(み)生活

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ep第51話【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2021-11-16 15:18:09 | ガラスの・・・Fiction

ep第50話←        →ep第52話
********************
「....眠ったのか?」
「....いいえ、寝てません。聴いてるから、もう一回。」

イギリス郊外の森の中、こどもの秘密基地のようなこの場所は
鳥のさえずりや木々のざわめきだけかBGMの世界
ひときわ大きな幹の上にこしらえられたツリーハウスは
まるで大きな巣箱のようにひっそりと、日差しの間隙の
ような涼しさ、その小さな空間でマヤはゆったりと
真澄の胸に身をもたせ掛けていた。

「睡眠不足は俺のせいかな?」
「え?あ、いえ、そんなことは。昨日はちょっとびっくりしましたけど」
過労をおしての渡航と、久しぶりにマヤに会えるという安心感で
不覚にも記憶を失い倒れこんでしまった真澄だったが
「君の看病を受けるのは、これで何度目だ?」
「え??」
「・・ふ、いやなんでもない。」

あれはいつだったろう。
遠い昔のような、つい最近のことのような
暴漢に襲われるマヤをかばって負った傷
朝まで寝ずに看病してくれたのがマヤだと知った時の驚き
そして、
「君の気持ちがもしかして・・・と思った時の高揚・・」
「え?何か言いました?」
「あ、いやなんでもない。続きを読もうか。」
まるで子供に読み聞かせをするように、腕の中に
マヤを囲って真澄が手にしている本は、
今回撮影中の映画『スヴァンスタイン荘の住人』を
元にした絵本、その原版だ。
「それにしてもマヤ、英語は理解できているのか?」
「・・・・いいえ。でもお話は知っていますし、
 速水さんの英語、なんだか響きが好きなんです」
耳からだけでなく、そっともたせ掛けた真澄の胸から響く
その鼓動も、マヤの全身を安心感で包み込む。
「でも、いつも仕事で話している時とは違う感じがします」
「・・・ん、ああ。確かに普段の商談相手はアメリカ人が
多いからな。こちらの発音とは異なるが。さすがだな」
言語としての英語はちんぷんかんぷんだが、音として
奏でられる英語はダイレクトにマヤの五感を刺激し
吸収されているようだ。
「何言っているかは分からないけど、何を言いたいのかは
 なんとなく伝わってきます」
喜怒哀楽、それはマヤが言葉を超えて表現してきた
人間の感情の本質
「確かに、エイカーさんとの意思疎通はできているようだったな」
「ふふふ。そうですね、速水さんの話す言葉は
 こちらのスタッフさんの話し方に似ているかも、でも
 エイカーさんに一番近いかな、ダントツで」
その後もあの照明の人は機嫌がいいとこういう話し方になるとか
麗がまた女性に声を掛けられていたなどといった
イギリスでの出来事を話しながら、二人だけの時間を
こうしてゆったりと過ごすのは一体いつぶりだろうと
思いをはせる。

「こうしていると、いろいろ思い出します」
「・・・・」
「あの日、冷えた体を温めてくれた時、自分の気持ちに気づいたから」
「ああ・・。あの日は俺も自分の進むべき道、
 進みたい道との間でもがいていたな」
「こうしているのが今も不思議です」
豊かな黒髪に優しく指を通しながら、真澄は
この胸に抱いた小さくも愛おしい宝物と、
二度と叶わないとあきらめていた自身の幸せを
かみしめていた。

かつてこの町で過ごしていた頃、
真澄に希望という言葉は存在しなかった。
人を信じるということは選択肢から消え、
ただ己の力だけが、己が力をつけることだけが
唯一であると信じ、生きていた。


「理屈じゃないんです。私、速水さんと一緒にいると
 安心するし、ドキドキするし、でもなんだか自分が一番
 自分らしくいる気がするんです。
 演じることも大好きだし、いろんな人の人生を
 歩むことができる女優というお仕事、本当に楽しくて幸せです。
 でも、こうして誰でもない、ただのつまらない女の子な
 北島マヤでいられることが、本当にすばらしいことなんだって、
 そのことに気づかせてくれた、
 それを叶えてくれたのが速水さん。あなたなんです」


いつの間にか読むことを放置された絵本は
だらりと所在なさげに真澄の片手に置かれ、
代わりに真澄は優しくも力強くマヤの体を抱きしめていた。

-- 君は時に恐ろしいほど大胆にまっすぐに
 予想外の動きと言葉で俺を惑わせる --

「・・・なあ、マヤ。一つお願いを聞いてくれないか」
「え?」
「・・・・名前で呼んでくれないか。」
「は?はや・・」
「・・・・俺の名前は知ってるか?」
「・・・・知ってます、、よ」
見えないマヤの顔が真っ赤に染まっていることを
想像するだけで、真澄の顔がほころぶ。
「くっくっく。いや、失礼。急に変えろと言われても困るな」

徐々にでいい。
君に速水さんと呼ばれるのも嫌いじゃない。




「おやおや、二人ともぐっすりと・・・」
木漏れ日がスポットライトのように差し込む中、
いつの間にか眠るマヤと真澄の寝顔はどこまでも柔らかく
警戒心を知らない安心感で満たされていた。



************

「本当に楽しかったよ。マヤ」
「ううん、こっちこそ。久しぶりに麗と一緒に
 お芝居できてうれしかった。」

撮影を終え帰国するマヤは、見送りに来てくれた
麗と共に空港に立っていた。

「それにしてもびっくりしたな。途中のインターバルから
 帰ってきたマヤがあんなに英語が流暢になっているなんて」
「流暢って・・・、決まっているセリフを言っただけで」
全然話せないんだけどね、といって笑うマヤ、しかし
麗をしても驚くほど、マヤの英語は本場のイギリス人も
気づかないほど、現地の発音に近いものになっていた。
「いったいどれだけマンツーマンレッスンを受けたら・・」
「ん?」
「いや。とにかく、本当に良かった・・・」
顔にかかる金髪を無造作にかきあげるしぐさはまるで
絵画のようで、マヤは少し憧れにも似た表情で麗を見上げた。
「マヤとこうして共演できたこと、そしてになにより、
 君が以前よりずっと輝いていることが分かった事」
本当に、幸せなんだね、そういうと麗はおもむろにマヤを
ぎゅっと抱きしめた。
「私の方こそ!
 イギリスに行っちゃった麗と再会できるだけでも
 楽しみだったのに、こうして一緒の作品に出られるなんて
 うれしくてうれしくて・・・」
いつの間にかマヤの声は涙でかすれ、麗の上着をびしょびしょに
濡らす。
「んも~まったく、泣き虫なのは変わらないんだね~マヤは。
 少しは大人になったかと、安心してたのにこれじゃ・・・」
まだまだ気にかかる妹、だな。
そう言って強く、優しくマヤの頭をポンポンと撫でた。
「日本に戻ったらすぐに紅天女がスタートするんだろ」

かつて、自らもあこがれた紅天女
全国から集められた類まれなる才能の卵たち
その中でもひと際異彩を、そして圧倒的存在感を放っていた

北島マヤ

少し悔しい気持ちもあるけれど、こうして今も演劇に
情熱を燃やし続けられる自分が居るのもその存在があってこそ
天に愛されたその才能を、今なら素直に認める事ができる
"だからといって、あきらめたわけじゃない"
自分には自分にしか表現できない世界がある
この世には、マヤよりも自分を求めてくれる人だっている

"才能はひとつだけじゃない"
"努力だけは、万人に与えられた才能だ"

「私は私らしくこれからも演技を磨いていく、そして
 またマヤと共演できるように努力するよ」
だから、マヤはマヤらしく、その才能を花開かせ続けてくれ


ゲートの向こう側に消えていくマヤの姿を見ていると、
麗は自分の上着に残った、マヤの香りを感じた。
「マヤのぬくもりが、残ってる・・・」
それは、演劇への飽くなき情熱
麗はぎゅっと、その体を抱きしめた。






******
「おかえりなさい、マヤちゃん。疲れたでしょう」
空港に迎えに来てくれた大原マネージャーの車に乗ると
「ううん、飛行機の中でたくさん映画が観れたの!」
と時差をものともしない明るさでマヤは答えた。
「ふふふ、だと思った。でもまあ無理しないで。
 それに家に着いたらびっくりするかもよ」
「え?なに?」
「おおっと、これはまだ言っちゃいけないんだった。
 私もよく知らないんだけど、速水社長がなにやら
 素敵な物が届いたから飾って・・・・ってマヤちゃん?」
いつの間にか後部座席のマヤからはスース―と
寝息が漏れていた。
「・・・・・お疲れ様でした。マヤちゃん。
 ゆっくり休んでね」

信号待ちのタイミングで、大原はそっとマヤに
ブランケットをかけた。




「・・・・素晴らしいですわね、真澄様」
「そうだな。それにしても一体いつの間に・・・」
「フフ、でもしっかりと分かりますわね、これがマヤちゃん、そして
 こちらが・・・真澄様」
アンティークな額に縁取られた一枚の絵画
その絵の中はしばしの安らぎを過ごした、あのイギリスの
森が描かれていた。


「それにしても、あの有名な作家、ジョージ・エイカーと
 その妻にして絵本画家のジェニファー・エイカーの家に
 ホームステイしていただなんて、さすが速水家ですわね」
「ふむ。まあでもすでにエイカー夫人は引退して、気が向いた時にしか
 絵は描かないと、全てのオファーを断っていたらしいが」
「そんな巨匠に思わず筆を取らせるなんて・・・いったいどれほど」
幸せそうな顔をしていたのか、水城には想像ができる気がした。

「マヤが見たらきっとびっくりするだろうな・・・なんといっても」

スヴァンスタイン荘の住人=おそろし荘の住人の作者自身が
描いた絵だからな・・・・




その森の中には、
この上もなく優しい表情で顔を寄せながら眠る
二人の男女がそっと描かれていた・・・




「もうすぐマヤの飛行機が到着する頃だな」
この絵を一体どこに飾ろうか
この絵をみたマヤは一体どんな顔をするだろうか

きっとそんなことを考えているのだろう、
絵の中の自分と同じ表情を浮かべる真澄を見ながら
水城はそんな風に思った。







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~~~~解説・言い訳~~~~~~~~

とりあえず、とりあえずですね、イギリス編は終わりました。
もっと書きたかった気もするけど、そうするとまた
ずるずる更新が伸びそうで。

あと、結局PCで書くことも変わらずで。。


でもなんとか書けて良かった、うれしいです。
~~~~~




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