JAZZIN'

新たなジャズと出会うキッカケとなれば幸いです。

Sonny Rollins/The Contemporary Leaders

2008-07-26 20:22:41 | sax


田んぼだらけの田舎道を運転席と助手席の窓を全開にして走っていると、夏の匂いが車中に充満する。
鮮やかな黄緑色した絨毯の様な田んぼから発せられる青臭い匂いが、何とも言えず心地良い。そこでセミの鳴き声が聴こえると、夏だ、夏だ、と子供の頃の様にウキウキしてしまう。

本盤はそんな夏の匂いを感じさせる1枚。
シャキシャキとしたシェリー・マンのドラム。
小気味よくグイグイ引張るルロイ・ビネガーのベース。
夏の陽光のようなバーニーケッセルの極太ギター。
アロハシャツを着て吹いてるか、と想ってしまう程ご機嫌なロリンズのテナー。
西海岸の香りを封じ込めたコンテンポラリーレコードの録音。

ヴィクターフェルドマン(vib)が唯一参加したA面4曲目<You>での、前のめり気味のスイング感がタマラナイです。


インナースリーブで、黒色タイトルはMONO盤のみ、赤色タイトルはSTEREO盤も有るとのこと。



Charlie Parker/Direct From Original SP Vol.1,2

2008-07-19 10:06:01 | sax


チャーリーパーカーのサヴォイSP盤からダイレクトカットで製作された国内LP盤です。

SP
時代のパーカーを再発したLPは、どれも録音が悪く曇った音のイメージが強いですが、本盤はオリジナルSP盤の持つ音の良さが感じ取ることが出来ます。

<インナースリーブ>
 

             <ライナーノーツ>


当然、針音や盤質ノイズはありますが、パーカーのサックスは太く、力強い音に圧倒され余り気になりません。
↓はオリジナル
10inch盤ですが、音質はSP盤には敵わない様です。再生方法が悪いのかもしれませんが、私には上記国内盤の方が良く聴こえます。

ダイアル盤も同様に再発してくれると有り難いですが、今では採算が取れないでしょうね。



Carol Sloane/Spring is here

2008-07-13 18:46:44 | vocal


1977年、パイオニアスタジオで録音されたキャロル・スローン(vo)のアルバム。
ローランド・ハナ(p)、ジョージムラツ(b)の名手を従え、スタンダード7曲を歌っています。
録音はオーディオ評論で有名な石田善之氏で、そのうえダイレクトカッティング盤ですので音質は文句付けようが無い仕上がりなっています。特筆すべきはベース音で、軽くて深い音色が、モコモコしたベース音に慣れてしまった耳にはとても新鮮に聴こえます。

ハスキーで癖の無いキャロル・スローンの声は、春風のように優しく耳に入り込んできて、トゲトゲしさや違和感を感じること無く抜けていくような感じがします。

情感込めて丁寧に歌う
A2Spring is here>、スインギーで巧みにメロディを崩しながら歌うB3S’wonderful>、楽しさが伝わるB4But not for me>が好いです。

キャロル・スローンは、作家色川武大氏が愛したシンガーとして知られています。色川氏といえば、阿佐田哲也名義で著した「麻雀放浪記(名著です!)」を思い出しますが、残念ながら私には、本盤と色川氏の名著との繋がりを感じることは出来ませんでした。


John Coltrane/Coltrane live at Birdland

2008-07-12 17:39:40 | sax


やはり暑いときは、熱いものを食べたい。

幼少時代から昼食に冷やし中華がでると、とても残念で仕方が無かった。
嫌いという訳で無いのだが、冷たく酸っぱい所為か胡瓜とワカメの酢物を満腹食べるのと同様で、なんか1
食損をしたような気がするのだ。
それならば、熱い餡のかかった五目麺を汗かきながら食するほうが満足感が得られ、一時、暑さを忘れられるのだ。

そんな訳で夏の始まりは熱いコルトレーンが良いかも知れない。
命日も近いことだし。

本盤はいつもA面ばかり聴いている。

コルトレーン以上に熱く怒り狂ったようなエルビンジョーンズのドラムが聴けるA1Afro-Blue」。

とても長いカデンツァが最高だなぁ、と聴くたびに思う甘く切ないA2I want to talk about you」。


 上記写真はMono盤。

A1での強烈なエルビンのシンバルが歪みっぽく聴こえ、↓のStereo盤も購入した。Stereo盤ではシンバルは歪まず、幾分エルビンが冷静になったのは良いが、カッティングレベルを落としたような感じがする。
迫力では
Mono盤、音質ではStereo盤と感じるが、どちらが良いかは好みだと思う。




なお、共に「
VAN GELDER」刻印有り。


Chet Baker/It could happen to you

2008-07-05 17:56:15 | vocal

とにかく暑い。
ステレオ部屋には冷房機器は無いし、他の部屋でテレビを見ている人はいるし、で部屋のドアを開け放ち聴くことが出来ないのだ。
そんな訳で涼しげなアルバムを聴こうと本盤を手に取った次第。

19541956年にPacific Recordに録音した「Chet Baker sings」から2年後に録音されたRiverside Record版「Chet Baker sings」。
本盤でのチェットは、
Pacific盤に比べ軽く屈託無く唄うため夏向きかもしれない。
さらにラス・フリーマンに比べ、控えめで爽やかなケニー・ドリューのピアノがその感を強めている。

Pacific盤の持つ独特な深い陰が薄まっているので名盤度数は低いかも知れないが、その分聴き易さはある。

しかし、いくら涼しげな盤といえども小一時間聴いていると暑くて堪らなくなってきた。