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シルバー年齢のサイクリング記録です

5- クライストチャーチ ⇒ グレイマウス

2006-12-26 10:48:30 | NZ(Kiwi) cycling
 いよいよ旅の始まり。時差のせいで昨夜の寝つきが悪く今朝はまだ眠たい。シャワーで気持ちをシャキッとさせて荷物の最終点検をして車庫の自転車のそばに全部を運び出し朝食をいただく。
 朝食はクックドとよばれるアメリカンスタイルの朝食。クックドというのは英語で書けばすぐに分かるが調理をした朝食という意味で、ベーコン、ソーセージと焙り卵あるいは目玉焼きがつく。パンはトーストだった。ほかにヨーグルトや果物、シリオなど。これに対してヨーロッパ・スタイルの朝食はパンとコーヒーが主体のコンチネンタルである。

 辞書では、cooked breakfast 調理された朝食 と説明されているが普通はベーコンかソーセージと卵料理である。卵は目玉焼きとかスクランブル〔焙り卵〕にする。continental については辞書には朝食であることの説明がない。




 玄関で記念写真を撮りトレバー親父さんに駅まで送って頂く。今日はクライストチャーチからモアナ湖まで汽車で移動し、そこから軽く足慣らしのサイクリングをグレイマウスまでする予定。
 駅の受け付けでICTがウエブで予約してくれた書類を提示すると席番号が指定され最後尾の貨車まで自転車を運ぶ。この車両には自転車や乗客の荷物が乗せられる。日本のように大きな荷物を客室に持ち込むことはしない。自転車は我々のほかにオランダの青年が独りいた。彼はテントまで自転車に乗せてあり本格派で、我々に怪訝そうにテントはないのかと聞くので、宿に泊まるよと説明するとヘーという感じでお話は終わり。若い人とはいつもあまり会話が続かないですよね~。

 指定された席に座ると前の席にスコツトランドからのカップルが座った。聞かなくてもいいのにハネムーンなのと聞くと違うって。それ以上興味はないので我々の年は合計で幾つか分かるか投げてみたならば80だって。嬉しいやら・・・変な感じ。130だよと返してやるとお嬢さんはぶったまげていた。ああきもちいい。

 汽車の運行スケジュールと運賃は次の通り。1日1往復で全ての経費を捻出するにはこの運賃になるかな~。
  Christchurch 8.15am発
  Arthurs Pass 10.42am  $93.00
  Moana     11.47am着 $121.00

 汽車はなんのアナウンスもなくベルの音も無く走り始める。時間は午前8時15分。汽車はトランツアルパインといってクライストチャーチとグレイマウスを1日1往復する観光用ラインでニュージランドアルプスを越えることに売りがある。小学校の遠足のようにただ車窓に見とれる。所々のビューポイントでは車掌が観光案内をしてくれる。この汽車はディーゼルで牽引しており排気ガスがかなり出るので、16箇所あるトンネルの一番長い処では車内の空気が汚くなるということでビュッフェの営業を一時止めるともアナウンスしていた。


写真 アーサーズ峠

 途中のアーサーズ峠では少し長い停車をするので乗客は外に出て写真などを撮っている。汽車が止まる前に車掌が反対のレールには入らないように注意していたが、誰もそれには気にせず写真を撮っていたならば車掌が血相を変えてレールに入らないようにどなっていた。汽車は1日に1便だけで、今横に止まっている汽車以外にここにくる汽車はないのになぜ・・・疑問。



 定刻より30分も遅れてモアナに着く。着く前に車掌が降りる人を一人ずつ確認しており、日本にはないことで感心したり嬉しくなったりする。自転車を降ろしてもらい木製の陸橋を通って駅を出ると閑散としたリゾートの町。2軒あるカフェバーの内1軒しか開いていないので昼食をとりに入ると先ほどのスコットランドのカップルも昼食中。この人たちは午後2時過ぎのさっきの汽車でクライストチャーチへ帰るが、それまでなにをするのだろうと心配になるくらいなにもない町である。観光ガイドにはモーターボートやヨットが楽しめると案内してあったがそのような気配も無い。

 今日のサイクリングはグレイマウスまで約39キロ走り、高度を120メートル下げる予定。道路はクライストチャーチとグレイマウスを結ぶ幹線道路で大型のトレーラーなどが自転車のすぐ横を100キロ以上ですっ飛んでいき、その都度風圧で飛ばされそう。

 モアナからスティルウオーターまで21キロ、アーノルド川沿いを通る道、たまに少しの登りがあるがほとんど平坦。やがてスティルウオーターに着く。日本での事前調査では、ここでビールが飲める店があるはずだがと探すがそれらしきものはない。仕方ないのでグレイ川沿いにグレイマウスに向けて走り始めるとほどなくドブソンの集落に入りカフェバーの看板を発見。トイレを使いたいと理由をつけてビールを飲みにはいる。暖炉の温もりが気持ちよくビールをいただいて再び走り始める。このあたりから川から吹き上げる向かい風がややきつい。

 スティルウオーターからグレイマウスまでの道はステイトハイウエイ7号線だが別に高速道路の規格にはなっていないただの道路である。制限速度は100キロで民家が多くなると制限速度が適当に下げられる。小さな集落を通過する場合は大体70キロである。

 7号線が6号線に変わると今日の目的地グレイマウスである。小さな町であるが今までが何もなかったので大都会に着いたような気持ち。グレイマウスというのはグレイ川の口という意味。日本語ではグレイ河口とでも言うかな。

 今夜泊まるローズウッドB&B (http://www.rosewoodnz.co.nz/)はダウンタウンにあるので教会や役所、消防署などがあるところを探しながら進むと、案内の通り消防署の2軒隣に発見。ローズウッドB&Bは日本の民宿のようなもので、しかもクォールマークがついていた。

 クォールマーク(Qualmark)とは上の写真である。クォールマークはニュージーランドの観光業界の公式な品質評価システムである。ニュージランドの貴重な外貨獲得手段である観光の品質を政府が決めているもので、どこに行ってもこのマークがついておれば安心できる政府のお墨付。
http://www.newzealand.com/travel/ja/qualmark/qualmark-accommodation.cfm
 ローズウッドB&Bの門の上にある看板に4星のクォールマークがついている。

 事実、ローズウッドB&Bはそこらのホテルが負けそうな設備と清潔さ、ホスビタリティを持っておりクォールマークは4星である。建物は1920年代に建てられたもので、Member of Heritage & Character Inns of New Zealandにも登録されており下の写真がそのマークである。

 Heritage & Character Innsというのはかなり旧くて特徴のある宿屋がグループをつくり宿屋としての格付けをしているもの。
 ここのお母さんロンダはクライストチャーチ生まれのキウイ〔ニュージランド人〕で若い頃にイギリスとドイツでホテルマンとしての修行を積んだそう。そしてドイツでルフトハンザ航空のビジネス・ファーストクラス客室シェフであったステファンに会い1990年にハネムーンでニュージランドにきて、この国がすっかり好きになって2001年ここにローズウッドB&Bを開いたそうである。

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