MBAの採用(一九五三年~)
   マッキンゼー財団の設立(一九五五年)
   株式会社組織への移行(一九五六年)
   海外進出(一九五九年~)
   女性の登用(一九六四年~)
   株式を簿価で譲渡(一九六六年)
   マネージング・ディレクターを退任(一九六七年)
   合併事業に反対(一九六九年)

  第2部◆リーダーのリーダー

  第5章 リーダーシップ

  第6章 改革の勇気
   ロイヤルダッチ・シェル(一九五六年)
   プライス・ウォーターハウス(一九七九年)
   ハーバード・ビジネススクール(一九七九年)
   第7章 マービン・スクール
    ハーベイ・ゴルフ
    ギャリー・マクドゥガル
    デービッド・オグルビー
    卒業生たち

  付録1 マービン・バウワー年表
  付録2 マッキンゼー・アンド・カンパニー年表
  著者あとがき
  謝辞
  訳者あとがき
  注
  索引
 
 原書はまだみていないが,訳はこなれていると思う.
 注がすべて訳してあるのも立派.

 組織のマネジメントに携わっている人,特に,専門家によるサービスを主体とする組織の運営に携わっている人に,無条件で推薦できる一冊.


マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー
エリザベス・ハース・イーダスハイム著,村井章子訳
ダイヤモンド社

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コメント
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