都会での岩魚

岩魚はまだ都会の片隅にいた。
目的があっての岩魚は流れに沿って歩いた。

気がつくと綺麗な山女が浅場の方からやってきて
岩魚に声をかけた。
どこに行くの？
少しお話しない？
屈託のない笑顔で話かける。

岩魚は警戒した。誰も知らない都会で簡単に
笑顔になんかだまされないぞ。
いくら綺麗な山女だからだってそうは簡単に
しゃべらないぞ。
岩魚は忙しい振りをしてその場を逃げた。
都会は気がぬけないところだ。