(み)生活

ネットで調べてもいまいち自分にフィットしないあんなこと、こんなこと
浅く広く掘っていったらいろいろ出てきました

( ´艸`)☆更新履歴☆(´~`ヾ)

(ガラスの・Fiction)49巻以降の話、想像してみた*INDEX (2019.9.23)・・記事はこちら ※ep第50話更新※
(ガラスの・INDEX)文庫版『ガラスの仮面』あらすじ*INDEX (2015.03.04)・・記事はこちら ※文庫版27巻更新※
(美味しん)美味しんぼ全巻一気読み (2014.10.05)・・記事はこちら ※05巻更新※
(孤独の)孤独のグルメマップ (2019.01.18)・・記事はこちら ※2018年大晦日SP更新完了※

(・Θ・)★せめて一言だけでも毎日更新★ (´∩ω∩`*)

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気付けばはや一年・・・

2015-05-31 11:35:17 | 雑談

気が付けば、本ブログ開設からはや1年が過ぎていました。
と、いうことは結婚も一周年・・・・なにもしていない(笑)
当初は結婚式準備にまつわる調べ物の備忘録にしようと
思っていたんですね、それすら忘れていました。
よもや秋に舞台『ガラスの仮面』を観に行ったせい(おかげ)で、
コミックス全巻読み直し、果てはストーリーまとめ、さらには
先のストーリー妄想まですることになるとは・・・。

ガラスの仮面に関しては、大河マンガですし、長年にわたって
人気の高い作品、ファンの皆さんもある意味気の長い
穏やかな心を持ち合わせた人が多いと思うので、
(本当に、リアルタイムで連載追っている方には脱帽です。
 私は、長期連載マンガはまとめて一気読みする派なので、
 先の見えないストーリーを読むなんて、頭が下がります)
おんぶにだっこで好き放題書かせて頂いているのですが、
もう一つの趣味である、ももクロに関しては、
熱の高いファンの方も多くおられるので、びくびくしながら
(適当なことを)好きなタイミングでUPしてきました。

基本、興味があることをその時に、ノートのようにまとめるために
作ったブログなので、現在ももクロ関連の情報に偏るのは
致し方ない部分ではあるのですが、
『美味しんぼ』カテが全然進んでいないな~とは気にしています(笑)
あれこそ、私の一番のライフワーク的作品なはずなのに・・・。

反対に、カテゴリー設定してるけど、1記事も書いてないやつとか
1年を節目にちょっと整理しようかなと思ってます。

あ~、でもこうやって思いついた時に書いたり、
反対にめんどくさくてなかなか更新できなかったりしながら
自分にゆるい縛りでも続けていけたら、
本当に日記として自分のときどきの趣味の移ろいが分かって
笑えて楽しいかもしれないですね。

これからも、つかず離れずの関係で、ここにお世話になると思います。
自分ごとながら。


ep第14話【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2015-05-31 02:46:39 | ガラスの・・・Fiction
ep第13話←                  →ep第15話
********************
「・・・というわけで、皆様のお力添えを頂きまして、無事に『紅天女』復活公演、
 大盛況のうちに千秋楽を迎えることが出来ました事、厚く御礼申し上げます」
山岸演劇協会理事長の挨拶ののち、セントラルホテル飛翔の間は
賑やかなパーティーの場へと移行した。
紅天女公演成功祝賀会、もちろんその中心にいるのは北島マヤだ。
「意外でした。」
ひとしきりスポンサーをはじめ業界関係者に挨拶をすませたマヤは、
そばにいた黒沼にそうつぶやいた。
何が?と問う黒沼に、
「今日の服、てっきり和装だと思ってたんですけど・・・」
確かに今日のマヤは、それがもし純白だったらそれはそれは華やかなウエディングドレスになりそうな、
裾が長めに広がったピンクとパープルの淡いグラデーションが美しいドレスに身を包んでいた。
華奢ながらメリハリのあるスタイルが綺麗に表現されるよう計算されたそのデザインは、
まさにマヤの良さを最大限にいかしているといってよく、
さらに片側に流すようにまとめられた黒髪に、
シンプルながら高価な髪飾りが輝き、気品を演出していた。
「その服はお前さんが用意したのかい?」
「まさか・・・。事務所がいくつか準備してくれたのを試着して、
 気がついたらこれになってました・・・」
「そうか、ということは・・・」
マヤが立ち止まる度に、絶妙に裾が円を描いてマヤを包み込むその姿はさながら一輪のバラのようで、
会場のどこにいても中心はマヤのいるところだといった華やかさをまとっていた。
「でも、紅天女は南北朝時代の話、どうしてドレスなんて」
「紅天女はとりあえず打ち上がったからな。いつまでもそのイメージにとらわれるのは、
 君の今後の為にならない。」
いつのまにかそばにいた真澄の声がした。
「・・・速水さんっ!」
「よう、速水の若旦那」
「どうも、この度は紅天女成功おめでとうございます」
軽やかにグラスを傾け、タキシード姿の真澄はにこやかに微笑んだ。
「マヤ、君はこのパーティーが本当にただの祝賀会だと思っているのか?」
「え、違うんですか?」
「祝賀会というのは表向きの名分に過ぎない。
 実際は今後のビジネスに向けてそれぞれが自分を売り込むセールスの場だ。
 みんな紅天女の成功を肩書きに、次の仕事を獲得するためアピールしているし、
 反対に見込みのある役者やスタッフにオファーをするために来ている業界関係者も
 多く来ている。マヤ、君も紅天女の次を見ていかなけりゃいけないよ。」
口元に微笑みを残しつつも、目は仕事人の色をしていた。
"そうなんだ、そんなこと全然考えもしなかった"
マヤは改めて自分がまだまだ子供であることを実感するとともに、
いまだに紅天女の余韻を引きずっているのが自分だけなのかと少し寂しい気持ちを抱いていた。
「よく似合っている」
「えっ?」
「そのドレス、よく似合っている」
真澄のまっすぐな視線に思わず顔を赤くしながら、
マヤは小さくありがとうございます・・・とお礼を言った。
「大丈夫、君はちっとも衣装負けなんかしていないぞ」
まるで自分が分不相応な衣装に着せられていると思っている気持ちを
見透かしているかのような真澄の言葉に、マヤはびっくりして顔を上げた。
「速水さん・・・」
「マヤちゃん!!」
その時マヤに桜小路が声をかけてきた。
「TVXの紺野編成局長が、マヤちゃんと是非お話がしたいって話していたよ」
マヤは先ほどの真澄の言葉を思い出し、背筋をしゃんと伸ばし直すと、
美しい姿勢で小さく会釈をして、桜小路と共に真澄と黒沼の元を離れて行った。
「あのドレスは、お前さんのお見たてかい?若旦那」
残された黒沼に問いかけられた真澄は、肯定というかのようににっこりと微笑んだ。
「なるほど・・・」
その様子に、2人の関係を確信した黒沼は、
「とりあえず、後で桜小路には釘を刺しとくかー」
といいつつ喫煙スペースに足を向けた。

あの日、あの時、初めてマヤをひとりの大人の女性として意識したアストリア号の夜のように、
真澄はマヤの美しさを業界内にアピールしたかった。
これまで、美しさの姫川亜弓・演技派の北島マヤと比較されがちだったが、
実際マヤのその美しさの素質は侮れないものがある。
恋人としてなら他者に知られたくもないが、所属事務所社長としては、
マヤの今後の女優人生にとっても、避けては通れない道ではあった。
そして実際、会場で談笑するマヤの華やかさは圧倒的で、
もはや誰も舞台を降りればただの人とは思っていない。
"綺麗になったな、本当に・・・"
一瞬の感慨をすぐに心に隠し、真澄もまたマヤを売り込むための営業活動へと、
人の渦の中に身を投じていった。

**
「それではここで、一つ発表がございます!」
ややオーバーな司会者の声に、場内のゲスト達の視線がひな壇に集まる。
うぉっほん、と喉の調子を整えた山岸理事長がマイクを取ると、
来春の紅天女公演上演決定の発表を行い、会場は今日一番の拍手に包まれた。
上演権保有者であるマヤはもちろん事前に打診を受けており、
この事が発表されることは知っていた。
「また、紅天女として、阿古夜として、あの夢のような舞台に立てることを心から嬉しく思います。
 そして、次の公演まで、女優としてしっかり精進し、
 さらに磨きのかかった世界となるよう、これからもがんばりますので
 応援よろしくお願いします」
たどたどしさはあるものの、しっかりと挨拶するマヤに、
出席者はほぅっとため息をつくのを禁じ得なかった。

「約束は、ちゃんと守ってくださいね」
宴もたけなわ、賑わいさめやらぬままお開きとなった会場の人波をかき分けるように
真澄に近付いたマヤは、小さくそういうと、
そばににいたマネージャーに連れられ、控室へと後にした。
"もちろんだとも!"
真澄は、ドレスの裾を踏んで足を取られる様子を笑って見つめながら、
そう心のなかで叫んだ。
"俺は約束は守る男だ"

「マヤちゃん、疲れてる所悪いんだけど、今後の仕事のことで、
今晩ちょっと打ち合わせしてもいいかなあー」
控室でマヤの着替えを手伝いながら、新しくマヤのマネージャーとなった大原がそういった。
「え、仕事!もちろんです」
思わず声が高まるマヤのキラキラした様子に、
水城に聞いていた通りだと大原は思わず笑みをこぼす。
"演劇のこととなると寝食も忘れてのめり込むから"
「・・・ふふ、じゃあ自宅に送って行って、ちょっと部屋で話させてもらうわね」
マヤのドレスの入った衣装ケースを肩にかけ、
メイクを落としたマヤを連れ駐車場へと向かう2人の姿を見ていたマスコミ関係者が
ひそひそと話をする。
「ふーん、北島マヤの新しいマネージャーは、大原明里か」
「大原明里といえば、やり手マネージャーとして業界内でも有名なあの、大原明里か。
 こりゃ大都も本気で北島マヤを売ろうとしているな」
「以前のことがあるからな、ことに北島マヤと速水社長との間には確執も根深いと聞く。
 それでもまたマネジメント契約を結んだということは、
 それ相応の厚待遇を約束したということか。」
「なんといっても今の北島マヤは紅天女を持っているからな。
 今いろいろ大変な大都にとっても最大の財産といえるかもしれん。」
「『紅天女』か。しかし北島マヤもまたずいぶんと大きなイメージを抱えたもんだな。
 次の仕事が見ものだ」

**
「連ドラ!?」
「そう、この夏クールの連ドラの話がいくつかきてます。
 だいたい夏のドラマって、季節柄男女のライトなキラキラ恋愛ものが多いんだけど、
 その中でもしっかりと演技力でドラマを引き締めることのできる
 若手演技派女優を探してるということで、マヤちゃんにピッタリだと思ったの。」
大原明里は、大都グループとしては水城と同期にあたるが、
大都芸能でのキャリアは水城より長い。
これまで若手ロックグループの売り出しや、
子役から活躍してきた俳優の成長に伴う変化を上手く利用したコントロールで
実力派として脱皮させるなど、その手腕は社内でも評判が高く、
真澄のもとにもその業績は報告されていた。
今回のマヤ再契約に関しては、社長の肝入りでプロジェクトチームが編成され、
大原もその会議に参加し、今後のマヤの売り込み戦略に意見を出している。
「マヤちゃん、私はね、あなたを主役しかできない女優にしたくはないのよ。」
マヤを見つめる大原の目は真剣だ。
「確かにあなたは紅天女という大きな看板を背負った大女優よ。
 だけどまだ21歳の若さ、そりゃ芸歴は短くはないけれど、
 まだ何色にも染まることができる柔らかな年齢だし、何よりあなたは・・・」
何年も何十年も、ずっと女優でいるつもりでしょう・・・そう熱っぽく語る大原に、
マヤははっきりとうなずいた。
「はい!私、舞台に立てるなら、演技ができるなら、たとえ通行人でもなんでもかまいません!
 でも演じられなくなるのだけは、いやです!」
その答えに我が意を得たりとにっこり微笑んだ大原は、
「そういうと思っていたわ」
と返した。
小さな役、大きな役、そんなことは関係なく、演じれば自ずとマヤはその輝きを発揮する。
だから今はあえて主役にこだわらず思う存分演じる楽しさを感じて欲しい、
そうすることが結果的にもっとも効果的にマヤの魅力を世間に知らしめることになり、
マヤのイメージ戦略につながるそう大原は確信していた。
「いろいろ不安も出てくると思うけど、何かあったらどんな小さなことでも私に相談してね。」
信じて私に、そして大都芸能についてきてと言う大原にマヤはにっこり笑顔で、
「はい!速水さんからも、大原さんは絶対大丈夫だから安心してって言われましたから!」
と答えた。
そういえばこの子、社長のこと速水さんって呼ぶわね、と
その呼び方を変えさせたほうがいいのか一瞬考えた大原は、一つ大きなことを思い出した。
「マヤちゃん、もう一つ、確認したいことがあるのだけど」
キッチンに、お茶を入れ直しに立っていたマヤに、大原は声をかけた。

"マヤには恋人がいるの。それは会社も公認なんだけど、相手に関しては・・・"
とりあえず本人に聞いてくれる?と水城に言われていたのだ。
これから本格的に売り出していかなければならないはたちそこらの女の子に
恋人がいるなんて、大原にとって頭の痛いことだったが、
水城がさして問題視する様子もないことから、
とりあえず相手だけでも確認しておこうと思っていたのだ。
「マネージャーとして知っておくべきことだから聞かせてもらいたいんだけど・・・」
プライベートに口出しして申し訳ないけれど、と本題に入ろうとしたその時・・・

「ただいまー」
がちゃり、という解錠の音と共にドアを開け、室内に入ってくる男性の姿が大原の目の前に現れた。
「今日は慣れない大役、大変だっただろ、おつかれさ・・・」
「・・・・・は?、はや、み、しゃちょ・・・・」
「・・・・・君は、大原くんか」
「あ、速水さーんおかえりなさい。とりあえずビールとか、飲みます?」
お茶を持ってキッチンから出てきたマヤのあっけらかんとした声を
大原はまるで遠くにいるような響きで聞きながら、
ああ、そういえばこの子は速水さんって呼んでいたな・・・
と改めて頭の中で繰り返していた。

ep第13話←                  →ep第15話
~~~~解説・言い訳~~~~~~~~
乗ってきた♪(笑)
少し悩んでいましたが、これからも楽しく妄想を続けるためにも
ある程度新しい風はあった方がいいな、と思い、オリジナルキャラさんに
登場して頂きました。
マヤの新しいマネージャー、大原明里(おおはらあかり)さんです。
これからいろいろお世話になる事も多いと思います。よろしくです。
イメージとしては、水城冴子初登場のあの颯爽とした
出来る女感です。

時期は4月中旬、来春の紅天女公演も決まったので
それまでの1年弱、マヤの若手実力派女優としての活躍を
楽しく適当に想像していけたらいいな~~
でもたまに真澄といちゃいちゃできるように住居設定しました。
ワクワク、ワクワクワク。
~~~~~~~~~~~~~~~~

ep第13話【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2015-05-29 19:25:03 | ガラスの・・・Fiction
ep第12話←                  →ep第14話
********************
「荷物はこれで全部か~~~ぁ、マヤ。」
「あ、え~っと、うん。そう。」
わずかばかりの段ボールをまとめて抱え上げると、劇団一角獣の堀田は
レンタカーにそれをひょいと乗せた。
「それにしても少ないな~、ほんとにこれで生活してたのか。」
「うん・・・。だって新しい部屋には家具も電化製品も一通りの物は
 ついてるっていうし、持っていくものと言えば服とそれから・・・」
そう言ってマヤは自身で大事に抱えた箱を抱え直した。
「紫のバラの人・・・か。」
3月の紅天女打ち上げの時に訊いた衝撃の真実を、堀田はしみじみと思い出していた。
「しかしまあ・・・、言われりゃ納得、とはいえ、やっぱり驚きだよな。」
あの速水真澄が、こんな小さな女の子を、少女の頃から・・・・。
「・・・・なんか変な事考えてませんか?」
気付くと刺すような視線でマヤが睨んでいた。
「い、いやいや、ささ、とにかく早く荷物を載せて、新居に行かないと
 みんなあっちに集まってるんだろ?」
「うん。あ、この箱は私このまま持ってく~~~」
そういうとマヤは、段ボールを抱えて車に乗り込んだ。
「おいおい、わたしを置いてかないでくれよ。」
白百合荘の戸締りをした麗が、バンに駆け寄った。
「いよいよ白百合荘から卒業・・・・か。」
紅天女終演後、正式に大都芸能に所属することになったマヤは、
長年暮らした白百合荘を後に、大都が借りた新しいマンションへと引っ越すことになった。
新しいマンションには麗をはじめ劇団の仲間たちが先に集まり、引っ越し祝いという
名目でのマヤを囲む会を強引に開催することになっている。
「で、来れるって?速水さんは?」
「あ、ううん、まだ分からないって。仕事が終わればって言ってたけど、
 仕事が終わったの見たことないし・・・」
そう言ってマヤはにっこりと笑った。
「でも水城さんは遅れるけど絶対来てくれるって言ってた!」
「水城さんか、ある意味そっちの方がいろいろ知っていそうだな。。」
堀田はハンドルを持つ手を握り直した。

**
「それでは、北島マヤの新たなる門出を祝って・・・・」
「かんぱーーーーい!!」

大都芸能が用意した部屋は、さすがセキュリティのしっかりしたマンションで、
マヤの部屋はその上層階にある。
「しかしあれだな、やっぱり、こんないい部屋を用意してくれたということは、
 やっぱり大都芸能も、本気でマヤを働かせる気満々ってわけだ。」
「そうね、ここの家賃だけでも、大変な額でしょうからね、きっとマヤ、これから休みなしよ!」
「え~~、私はむしろ休みがないぐらいが・・・・。紅天女も終わって、先の予定がまだないのは
 やっぱり何していいのか分かんない。」
近くのコンビニで調達したお酒やつまみを囲んで、マヤを中心に思い出話から未来の事へと
話は尽きない。
「次の話はまだ来てないの?マヤ。」
「うん・・・、ていうか、いろいろきすぎてて選別が大変なんだって。」
「ひゅ~~、売れっ子!」
「じゃなくて!!やっぱり紅天女が終わったばっかりだと、どうしても話題先行というか、なんというか・・・」
「要は、旬の女優を需要があるうちに使いたい企画ばかりってわけだ。」
「そう!そうみたい。私はやっぱり舞台が大好きだし、また舞台に立ちたいと思ってるけど、
 事務所的にはやっぱり、テレビドラマとか、映画とか、そういった分野の売り方もあるとかなんとか・・・」
「でもさ~~~」
これまでずっとつまみをほおばっていた泰子がおもむろに口を開いた。
「マヤの売出し戦略なんて、トップダウンですぐ決まるでしょ。」
「へ?」
「だって・・・・、誰が何言ったって、速水さんがいいって言わなきゃ何にもできないだろうし、
 反対に速水さんがやるって決めたら誰も逆らえないでしょう?」
その言葉が呼び水となって、一気に「速水真澄」ワードが解禁となった。

「前回大都に所属していた時は、私達とも会うな、って言われてたけど、
 今回はどうなの?」
「あ、あの時は本当に・・・・・。ごめんなさい。私子供で、全然知らなくて・・・。
 自分の事でいっぱいいっぱいになってた。」
マヤは苦い思い出を振り返る。
「そんなことないよ。だってあれは、マヤの知らない所であいつが仕組んだ・・・ああああ、ごめん。」
「いやほんとそう。あいつ、許せない!!ぎゃははは」
お酒が入って更に声が大きくなったマヤは大笑いをしたその時、

「ほんと、あなたはいつも発声がしっかりしているのね?」
「!?・・・あ、水城さん!」
大都芸能社長秘書、水城が立っていた。
「水城さん、いらっしゃいませ!どうして入れたんですか?」
「一応ここは大都の借りている部屋ですからね、鍵は持ってるわ。」
大変盛り上がっている所悪いんだけど・・・・と水城はマヤに、そして集まっているメンバーに向けて言った。
「少しマヤを借りてもいいかしら。急な仕事が入ったの。」
「え?今日は終日オフって聞いてたんですけど・・・」
「大したことじゃなのよ。来週、紅天女興行成功祝賀会が開催されるでしょ。その時の衣裳合わせを
 したいのよ。どうしても今日しか時間が取れなくて・・・」
終わったらすぐに連れて戻るから・・・そう言って水城は詫びながら赤い顔のマヤを連れ、部屋を後にした。
「戻ってくるまで、ここ使ってくれて構わないから、あ、あと必要だったらデリバリーでもなんでも頼んで。
 領収書をもらえればこちらで経費処理しますから」
経費処理ってなんですか?というマヤの問いに
「真澄さまのポケットマネーに決まってるでしょ」という水城の声が小さくドアの向こうへと消えていった。

**
「そういえば、前にマヤが大都にいた時は、水城さんがマネージャーをしてたんだよな。」
「ええ、たしかそうだったわ。」
マヤの居なくなった部屋に残された劇団メンバーは、必然的にマヤの話題になる。
「今にして思えば、自分の秘書をマネージャーにしてるくらいだもんな・・・・。」
それくらい、マヤの事を大事に思ってた・・・ってことか、あの頃から。
「麗はいつ気づいたの?紫のバラの人が速水さんだって。」
「え、私は・・・・気づかなかったよ、マヤに言われるまで。ただ・・・」
時折マヤに向ける優しい眼差し、厳しいようでいて的確なアドバイス、
マヤにとって速水の存在が非常に重要なものであることは、なんとなくだけど感じていた。
「マヤはいつ、紫のバラの人の正体を知ったのかしら?」
「ああ、なんでも『忘れられた荒野』の後に分かったみだいだよ。」
「と、いうことは紅天女の候補に復活して、梅の里で修業をする前・・・か。」
随分と長い間、秘密を抱え込んでいたんだな、紅天女をつかむのに苦労していたマヤの姿を知る
仲間たちは、当時のマヤの苦しい胸の内を思いやった。
「紫のバラの人が速水さんだって分かって、マヤきっとショックだったでしょうね・・・」
「ショック・・?」
「うん、だって当時なんてほんとカタキのような存在の人でしょ。
 確かにマヤは、相手がどんな人だって、ヤクザの大親分だっていい!!とは言ってたけど・・・。
 実際にそんな人が紫のバラの人だったってわかったらやっぱり、ショックでしょ。」
「おいおい、速水さんはヤクザの大親分じゃないぞ。」
「分かってるわよ!分かってるけど、マヤからしたらそれくらいの衝撃ってことよ。違う?」
だってマヤのお母さんは・・・、そこまで言ってさやかは口をつぐむ。
・・・そうだ、そうなのだ。
マヤにとって速水は、自分の母親を奪った憎むべき相手。
「・・・・」
「・・・・そのこと、マヤはどう思ってるのかしら。」
「・・・・大丈夫だろ。」
きっと全てを納得したうえで、マヤは再び大都のもとで芸能活動をすることを決めたのだ。
そこは、外野がどうこういう問題ではない。
「そ・ん・な・こ・と・よっり~~~ぃ!」
場の空気を変えたのは、恵子だった。
「マヤと速水さんって、どうなの??やっぱり付き合ってるの??」
お酒のアテにはやっぱり恋バナでしょ~、とおケイさんはデリバリーピザのメニューを見ながら言った。
「どうなの?どうなの?麗?」
みんなに一斉に詰め寄られてタジタジの麗は、
「わ、わたしに聞かないでくれよ!それはマヤ本人に聞いてくれ!!」
と叫んだ。
「そうね、じゃあ、本人がいない所じゃないと話せない話をしようよ。」
「え?」
「速水さん、例のあの婚約者とはどうなったの?」
「ええ、と、鷹宮紫織さんだったっけ。なんでも婚約は解消したみたいだよ。」
「それっていつ?」
「う~~~ん、はっきりとは分からないけど、去年末ぐらいにはもう
 終わってたんじゃないかな・・・」
「へ~え、やっぱり芸能人と違って、そんなに情報が大々的に報じられることはないのね。
 それともあれかしら、やっぱり大企業の話題となると、裏からいろいろ手が回されて・・・」
「それはあるよね~~。どちらかというと大都が、っていうより鷹通グループの方じゃない?
 婚約解消って、女の方がリスク大きいもん、やっぱ。」
「きれいな人だったのにな~~」
「あの婚約を解消してまで・・・!!ってことはやっぱり速水さん・・・・」
みんなの頭の中には、いつも上を見上げてくってかかるマヤと、
それを笑いながら軽くあしらう速水の姿が思い出された。
「やっぱ・・・・・・、想像できない。」

**
「いつでしたっけ、祝賀会。」
「来週の金曜日。場所はセントラルホテルよ。」
水城に連れられ衣裳合わせを行ったマヤは、元来た道を自宅となった新居へ
向かっていた。
「どうする?もしよかったら大都芸能に寄って行く?」
真澄さまに会えるかどうかは分からないけど、という水城に、マヤは
お礼を言いつつもゆっくりと首を振った。
「大丈夫です。家でみんな待ってるし、早く帰らないと。」
「ごめんなさいね、真澄さまも本当は引っ越し祝いに行きたかっただろうけど、
 やっぱり難しいみたい。」
「大丈夫です。予想できてましたし。」
そう言ってにっこりと笑うマヤの顔に曇りはない。
1月から始まった『紅天女』公演も先月末でロングランの幕をおろし、
一躍大女優への階段を駆け上がりつつあるマヤだが、
演技をしていない彼女はまだ若干21歳の女の子、巷ではまだ学生でもおかしくない年齢だ。
「これから楽しみね。」
「・・・・はい!」
マヤは早くもこれから先の事を考えてどきどきが止まらずにいた。
紅天女・・・あの役との一体感は、正直これまでのどの演劇とも違う圧倒的なパワーを持っていた。
自らの人生を重ね、すべての経験を糧にしてやっとなんとなくながら紅天女を再現できた。
しかし終わってなお、マヤには次はもっとこういった表現ができるのではないか、と
心に浮かんでは消えるのだ。
「今後のスケジュールに関してだけど、来週には新しいマネージャーを紹介できると思うから、
 細かいことはその人から聞いてもらえればいいと思うわ。」
「そうか・・、まえは水城さんがマネージャーをしてくれたけど、
 これからは別の人が付いてくれるんですね」
顔に若干の不安感を見せながらも、以前よりずっと大人になった少女は落ち着いて
水城の申し送りに耳を傾ける。
「そうね、できれば私も真澄さまなんかよりマヤちゃんと一緒に仕事をできた方が
 ずっと楽しくやれると思ってるわ。」
真澄と紫織の破談から数か月、ビジネス的な面は徐々に落ち着いてきてはいるが、
まだまだやるべき事は山のようにある。
「速水さんもお仕事大変ですよねーー、私、もっともっと大人にならなくちゃ」
マヤの新居マンション地下駐車場にすうっと車を入れた水城は、小さくこぶしを握り締めて
気合を入れるマヤの姿をほほえましく見つめた。
"さびしい思いをさせるのは、真澄さまもつらいと思うけど・・・"
「あ、そうだマヤちゃん。」
車を出たマヤの背中に、水城が声をかけた。
「このマンションについて、もう一つ。」
「はい?」
「あなたの部屋は、エレベーターでは最上階表示されると思うけど、実はその上にもう一つ
 フロアがあります。
 このマンション自体、大都で管理しているものだけど一番上のワンフロアはそのまま大都芸能が
 使用しているの。
 といっても今は主に倉庫的な使い方だけどね(今は・・・)」
「はい。」
「最上階へは専用エレベーターを使って限られた人間しか行くことは出来ないけれど、
 最上階から1階下へは内階段で移動可能です。」
「はい・・・・」
まるでゲームのダンジョンのような説明に、あまりそういった所に明るくないマヤは
既に意図を見失いかけていた。
「あなたの部屋の鍵はあなたと、そして新しく付くマネージャー、そして・・・・」
社長が管理します、という水城の言葉に、マヤはようやくその意味を理解しかける。
「それは・・・・つまり・・・」
「そう。分かってると思うけど、正式に婚約解消したとはいえ、まだ日も浅いうちに
 あなたと真澄さまの関係が表沙汰になるのは、なによりあなたにとってダメージが大きいの。
 (実際そうなんだけど)よもや真澄さまの婚約破棄の原因があなた・・なんて噂がたったら
 清純な紅天女のイメージも台無し、なによりあなたのこれからの仕事の幅にも影響が
 出てくるわ。」
しばらくはこそこそ隠れるようでいやだろうけど・・・と水城はやや同情をこめた目線をマヤに向けながら
「あなたに舞台を降りたところで演技しろっていっても無理だと思うから、とりあえず
 来週のパーティーで真澄さまと顔を合わせても、あまり顔を赤くしすぎなければこれまで通りで
 大丈夫。但し今あなたの部屋にいる人たちには固く口止めをしておいてね。」
信用はしているけど・・・という水城の言葉に、
マヤは強くうなずいた。
「大丈夫ですっ!麗やほかの劇団のメンバーなら・・・・しっかり言っておきます。」
そう言いながらマヤは、自分は本当に周囲の人の支えがなくては生きられないのだということを
痛感した。
じゃあ、と駐車場のエレベーターに走って向かうマヤの背中を見送りながら、
水城はなんとなく心配な気持ちを抱いていた。
"あの人たち、ちゃんと言葉で気持ちを伝えられるかしら・・・・
せっかく思いが通じ合ったのに、また変に相手の気持ちを気にしすぎて
すれ違わなければいいのだけれど・・・・。"

一方その頃・・・
"信頼できる仲間ですからっ!!"
水城に対してそう胸を張ったものの、
部屋に戻って、堀田の裸踊りに盛り上がる様子を目の当たりにしたマヤは
早くもその言葉に自信を失いかけていた。

ep第12話←                  →ep第14話
~~~~解説・言い訳~~~~~~~~
私の大好物、周囲の人が噂話で盛り上がる編でした。
が、これするとほぼ会話の応酬になって、長い割にストーリーは
進まないのね、ということに気づき、途中で切っちゃいました。
誰かの視点に切り替えて観察してもらうスタイルに変えようかな・・・・。
時制は4月初旬。
3月末で紅天女公演が終わって大都に正式所属したマヤは
お引越ししました。
今回真澄さんお休み。次回は紅天女祝賀会に出てきてくれるかな~。

それにしても、芸能人の恋愛って大変ですね。
リアル世界で翻弄される人たちを見ていると、本当に同情します。
関係ない話ですが、私昔、「冬ソナ」からのヨン様ブームにがっつり
乗っかってまして、今でも名残のヨン様グッズが机周りにあるのですが、
この前婚約発表しましたよね。
リアルタイムであの時にこのニュース目にしたら、本当にショックを受けたと
思うんです。
時が解決してくれたというか、2015年の今だから比較的穏やかな気持ちで
ニュースを受け入れましたが、それでも二人の2ショット写真が公開されたのみて、
やっぱりざわ・・・ざわ・・・するものが。

私はやっぱり女優として、マヤちゃんには万人に愛される存在として
いつまでも輝いていて欲しいので、出来る限りスキャンダルには巻き込まれて
欲しくない・・・。(巻き込まれた方が話は盛り上がると思うのですが)
なのでこのフィクションも、基本抑揚のない日常記録に終始すると思います。
これからも。
もう二人に傷つけあって欲しくないのよ~~~~~(笑)

この話まで、若干下書きを進めていた部分なので比較的スムーズにUpできましたが、
これからはまっさらぴんで書いていくことになるので、のんびり更新ですね、きっと。
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金田一耕助シリーズ

2015-05-20 16:49:45 | 金田一耕助

朝日新聞出版の「横溝正史&金田一耕助シリーズDVDコレクション』を
定期購読してまして、
2週に1巻届けられるDVDに合わせて原作を読んでます。

これまでどっちかというとお孫さんの方の漫画ばっかり
読んでましたが、やっぱさすがじっちゃん、読みやすくて面白い。
何度も映像化されるのも分かります。

てなわけで、いろいろ感想とかまとめたくなりました。
下記原作リスト、リンクがあるやつは感想書いてますね。

<長編>
本陣殺人事件
獄門島
夜歩く
八つ墓村
犬神家の一族
迷路荘の惨劇
悪魔が来りて笛を吹く
女王蜂
不死蝶
迷路の花嫁
吸血蛾
幽霊男
三つ首塔
悪魔の手毬歌
スペードの女王
扉の影の女
魔女の暦
壺中美人
死神の矢
悪魔の寵児
悪魔の百唇譜
仮面舞踏会
白と黒
夜の黒豹
悪霊島
病院坂の首縊りの家