ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

新薬DPP4阻害薬の勉強会!!

2011年02月19日 10時58分25秒 | 診療&トピツクス
 昨日はMR君対象のDM勉強会に講師として参加しました。主催は興和ですが、バイタルネットさんも一緒に参加しての総勢18名の講演会になりました。私はプレゼンターとして新薬DPP4阻害薬の臨床効果について講義しました。先行SU剤アマリール(1~3mg)からシタブリプチン(50~100mg)の完全きり替えでは6ヶ月後の効果改善率40%程度で、不変が20%、増量しても悪化例が40%あり、単純切り替えではやはり問題がありそうであります。その患者層別検討ではFOMA-β20以上群およびアマリール1mg先行群では有効例が多く、これらが臨床的サロゲートマーカーになりうる可能性が示唆された。また先行非SU剤からの切り替え(α-GI)や新規症例ではシタグリプチン50mgにて全例有効(100%)であり、臨床的にはSU剤に替わるFirstとして選択できると思われる。さらにSU剤切り替えにて悪化症例では空腹時血糖の優位な上昇(50mg前後)が認められたことから、ランタスなどの持効型インスリン5~10単位の追加投与により十分コントロール可能であった。もちろんSU剤の半量投与でも有効と思われる。また同時に測定したCPR(C-ペプタイド)では全例低下を認め、広義のインスリン抵抗性改善も期待できる可能性があり、体重増加もない事が確認できたので長期的な血糖コントロールが期待できる。このようは効果はDPP4の増幅系を介したインスリン分泌増強作用だけでは説明が付かず、グルガゴン抑制効果が大きく作用したためではと推測された。
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