ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

ケトン体質で健康寿命達成!

2017年04月15日 06時20分21秒 | 趣味
 近年ケトン体の有用性が再評価されようとしているが、そのきっかけはSGLT2
阻害薬の臨床応用にあると思われる。実際、SGLT2阻害薬であるジャディアンス
治療群のEMPA-REG outcome trialでは3pointMACE(心血管死・非致死的心
筋梗塞・非致死的脳梗塞)が3.1年の介入で14%優位な減少を認めた。その主体
は38%減少した心血管死にある。また、心不全による入院も35%優位な減少
を認めている。このことから、FerranniniらはSGLT2阻害薬服用下で血中濃度
が上昇するケトン体(特にβヒドロキシ酪酸)が心筋にとってATPを効率よく産生
できうる基質であるからではないかとの仮説を提唱している。私も同感であります。
一般に心不全時はエネルギー減はグルコースにシフトしているが、ケトン体はATP
産生においてグルコースと同等の酵素を消費するが、1分子から2分子のAcetyl-
COAを産生できるため、効率よくATPを産生できることになるので、心不全症例
群に有効な可能性があるとしている。また、すべての生物でカロリー制限によるケト
ン体質の誘導は坑老化作用・寿命延長作用を持つことが知られている。これにはSirt
活性化やFoxO活性化(長寿遺伝子)など様々な因子の関与が想定されているが、いわゆ
る酸化ストレスに対する耐性を獲得することが健康寿命達成のための共通する特徴であ
ると思われる。一方、DM症例ではDM性ケトアシドーシスが懸念される訳であるが、
インスリン保持群では通常発生しない。DM性ケトアシドーシスではグルカゴンやカテ
コースアミンなどの拮抗ホルモンの上昇を認め、脂肪酸β酸化を促進して、大量のケト
ン体産生を加速して、比較的短時間にケトアシドーシスに至ると考えられている。
最後にインスリン存在下ではケトン体質を獲得することで健康長寿をGET出来うる
可能性が大いにあると期待しています!!さて、今日の検査予定はありません!

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