(み)生活

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ep第11.02話(支線)【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2015-02-26 18:34:36 | ガラスの・・・Fiction
ep第11話←                  →ep第12話
(支線) ep第11.01話 ep第11.02話 ep第11.03話
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ep第11.02話 きみを好きだと思ったとき、あなたを好きだと気付いたとき
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--・・・・ねぇ。

--・・・・ん?どうした?

--いつから私の事、その、大切というか、気になるというか・・・・その・・・・

--好きなったのか?

--(真っ赤)まままま、まーそーゆー事でしょうか!

--(クックック)知りたいか?

--知りたいです!だって速水さんからしたら私なんてすっごく子供だし、多分きっと生意気だったし、
 その・・・・仕事の上でもじゃまっけな存在だっただろうし。

--そうだな。。

--・・・・やっぱりそうなんですか・・?

--北島マヤ・・・確かに大都芸能にとって、そして速水にとって、君の存在は紅天女を手に入れるという目的において
 最大の障壁だった。
 きみと初めて出会ったのは君がまだ13歳の時、まだ俺が月影先生の居場所を発見して間もなくの頃だった。
 あの頃は、月影さんが自身で「紅天女」を再演しようと画策していて、それをつぶすのに必死だった。
 
--・・・・

--月影さんが君に目をつけている事を知って、いったいどれほどの事ができるのか、と思っていたが・・・・
 まさか君が、こんな小さな体のどこにあんな情熱を持っているのだろうと、驚いたよ。

--やだ、速水さん、苦しい・・・・

--その頃の俺は、今に輪をかけて冷血仕事虫だったからな、月影さんが君に目をかけているのならその芽を摘むまで・・・
 そう思っていた。いや、そう思おうとしていた。
 しかし・・・、君のエネルギーに惹かれ、その理由もわからないまま、君を気にかけている自分がいたんだ。
 その頃の俺は、自他ともに認める仕事以外は全く興味のない朴念仁だったし、実際その方が仕事をやる上で
 効率的だった。愛だ恋だと浮かれるのは時間の無駄・・・・そう思っていたからな。

--そうなんですね。本当はこんなにあったかいのに・・・・(ぴと)

--今にして思えば、俺はあの頃からマヤ、君を愛していた。

--XXX

--腕も指も髪も、ここも、ここも、ここも・・・

--きゃははは、くすぐったいです、速水さん。

--俺とは全く違う君だが、でもほら、こうしてここに君がいると
 なんだかとってもしっくりくると思わないか。

--ハイ。そう思います。ここは私だけの場所。

--君への気持ちに最初に気付いたのは、有能な秘書殿だったかもしれないな。

--・・・・・え、水城さん!?

--ああ。でも俺自身はそんな気はないと思っていた。
 ・・・・思っていた割には、里美との事は気になったが・・・(ボソ)

--里美さん!!!  ああ、あの時は・・・・。

--・・・マヤ、笑わずに聞いてほしいんだが、君はあの時やっぱり里美の事が好き・・い、いややっぱりいい。
 聞かなかったことにしてくれ。

--もう聞いちゃいました。速水さん、顔真っ赤。ちゃんとこっち向いてください。

--イヤだ。

--んもう。でも速水さんの気持ち分かります。私だって、聞きたくないけど・・・やっぱり気になるし・・・・その
 紫織さんの事・・・。

--紫織さんと里美とは違うと思うが。俺は紫織さんには最後まで愛情を抱けなかった。
 大切にすべき人・・・それ以上には思えなかったのだから。 君は里美の事・・・

--好きでした。里美さんの事が気になってどきどきして、一緒にいると楽しくて。優しくて。

--・・・・・

--でも、それだけ。だってその頃の私は知らなかったから。

--何を?

--恋をした時に自分がどんな気持ちになるのか。幸せなだけじゃない。つらくて苦しくて、それでもその人の事しか
 考えられなくなるそんな切ない気持ち。
 今何をしているんだろう、私の事好きになってくれるはずがない、そう思うだけで胸が押しつぶされそうになる
 あの気持ち。あの頃は何も知らなかったから。
 単純に、一緒にいて楽しい。こっちをむいて笑ってくれるのがうれしい、それが恋って気持ちなんだと
 思ってました。

--マヤ・・・。

--でも速水さん、あの時私たちのお付き合いを駄目だって言わなかったですよね。

--あれは里美が先手を打って公にしたからな。売出し中の若手女優の相手としては、さわやかでこれまで
 スキャンダルもない好青年と噂になるのはイメージアップになるし、北島マヤという名が世に知られる
 きっかけとして利用できる・・・、所属事務所社長としてはそういう判断をするのが適切だろうということだ。

--なんか、回りくどいですね。

--しょうがないだろ。君のことを愛してると自覚したのはあの日・・・、あの、君が雨の中倒れて
 俺の屋敷に運び込んだあの夜のことだったんだから・・・!

--え・・・・あの日。

--(しまった・・)いや、君にとってはつらい思い出だったな。

--いいえ、聞かせて下さい。速水さん。

--・・・・・・
 君が演技が出来なくなるなんて想像もしていなかった。たとえどんなにつらいことがあったとしても、
 舞台の上に立てば君は輝ける、そう信じていた。しかし君はあの日、舞台で仮面をかぶることができなかった。
 この体に流れる演劇への情熱を奪うほどの事を俺はしてしまった・・・。
 その後悔は計り知れなかったよ。もちろん今もその時の気持ちは・・・・・持っている。

--速水さんっ!!

--それまで俺にとって女優は商品だった。そもそも俺が誰かのファンになることなど有り得なかった。
 そんな俺が君のファンになってしまった。君を応援し続けたいと思った、たとえ名を明かせなくても。
 しかし速水真澄が純粋にファンとして女優を応援したいなどと、思うはずがなかったんだ。
 君に送っていた紫のバラは、そのまま君への愛の表れだった・・・・その時やっと俺は気づいたんだ。
 君を愛していると。

--そんなに前から・・・・。その頃私・・・

--17歳、俺は28。いろいろな意味でやばいな。

--(ぷぷ)

--その日俺は決意した。君に再び演劇への情熱をよみがえらせると。そして
 君が大人になるのを、待つと。

--速水さん・・・・そんな風に思ってくれていたなんて・・・。

--そう言えば、俺のパジャマ似合っていたな、あの時。

--(かあ~~~)恥ずかしい。ていうかあのパジャマ着せたのまさか・・・

--俺じゃないぞ。さすがに俺もそこまでは出来ん。少女の服を着替えさせるなんて、
 でもま、その頃から比べれば・・・・大人になったよ、マヤ。(しげしげ)

--速水さん!!からかうのやめて下さい!!(真っ赤)

--ははは、すまんすまん。しかしな、マヤそんなことで顔を真っ赤にしている場合ではないぞ。

--え?

--あの日、君は本当に危険な状態だったんだぞ。医者を呼んで、一晩薬を飲んであったかくして寝て
 翌日にはなんとか回復したようだったが、そもそも君、高熱で倒れている状態でどうやって薬を飲んだと思う?

--え?それは・・・・どうやって・・・・でしょう・・・。

--それは・・・。

--(うぐっ・・・・・コク、コク) っぷはぁ・・・・っては、は、速水さん・・・・まさか・・・・!?

--命の恩人にお礼を言いたまえ。

--ひどい・・・・。私の・・・ファーストキス・・・。

--・・・いやだったか?

--いいえ、記憶がないうちにそんなことになるなんて、ちょっとショックだっただけです。
 だって私のファーストキスはあの日の社長室だと・・・(ボソ)

--ん?? なんかいったか?

--あわわわわ、なななんんでもないです、なんでもないです。

--君はどうなんだ?

--え?

--君はいったいいつからなんだ?

--速水さんの事を好きになったの、ですか?

--まあ、そうだな。

--う~~~ん。正直よくわからないんですよね。
 だって速水さんと初めて会った時って、まだ私中学生だったし、当然大人の速水さんに
 そんな風に思うはずもないわけで。
 ただ、最初は・・・・優しそうな人って思ってました。

--優しそう??

--ハイ。『椿姫』でうろうろして速水さんにぶつかっちゃった時、速水さん優しく席まで案内してくれたから。
 その後あの人が大都芸能の若社長だ、仕事に厳しくて血も涙もないヤツだって聞かされても
 私しばらくの間その噂が信じられませんでした。

--そうだったのか。

--その時の印象を大切にしていればよかったんですよね。周囲の言葉は見える物だけを信じるんじゃなくて、
 自分で感じたその気持ちを大事にしていれば・・・・。

--そうさせなかったのは俺のせいだ。

--まぁ・・・・。つきかげにとっては天敵、速水さんも、私の事邪魔ものだと思ってるってずっと信じてたから、
 たまに見せる優しい顔とか、ほら、二人でいつか一緒に乗ったボート、覚えてますか?

--ああ、パックの頃だったな。

--ええ、あの時のきらきら輝く水面、今でも覚えています。
 どうしてこの人はこんなにやさしい顔をするんだろう。私達こと、嫌いなはずなのにーって。
 母さんの事も・・・・。あの時速水さん私に「好きにしろ、俺は謝り方を知らん」って言って
 体を広げたでしょう。あの時私、これがこの人なりの謝り方なんだって、何故だか恨みよりも先に
 そういう気持ちの方が沸き起こってきて・・・・。
 その後も、あなたの事を憎みたい、大嫌いって、思っても思っても思いきれなかった、そんな時・・・・

--そんな時?

--あなたを、見たんです。街で・・・・綺麗な人と、一緒にいる姿を。

--ああ。

--体の中に冷たい風が吹き抜けたみたいでした。
 あなたがあの人、そう、紫織さんに向けてみせる顔がとっても優しくて、それは
 私が今まで見たこともないような、そんな顔・・・・

--マヤ・・・

--速水さんがお見合いしたって水城さんに聞いて、私一瞬どうしていいか分からなくなった。
 速水さんが遠くに行っちゃう。誰かの物になっちゃうかもしれない・・・・。
 今にして思えば、もうその時には私あなたの事が・・・・。

--マヤ、俺が紫織さんに見せていた顔は、決して心からの笑顔では・・・

--見せて、顔を。もっとそばで。
 ・・・・・そう、この顔。速水さんが私に見せる、ちょっとさびしそうで、それ以上に何かを
 訴えているような、こんな目・・・・。
 私は何度もこの目の意味を考えていた。
 あなたが私に見せる表情は、いじめっ子みたいに人をからかうような冷たく嫌味っぽい目か、
 こうして何かを言いたそうに、それでも言えない何かを隠しているようなさびしい目。
 昔はもっと普通に、あなたの笑顔を見てた気がする、怒ってるのに笑っちゃうみたいな感じだったのに
 あの頃から、あなたがお見合いをした辺りから変わっちゃった・・・・
 私、それがきっと多分さびしかったんだと思う。

--そうか・・、おれはあの頃自分の気持ちを封印して、一生を影としてマヤを支える事を決意していた。
 かなわぬ思いを仕舞い込んで、表面をとりつくろうだけの人生を選んだ頃だった・・・

--その後、紫のバラの人があなただってわかって混乱して。あなたに対する見方がどんどん分からなくなって、
 速水さんの事が分からなくなって、自分の気持ちもわかんなくなっちゃった。
 そのまま梅の里に行っちゃったから、私・・・・
 速水さんの事ばっかり考えちゃって、紅天女の稽古どころじゃなくなっちゃいました・・・!

--向こうで君と見た星、きれいだったな。

--ええ、速水さんにも見せてあげたいって思ったら速水さんが現れたからびっくりしました。

--俺の方が君にはびっくりさせられてばかりなんだが・・・・。あの梅の谷でも。

--あ、あの時・・・・。そう、あの時です。私があなたのこと好きだってはっきりわかったのは。
 あなたが私の事だけを考えてくれていた事に気付いたあの時・・・・
 社務所であなたに温めてもらったあの時・・・・わざと私の事金の卵扱いして元気付けようと
 してくれたり、私の舞台をずっと見ていてくれたことを話してくれたり・・・・
 でもあなたはもう別の人との縁がある人、今ここにいるのは幻の出来事。
 だから私、あの時わがまま言ってでも、あなたに抱きしめてもらいたかった。
 どうせ朝には消える夢、それなら朝まで夢を見ていたい。
 そう思ってました。

--今はどうだ?

--え?

--あったかいか?俺は君を暖められているか?

--ええ、ええ速水さん。あったかいです。

--梅の谷よりずっと薄着だが・・・・

--その分速水さんの暖かさが直接伝わってきます。

--あの日、君と別れてから、君が着ていたコートを身にまとって車に乗った時、
 君の香りが俺を包み込んだんだ。一晩中、抱きしめ続けた君の残り香が、
 俺の封印したはずの気持ちを呼び起こしていた。
 そう、こんな風に、とても穏やかな香りだった・・・。

--速水さん・・・

--あの夜、君はぐっすり眠れたのか?

--え?ええ、あの、いくらかは眠れたと思います・・・。

--俺は苦しかったぞ。長い夜になることを覚悟していた。君を胸に抱いて、
 このまま身も心も封印しないといけないなんて、とんだ苦行だ。
 だから、夜明けに君の穏やかな寝顔を見ていたら・・・・

--見ていたら・・・

--君はこれから目の前に広がる大きく広がる世界へ飛び立っていく、そんな女優なんだと
 そんな君の姿を見れるのは俺にとって一番の幸せだと確信したよ、だから・・・
 
--だから・・・?

--こうした。

--(うぷ・・・っ)・・・って速水さん、また!? え、まさかあの社務所でも??

--ククク、ああ。まあな。

--うそっ!! なんかひどい。

--じゃあ君もそろそろ教えてくれたらどうなんだ?

--え?

--君のファーストキス、社長室って聞こえたような気が・・・・・

--あわわわわわわわ、そ、そそそれは・・・・・・ぁ!!!

--でもその前に、今はまるであの時のような感じだな。
 このままでは、苦行だ。
 マヤ、あの時俺が言った言葉覚えているか?

--え?

ーーーーー俺も男だからな。責任がもてなくなるかもしれんぞーーーーー

********************
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(支線) ep第11.01話 ep第11.02話 ep第11.03話
~~~~解説・言い訳~~~~~~~~
どー考えてもピロートークなんすけど・・・どーなんしょ。
同じ布団の中に入っている時の方が、自分の気持ちに素直に、
普段言えないような歯の浮く言葉も平気で言えちゃうってこと
ありませんか。
そんな感じ。
マヤの誕生日お祝いした後、夜が明ける前の会話ってタイムラインの
イメージでしょうか。
さてさて、俺の責任はどうなったのでしょうか・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~

ep第11.01話(支線)【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2015-02-26 18:33:59 | ガラスの・・・Fiction
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ep第11.01話 紫のバラに気付いたわけ
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--そう言えば、君は一体いつから気づいていたんだ?

--え?なにが?

--紫のバラ。俺が贈っていたって知っていただろう?初めて伊豆に来た時にはもう・・・。

--ああ・・ハイ。知ってました。

--・・・・恥ずかしいな。いったいいつから?実は最初から知ってたわけでは・・・。

--まさか!!速水さん分かりませんか?いつ私が気づいたか?

--う~ん、見当もつかんな。聖に完全に任せてからは、俺は渡す現場には
 極力立ち会っていなかったと思うのだが・・・。

--これ。

--ん?ああ、メッセージか。こんなのもの持ち歩いているのか?いつも。

--全部ではありませんが、このメッセージカードは特に大切な物なので、いつも身に付けています。

--これは、『忘れられた荒野』で君が最優秀演技賞を受賞した後に送ったものだな。

--はい。速水さん、これ読んでみてください!

--なに?自分で読むのは恥ずかしいな・・・。え、読めって・・・。分かったよ。
“受賞おめでとうございます いよいよ「紅天女」ですね 頑張ってください
いつもあなたを見守っています
「忘れられた荒野」でのあなたの狼少女ジェーンはすてきでした
スチュワートの青いスカーフを握りしめながら人間にめざめていく場面は感動的でした 
                                  あなたのファンより”

--・・・・・(うるうる)

--(?)ん?どうした、これになにか問題でも・・・。

--いいえ、思い出したんです。最初にこれを手にしたとき、どれだけ驚いたか。

--ということは、この中に俺だと分かることが入っていたというのか?一体・・・。

--“青いスカーフ”、速水さんは舞台の初日、台風が上陸して他に観客が誰一人いなかったあの日に
 来て下さったでしょう?舞台で青いスカーフを使ったのは、その時だけだったんです。

--なに?それは本当か。

--ええ・・。打ち上げの時黒沼先生がタバコで燃やしちゃって・・・、翌日からは赤いスカーフを代用してて。

--そうか・・・・。俺も舞台を見たのはあれ一度きり、記事やテレビでもあのシーンは使われていなかったからなあ。
 俺としたことが。とんだ凡ミスだ。

--でも、そう思って振り返ってみたら、確かに速水さんだったって思う事は多々あって。
 ていうか、あんなにいつもぴったりのタイミングで手を差し伸べられる人、自分の近くにいる人でないと無理に
 決まってるんですよね。むしろなんで気づかなかったんだろうって思います。

--紫のバラの名をかたることで、俺は唯一自分に正直にしたいと思う事をすることができた。
 現実世界の“速水真澄”はしがらみが多すぎて、君を素直に助けることが出来なかった。

--しょっちゅうイヤミなこと言って、私の事バカにしてたのに、裏であんなに私の事考えてくれてたなんて・・
 なんかずるいです。

--ハハハ!!君のためだけじゃないさ。紫のバラを贈ることで、俺の心は癒されていたから・・・・。
 だからこそ、たとえ現実世界で君の手に直接触れることが出来なくても、紫の影として一生、君を見守り続けていきたい、
 そう思っていた・・・。

--・・・・・(じーん)

--では、狼少女以降君が紫のバラの人に会いたいと言い続けていたのは実は・・・

--ハイ、速水さん、あなたに会いたかったんです。

--・・・・・そうか・・・(じーん)

--『奇跡の人』で稽古場として使わせて頂いた長野の別荘の時、足をくじいた私をソファーまで運んでくださったのも
 速水さんだったんですよね。

--ん?あ、ああ。

--あの後、助演女優賞を受賞した時、私速水さんとダンスして、うっかり足を取られてあなたにまだ抱きついちゃった。
 その時なんとなく思ったんです、この感触、前にも・・・って。

--やっぱりそうだったのか、気づかれたのじゃないかと慌てたよ、あの時は。

--学校にも通わせて頂いて、本当にありがとうございます。

--君が無事卒業できてよかったよ・・・。

--あ、卒業証書・・・・あ、あの・・・。

--君から卒業証書をもらった時は、本当にびっくりした。あんな大切な物をもらう資格、俺にはないと返そうとしたんだ。
 それを聖がマヤの気持ちを思うなら、是非受け取ってくださいと言って・・・。

--はい。私が高校に通えたのも、高校で一人芝居に挑戦できたのも、全て紫のバラの人のおかげでした。
 感謝の気持ち、どうやって伝えたらいいのか分からなくてそれで・・・。

--まだ持ってるか?

--え?

--卒業証書。君の所に送り返されたのだろう?

--・・・・・・・はい。

--俺の知らない所で起こったとはいえ、君を傷つける事になってしまって申し訳ない。
 誰が何のために、ということは今更かもしれないが、でもこれだけは言っておきたい。
 マヤ、君からもらった写真や品物は、全てここで大切に保管していた。
 卒業証書も、持ち出されたと気付かなかった俺の責任だが、
 きみの写真を破ったり、卒業証書を送り返したりしたのは、俺ではない。そんなこと、できるはずがない。

--最初はびっくりしてショックで、どうしようもなくなっちゃったけど、でも・・・信じてました。
 速水さんが必死で私の事を暴漢から守ってくれているのを見て、この人があんなことするはずないって。

--今度、持ってきてくれないか?もし君がいやじゃなかったら、もう一度渡してほしい。俺に。速水真澄に。

--・・・・・・ええ、速水さん。もし紫のバラの人にもらっていただけるなら、こんなうれしいことはありません。

--俺が紫のバラの贈り主だと知って、ショックだっただろう。

--最初は・・・でも、あとから思い返せば納得できる事もたくさんあったし、それに何より・・・
 私が速水さんに抱いていた感情がずっと自分でも説明つかなくて、どうしてだろう、カタキみたいな人なはずなのに、
 優しい笑顔が気になるんだろう?本当は何を考えているのか、知りたいと思うんだろうって、ずっと
 分からずにいたんです。
 それが、あなたが紫のバラの人だと分かった時、ようやく一つになったっていうか・・・。
 あなたの本当の気持ちが、紫のバラに隠されていたとしたら、私の事をずっと見守ってくれていたのはあなただった。
 あなたが憎まれ口ばっかり言いながら、結果的に私にとって一番いい道を選ばせてくれたのは、
 きっとあなたの本当の気持ちなのかもしれない、あなたの優しさだったのかもしれない、って気づいて・・・・
 そして気づいたんです。私、速水さんの事が好きだって。ずっとずっと前から好きだったんだって。

--ありがとう、マヤ。

--紫のバラの人のおかげです。私に、速水さんの事を好きな気持ちを気づかせてくれた。

--いつの日か、君に堂々と紫のバラを手渡せる日がくるまで、もう少しだけ待っていてくれ。

--はい、速水さん。紅天女も、そしてこれからの北島マヤも、紫のバラの人に喜ばれるような芝居をし続けます。

--期待しているぞ。

--はい、でも・・・

--でも?なんだ?

--やっぱり一番にほめられたいのは、速水さんですっ
 速水さんの “よかったぞ” また聞きたいから私、頑張りますっ!!

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(支線) ep第11.01話 ep第11.02話 ep第11.03話
~~~~解説・言い訳~~~~~~~~
お昼過ぎに伊豆の別荘に着いて、ひとしきり今後の事を
話した後、夜になるまで話し続けた時の取り留めのない会話
落ち無し会話が続くだけでした。
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