(み)生活

ネットで調べてもいまいち自分にフィットしないあんなこと、こんなこと
浅く広く掘っていったらいろいろ出てきました

( ´艸`)☆更新履歴☆(´~`ヾ)

(ガラスの・Fiction)49巻以降の話、想像してみた*INDEX (2019.9.23)・・記事はこちら ※ep第50話更新※
(ガラスの・INDEX)文庫版『ガラスの仮面』あらすじ*INDEX (2015.03.04)・・記事はこちら ※文庫版27巻更新※
(美味しん)美味しんぼ全巻一気読み (2014.10.05)・・記事はこちら ※05巻更新※
(孤独の)孤独のグルメマップ (2019.01.18)・・記事はこちら ※2018年大晦日SP更新完了※

(・Θ・)★せめて一言だけでも毎日更新★ (´∩ω∩`*)

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最近の事など

2018-03-19 13:19:26 | 雑談

特にガラスの仮面Fictionに関して、大変ご無沙汰しております。
遅くなりましたが、本日2話まとめてUPしております。
もしよければ Fiction・INDEX まで・・・。(47・48話更新)


さて、最近の事ですがまず、急きょ思い立って舞台挨拶付き映画鑑賞に
行ってきました。

『花は咲くか』

先月公開なので、おいおいその頃書けよという宣伝効果ゼロの状況ですが
こちら、原作読んでいたのですが映画化になっていたと知らず、
ネットニュースでたまたま見つけて調べたらちょうど公開直前だったってのもあり
思い立ったが吉日で行ってまいりました。
いわゆるマイルドBL(←こんな表現あんのか)ですが
劇中にそういった生々しいシーンはほとんどなく、主に心象風景を
描いている映画かな~といった感じで、初心者としてはありがたかったです
(それでもキスシーンは直視するのに緊張しましたが・・・)
原作ではもうちょっと突っ込んだ表現も多いですけど。

コレステロールが上がるほどに年を重ねた(※根に持っている)私は
年々性差に関係なく人間力を重視するようになってきましたので
ももクロ流れとはいえ、NHKの『女子的生活』も楽しんで拝見しました。

さて、それはさておき、久しぶりに恋愛映画を見たおかげで
心のなかでカスッカスになっておりましたトキメキスイッチが少し入りまして
活字渇望もわいてきました。

なんだか頭を使わず感覚的に文字にたゆたいたい。
そんな気分でKindle先生が進めるままに恋愛小説を読んでました。
と、いいながらKindle先生、全然直球ど真ん中の恋愛モノを薦めて
下さいません。

『それを愛とは呼ばず』桜木紫乃
『夜の果てまで』盛田隆二
『いつか、虹の向こうへ』伊岡瞬
『恋愛仮免中』奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里
『沖で待つ』絲山秋子

やっぱ本はいいな~と思いました。
読後ずし~~ん系は苦手なので(はまり込むと現世に戻るのに
時間がかかるため)ふわっとした作品を読みたかったのですが
どれもとても読みやすかったです。

個人的には『沖で待つ』に収録されていた『勤労感謝の日』という
話がツボでした。まるで自分の脳内が活字になっているかのよう。


これからも引き続き、なんか読んでいこうと思っています。


で、そんな流れで、私が小学生の時からずーーーーーーっと
読んでいる大好きなシリーズがあります。
内田康夫さんの『浅見光彦』シリーズなのですが、
先日、作者の内田さんがお亡くなりになったという訃報を
目にしました。

私が男は33歳と言っていたのも
ゼミ担当でもない大学教授のソアラの助手席に無理やり乗せてもらったのも
上京して悩むことなく北区に住んだのも
原作片手に舞台を旅したのも

全部浅見光彦きっかけです。

ファンクラブにも入っていましたし、ドラマの撮影見学に
言ったこともありました。


体調がすぐれないということも、休筆されていることも
知っていましたが
こうして訃報を聞くと改めて、とても残念であり悲しくもあり
お疲れ様でしたであり、本当にありがとうございましたという
いろいろな気持ちがあふれてきます。

浅見光彦シリーズは、何度も読めるから好きです。
謎解きだけでない人間模様がキラキラしていて大好きです。
だからドラマも好きだし、いろんな人のいろんな浅見光彦が
好きです。


内田センセ、本当にありがとうございました!
これからも永遠の33歳を楽しんでいきたいなと
思っています。



仕事において最近業務内容が増えまして、
効率化を図ったらすごく効率的になりすぎて
なんだか前より暇な時間が増えたという
いいんだか悪いんだか分からない状況ですが
これからも(食生活に注意しつつ!!)
本を読んだり、
フィクション書いたり

していきたいです!がんばります!



ep第48話【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2018-03-19 13:00:57 | ガラスの・・・Fiction
ep第47話←                  →ep第49話
********************
愛都にとって地獄のような5月も下旬となり、
いよいよ舞台初日まであと一週間と迫ってきた。
例年より早くおとずれそうなジメジメとした梅雨空が
広がっている。

舞台『NATASHA』

北島マヤが露出度の高い衣装とセクシーなダンスを
披露することでも話題の本舞台、
マヤ演じるナターシャの子供時代を演じる子役
松多愛都は、今だ不調に悩まされていた。

里美茂を意識して演技ができないーーー

当初こそ、棒立ちのような状態で周囲を心配させていたが
そこは芸歴=年齢の経験を生かして、なんとか
平静をつくろって演技していた。

"本番では、私のシーンに里美さんはいないし・・・きっと大丈夫"
この不調の原因が"恋"であることは明白だったが
愛都は自身が最も忌み嫌う恋愛にうつつを抜かして
演技に集中できない自分を認めることなどできなかった。
"私は里美さんに恋してなんかいない。ただ、助けてもらって
 感謝しているだけ・・・"
その時、目の前から里美とマヤが楽しそうに話をしながら歩いてきた。
「あ」
「あ!愛都ちゃん、お疲れ様。」
こちらの気持ちなど知る由もなく、北島マヤはいつものように
屈託のない笑顔を向けてくる。
今の愛都には苦痛でしかなかった。
「おはようございます。今日も仲がいいんですね、お二人は」
言わなくてもいいことを言っている自覚はあるが止められない。
「あいとちゃ・・」
「失礼しますっ・・・」
タオルを握りしめ、愛都は足早に舞台へと向かった。

"・・・・まあ、こんなもんだろう"
及第点を出す演出家が心中そう思っているのだろうことは
分かってはいたが、今の愛都はそれが精いっぱいという
状態だった。
「じゃあ、子供NATASHAのシーンはこんな感じで」
演出家の声を聞きながら、足早に舞台を後にしようとした
愛都の背中に、落ち着きながらも刺すような声が響いてきた。
「本当に今のでいいのですか?」
「?」
振り向いて見つめる先には、背が高く美しい、それでいて
どこまでも冷たい男の姿があった。
「このNATASHAが本当に成長してあのNATASHAになると
 観客は思えるでしょうか」
「は、速水社長・・・」
決して大きな声ではないはずなのに、その低く響く声は
一言一句こぼれずに愛都に突き刺さった。
「こんな子供時代なら、マヤにやらせたほうがいい」
最後の言葉が終わるか終らないかのうちに
愛都はその場から逃げるように走り去っていた。


****
急に、降り注ぐ雨が遮られた。
雨なのか涙なのかわからないぐらい濡れた顔を上げると
そこには背の高い男が立っていた。
「・・・・」
「舞台初日目前に、傘もささずに外に出るとは
 体調管理も大事な仕事だぞ」
風邪でも引いたらどうするんだ、と冷徹な顔のまま
愛都を見下ろす男はまぎれもなく先ほどの言葉を発した人物だ。
「・・・すみません。すぐに戻ります、大都芸能の速水社長。」
ペコリと頭を下げてそのまま稽古場に戻ろうとする愛都の腕が
ぐっと速水につかまれた。
「そんな恰好で戻ったら、みんなびっくりするだろう。」
とりあえず少し落ち着いてからにしたらどうだ、そういうと
いかにも高そうなスーツのジャケットを愛都の頭からすっぽりとかけた。
「5月とはいえ、雨はまだ冷たい」
屋根のあるベンチを見つけるとそこに誘導し
そつのない動きで、気付けば愛都の手には温かいミルクティーの
缶が握らされていた。
「・・・・すみません。」
「気にすることはない。」
まるで仕事だといわんばかりの冷たい口調、しかしいったん口にしかけた
タバコをそのまま吸わずに戻したのはきっと、未成年の愛都への配慮
なのだろう。
"冷血漢の仕事の鬼、敵に回すと恐ろしいといわれる速水社長"
"女優北島マヤをここまで育て上げた人物"
愛都の横には座らず、柱にもたれかかるように立っていた速水は
何か問いかけて来ることもなく、
ただ、愛都が落ち着くのを待っているようだ。
「・・・・・ですか?」
「ん?」
「・・・北島さんと里美さん、昔付き合ってたって本当ですか?」
一瞬、シャンパングラスでも割りそうな殺気を見せた速水だったが
すぐに先ほどまでの冷静な作り笑顔に戻った。
「君が芸能界のゴシップに興味があるとは意外だな。まあそれなりの年頃か」
「そんなんじゃありません!」
バカにされたようであわてて言い返したものの、興味があるからこそ
質問したのは明白で、言い訳のしようもない。
「・・・・・俺が知っているのは
 二人がドラマで共演したこと、
 記者たちの前で"初恋宣言"をしたこと、それぐらいだ」
遠い昔の話だが、という速水の顔に嘘はなさそうだ。
もっともこの百戦錬磨の鬼社長の本音など、たかが13歳の自分に
分かるはずもないのだが。
「・・・あの噂は」
降りしきる雨の音、時折遠くからクラクションが聞こえるくらいの
静けさと、ほかに誰もいない雰囲気がそうさせたのか、
愛都は通常ならば誰も聞けないような質問を当の本人にぶつけた。
大河ドラマ途中降板、舞台初日すっぽかし、その言葉を聞いた速水は
とたんに何かとてつもなく物憂げなものを瞳に奥に漂わせる。
「大都芸能だから、うまく事を大きくせずに済ませたんですよね。
 さすが大手事務所。北島さんは守られてますね。」
昔も今も・・・・その言葉は身を切るような速水の鋭い視線に遮られる。
「・・・守られてなどいないさ、むしろ・・・」
という速水の目は怒っているような、苦しんでいるような
今までに見たことのない複雑な感情を内包していた。

「人を好きになったのは初めてか?」
「え?」
不意打ちの質問に戸惑う。
「気になっているんだろう?里美茂のことが」
それで舞台に集中できずにいる・・・
あわてて否定しようとするが、いかにもそうに決まっていると
言わんばかりの速水の様子に言葉が続かない。
「・・・・女優失格ですよね
 私情に影響されて演技ができなくなるなんて。」
「まあな。しかし」
女優として、決して悪いこととは限らない
「芸の肥やし、というのはいささか時代遅れだが、
 恋する気持ちを知らないよりは知っていたほうが
 演技の幅が広がるだろう」
「そうでしょうか?」
"先ほど私の演技を見ていたでしょう・・・
それでそんなこと、言えますか?"

「彼女の母親が直前に亡くなったことは知っているか」
「はい。」
「彼女は母一人子一人で育った。演劇の道を進むため、
 たった一人の母親を捨てて、東京に出てきたんだ。
 その後母親は病気で視力を失い山中の療養所にいたのだが
 娘会いたさにそこを抜け出し、交通事故に遭って亡くなった」
本来ならば、女優として成功し、生き別れた母と再会する直前に・・・

「原因を作ったのは、俺だ。」
「え?」
「俺が、母親を療養所に軟禁し、一番いいタイミングで母娘再会の
 演出をするために情報を遮断した。その結果、母親はそこを逃げ
 死んだんだ」
冷たくも美しい顔で、何よりも冷酷なことを淡々と話す速水の顔から
愛都は目を離すことができない。
「すべて、当時所属事務所の社長である俺が、大都芸能の速水真澄が指示をした」
言葉を発することができない愛都に
速水はこれまでで鋭利な視線を向けてきた。
「わかるか?自分が演技の道に進んだせいで母親を亡くした、しかも
 曲がりなりにも所属する事務所の社長に殺されたんだ」
「そのことを・・・・北島さんは」
「知ってたさ」
だから、行方をくらませたんだ・・・
「・・・・だがな、それでもあの子は帰ってきた。演劇の世界、この
 虹の世界に」
そういう速水の顔は、もはや愛都ではなく、遠い昔のことを
見ているようだった。

「演じることができなくなった彼女は、再び自分自身で
 演じることの喜びをつかみ直し、そして全てをぶつけて
 演じることができる場所へ戻ってきたんだ。」
その時見せた速水のなんともいえない優しさと慈愛にみちた微笑みを
愛都は忘れることができなかった。
"この人に、こんな顔をさせるなんて・・・"
女優北島マヤの存在が、自分が思っているよりずっと
大きなものであることに、いまさらながら気づかされる。

ふいに速水が愛都の頭に手をやりくしゃくしゃと触れる。
「!?」
「少しはマシになったようだな。」
それが単に愛都の髪の毛が乾いているか確認していただけだと分かっても
愛都はこのつかみどころのない男の動きに緊張を覚える。
「そんな大事な話、どうして私に話してくれたんですか」
「・・・・さて、どうしてだろうな。」
そういってにやりと口元を上げた速水の目はすでに笑ってはいなかった。
「なんとなく・・・いや。なんでもない」
そういうと愛都から湿った上着と飲み終わった缶を
スマートに受け取った。
「そろそろ戻るか。」
「・・・はい。」
いつの間にかやんだ雨空にはうっすらと虹がかかっていた。


「速水社長!あ、愛都ちゃん!」
「外で見かけたので雑談に付き合ってもらっていたら
 遅くなってしまった。申し訳ない。」
愛都が勝手に飛び出してしまい、稽古の雰囲気を乱してしまったのに、
何気ない速水のフォローで、現場の愛都を取り巻く雰囲気は一気に変わった。
"速水社長って、噂よりずっとやさしい人かもしれない・・・"
湿った体をふくためにスタッフがタオル持ってきてくれたタオルに
くるまりながら、愛都はすでに遠く離れた速水の後姿をずっと見つめるのだった。

「は、速水社長!」
「?」
ゆっくりと振返った速水に
「私のNATASHA、楽しみにしていてください」
そういって微笑む愛都の顔は、いつものような勝気で自信にあふれたものだった。


****
舞台『NATASHA』上演
北島マヤの新境地!妖艶なダンスにコケティッシュな演技で観客を魅了!
元恋人里美茂との息もぴったり!観客を虜に!
松多愛都の完璧な演技!まるで第二の北島マヤ!!
違和感なく進む時系列に息つく暇もなく引き込まれる至福の体験
本場ブロードウェー監督も絶賛の舞台、早くも再演決定か!?



ep第47話←                  →ep第49話
~~~~解説・言い訳~~~~~~~~
やっと『NATASHA』編が終わりました。
この後裏『NATASHA』書いて一応終わり。
最近更新をあけることが多かったので
とりあえず話の区切りがいい所まで
あげようと思いました。

ということで、現段階でのストックは
全放出しております。
~~~~~

ep第47話【架空の話】49巻以降の話、想像してみた【勝手な話】

2018-03-19 12:58:23 | ガラスの・・・Fiction
ep第46話←                  →ep第48話
********************
5月も半ばを過ぎ、舞台「NATASHA」の舞台稽古もいよいよ熱を帯びていた。

"日本初上陸『NATASHA』の世界とは?"
"舞台『NATASHA』徹底解剖"
"『NATASHA』を演じる魅力的な俳優陣を一挙紹介!"

TV、WEB、雑誌、ありとあらゆる媒体を使った宣伝効果もあり
6月の舞台チケットは平日昼公演数回をわずかに残し
殆どの回が既にソールドアウトとなっている。
記者会見直後こそ、マヤと里美の過去のラブロマンスに
興味の矛先を向けるメディアはいたが、
その後は、舞台稽古の取材や積極的なキャストのTV出演など
徹底した情報公開作戦が功を奏し、驚くほど二人の過去を
気にする風潮は消えていた。
もっとも、裏では当然速水真澄の剛腕があったことはいうまでもないのだが。

「今の時代は、上から圧力で抑えることに限界がある」
それこそ昔であれば裏社会の力を使うこともいとわなかったであろう、そして
その手段が何より有効的に働いたであろう。
しかし時は流れた。
一億人が全員情報発信の拠点となりうるこの時代
旧態依然としたやり方に限界が来ていることに気付かず
大衆を敵に回した結果想定以上のダメージを食らうかつての大物も多い。
「力を使わない手もある、しかし力はなければ使えないからな」
世の中の目を過剰に気にしすぎて小さくなるつもりはない
いざという時はどんな汚い手でも行使するのにためらいはない
「何か不審な動きがあったらすぐに報告するように」
いつものように人目を避けた地下駐車場で聖からの報告を受けた真澄は
目を合わせることなく受取った封筒を小脇に抱えて車に戻った。

マヤ、そして里美を週刊誌記者が追っていることは気づいていた。
どんな些細な現場でも写真を撮られ、勝手にキャプションをつけられれば
一気に噂は加速する。
むしろ誰よりも確実な目撃者として、二人の間になんの
関係もないことを知らしめるために、真澄はあえてそれらを排除することなく
泳がせていた。
もちろん、マヤの日常生活は全てマネージャーの大原に完全に管理させ、
家と稽古場の往復には常に同行させている。
たまにある役者仲間との食事会は必ず複数人数で大衆的な店に限定し
そこに里美がいることもあればいないこともある。
完璧なまでの「普通」の演出に、週刊誌もスクープを取りあぐねているようだ。

その代わり・・・・・
ここしばらく真澄はホテル暮らしを続けている。
大都芸能所有の社宅マンションの存在は業界内では知られた話で
そこに社長として出入りする姿が見られても問題があるわけではない。
もっとも出入は完全に地下から、その姿を見られること自体が皆無なのだが。
念には念を、
自身のプライベートなど、マヤの演劇に賭ける情熱の肥やしになれば本望だ。
薄く開けた窓ガラスから、フーーと薄い煙を吐いた。


その頃稽古場ではーーーーーー

「今日初めて同じシーンの稽古だったんだけど・・・」
「どうなの?やっぱりさすが北島マヤって感じ?」
「うん・・・、それよりやっぱ里美さんよ!なんてさわやかでかっこいいんでしょう!」
「きゃ~~~、あなたそういえば里美さんと絡みあるわよね、うらやましい!!」
「えへへへへ。」
「でもどんな気分なんだろうね」
「そうよね、元カレと共演って・・・。そもそも
里美さんと北島さんってほんとにつきあってたの?」
「付き合ってたって言っても、北島さんは高校生の時だし、
 すぐに例のドタキャン事件で破局したんでしょ。」
「ドタキャン事件?」
「あ、そうか、あの事件は大都の力ですぐにお蔵入りになってたんだっけ」
里美と付き合っていた頃、北島マヤは母親を亡くし、
そのショックから付き合いのあった暴走族仲間と
姿をくらまし、結果主演舞台の初日に穴をあけたのだ、
当時その舞台に出演していた劇団の先輩女優から聞いたのだと
興奮気味に話をする。
「噂によるとその時彼女、飲酒もしてたらしいのよ。」
「え??当時ってまだ未成年でしょ。あんな純朴そうな顔して意外!」
「でしょ?でも、大河ドラマで里美さんと共演してる時も
 結構公私混同で演技に集中出来ないことがあったみたいで」
「そうだったんだ・・・・。ちょっと見る目変わっちゃうな~」
「でもさ、私ちょっとびっくりしちゃったんだけど、愛都ちゃんってすごいわよね」
「私も見た!小っちゃいころから演技力は有名だったけど、生で見てちょっと
 鳥肌立っちゃった!」
「正直、私あのまま愛都ちゃんの大人シーンも見てみたいな・・なんて」
「ちょっと!北島さんに失礼じゃない?」
「ゴメンゴメン。」
「さ、人の事より自分たちのことがんばりましょ!」

ケータリングルームから人の気配が去ったのを確認して
ゆっくりと松多愛都はロッカー室から出てきた。
「・・・信じられない」

物心つく頃には既に演技の仕事をしていた愛都にとって
北島マヤの子役というのはそれほどのプレッシャーではなかった。
周囲の人々はあの天才女優の子ども時代ということに
かなり興奮と緊張をしているようだったが、
勉強のためと見に行った『紅天女』も、確かに世界観はすばらしいもの
だったが、正直自分でもできるのではないかと思ったくらいだ。
"時代劇だから言葉が難しいってだけで、要は悲恋物でしょ"
有象無象の自称"役者”達とたくさんの共演経験を積んでいるだけに
確かに北島マヤがそこら辺の二流女優とは違うということは
稽古が始まってすぐに理解できた。
"確かにセリフも完璧、雰囲気もナターシャそのもの・・・って感じはするけど"
正直圧倒的なオーラを感じない、愛都はその点に微妙な気持ちを
抱くのだ。
"これだったら姫川亜弓さんと共演したかった・・・かもな"
随分と昔、テレビ局ですれ違っただけの姫川亜弓は
その圧倒的オーラが桁違いだった。
"あれぞまさしく、女優・・・・"
華やかさと確かな実力、松多愛都にとって姫川亜弓は
憧れでもあり目標でもある。
そんな姫川が唯一ライバルと認める北島マヤの才能を
愛都はまだ感じきれずにいた。
そんな時耳にした北島マヤ過去のスキャンダル。
“しかも事務所の力でそれを隠してなんて・・・・“
演技に対して潔癖なまでにストイックな愛都には理解できない世界だった。


***
「北島さん、このシーンのナターシャの気持ちってどんな感情なんでしょうか」
この前ロッカー室でマヤと里美の過去を聞いて以降、
愛都は執拗にマヤに役作りのことを尋ねていた。
「・・・・ええと。。そうね、きっと"もっと楽しい事はないかなーー!!"とか」
「だから北島さんはあんなに無邪気に楽しそうな演技なんですね。
 でも、あの時家族の事を思ったら、心のどこかにひっかかりのようなものが
 あると思うんですよね・・・、あ、私だったらですが。」
「そ、そうか。そうね、そういわれれば・・・」
「・・・・まあ、大人のナターシャは北島さんのものなので、
 子役の私がどう思おうが関係ないので気にしないでください」
淡々とした口調はいつもと変わらない、少なくとも周囲の大半の人間は
そう思っているだろう。
"個人的理由で仕事に穴を開ける人を私はプロと認めない"
ましてやそれが恋愛なんて浮かれた理由ならなおさらのこと。
"おまけに私とはナターシャの解釈が違いすぎる"
落ち着いた表情の裏には、ここ数日で急速に膨らむ
北島マヤへの不信感でいっぱいになっていた。

自分の出演するシーンは前半の数場、しかし女優として
たかが子役と流すつもりは毛頭ない。
今日も様々な解釈で演出家と意見を交わしながら
自分なりのナターシャを作り上げてきたつもりだ。
自分の演技で急遽他の部分の演出が変わったこともある。
しかしその過程で徐々に大人役を演じる北島マヤの演技との
つなぎ目の違和感が広がっている、愛都はそう感じているのだが
おかしなことに演出家もスタッフも誰も北島マヤにそのことを
忠告しようとしない。
"天下の紅天女女優、ただそれだけで?"
もしくはこれもまた大都の力によるものなのか。
“大きなものに守られてヌクヌクと演技するなんて
北島マヤもその程度の女優だったってことなのかしら・・・・“


「愛都ちゃん、マヤちゃんと何かあった?」
稽古終わり、着替えに向かう廊下で愛都を呼び止めたのは他でもない
里美茂だった。
「え?」
「・・・試してるでしょ、いろいろ。マヤちゃんに」
演出家も共演者も、誰も指摘しなかったことをよりにもよって里美に
言い当てられたことに愛都は驚きを感じた。
「・・・・別に。ただ、自分の演じるナターシャを理解したかったからです。」
「ふぅ~ん。そっか・・・」
言葉とは裏腹に、その目は愛都の返事に納得した様子はない。
「甘く見ないほうがいいよ」
「・・・甘くなんて」
「思ってたほどじゃない、みんながいうほどじゃないって、マヤちゃんのこと思ってるでしょ」
そう思って舞台上でコテンパンにされた俳優を、山ほど見てきたよ、と
壁にひじをついて寄りかかりながら微笑む里美の表情と言葉の厳しさのギャップに
愛都は息をのんだ。
「マヤちゃんはヘタなんだよ」
「・・・そんなこと」
「演技が、じゃなくて言葉にするのが。」
自分がどうやってその役をつかんでいるのか、どういう意図でこのシーンこの表情を
するのか、説明するのがヘタなんだ。
「何が正解なんてわからない。君の演技は確かにすばらしいし、みんなが言うように
 何十年に一人の逸材だと思う。何よりまじめだし。」
だけどね・・・そういって里美は愛都の顔を改めてまっすぐに見つめた。
「君のナターシャには恋できないよ。マーレー(僕)は」


***
『君のナターシャーには恋できない』
里美から言われた言葉が愛都の頭から離れない。
"やっぱり里美さん、北島さんのことが・・・・好きだから、だからきっと"
里美が共演者としてマヤの才能を評価しての発言だと、これまでなら
落ち着いて解釈できただろうことを、今の愛都は素直にそうとらえることができずにいた。
"もしかしたら二人は今も・・・"
そう考えるだけで愛都の集中力がとぎれそうになる。

"だめだ、こんなんじゃ。もっと集中しないと"
自分のシーンの稽古が終わり、舞台を降りながら愛都は
タオルで汗を拭くふりをしてギュッと目を閉じた。
いつもならすぐに客席側に回ってマヤの稽古を食い入るように見る愛都だが
今日に限ってうつむきがちに控室に向かう。 

その時ーーーーー

「危ない!!」
誰かの叫び声に振り向いた次の瞬間には、目の前が真っ暗になっていた。
柔らかく、でもしっかりと包み込まれるような感触と共に床に倒れ込む。

「さ、里美さん!愛都ちゃん!」
「大丈夫??」
「・・・・だいじょう・・・イテテテ」
「里美さん!血が!!」
「すぐに救急車だ!!!」

周辺が一気に殺気立つ中、里美茂は冷静に
「だ、大丈夫です。自分で病院に行けますから」
と答え、それまで胸の中に抱いていた愛都をようやく解放した。
「愛都ちゃん、大丈夫?けがはない?」
やや顔をゆがめながら、それでもいつものように優しい笑顔で
話しかけてくる里美は、右手を抑えている。
「・・・大丈夫、、、です。」
自分の身に降りかかった事態を飲み込めない愛都は
とりあえず自身の体に何の問題もないことを確認してそう答えた。
「よかった。。」
愛都ちゃんに別状がないか、しっかり確認してあげてね、
そう言い残すと里美はゆっくりと手を抱えたまま立ち上がり
すぐにマネージャーとおぼしき男性数名に抱えられるように
稽古場を後にした。

その後スタッフから、作業員が誤って落とした工具が愛都の頭に
当りそうになったのに気付いた里美が
右手でその工具を受けながら抱えるようにして
愛都をかばったのだということ、
病院での診察の結果、里美の手は骨にひびが入った程度で
大きな怪我には至らなかったこと、そして
もし里美がかばっていなかったら愛都の頭への直撃は避けられなかっただろう
ということを聞かされた。
"里美さん・・・・!"
すぐにでもお見舞いに行きたいとマネージャーに訴えたが
特に入院したわけでもなく、すぐに復帰するからとなだめられ
ようやく愛都も納得した。
"里美さんが復帰したら、すぐにお礼を言わなきゃ"
それからの数日は、里美になんといって謝ったらいいか、
何かお見舞いを渡せるものはないか、そればかりを考えていた。

そしてようやく里美が稽古場に復帰する。
「ただいま~~~!マーレー復活!」
いつものように太陽のような明るい笑顔と、おどけたようなポーズで
稽古場に入ってきた里美を、共演者もみな笑顔と拍手で迎える。
"よかった、里美さん元気そう・・・"
みんなと一緒になんとなく拍手をしながら、愛都の目には涙がにじんでいた。
「・・・あ!よう!元気だったか?」
人の輪のなかから愛都を見つけ出した里美が笑顔で向かってくる。
「特に傷もついてないって聞いて、安心したよ」
そういってポンポンと愛都の頭をなでる手は、利き手でないせいか
少しぎこちない。
"・・・・あったかい。里美さんの手"
里美の手の感触を思い出しながら、稽古が再開された。
"よし、里美さんが見てるんだ!頑張らなきゃ!"
勢いよく舞台に上がった愛都だったが・・・・・

「・・・・・」
「・・・・・??」
「・・・・・どうした?」

進むごとに周囲のざわめきが大きくなる。

「・・・・あれ。」
(どうしちゃったんだろう・・・)
「・・・・・で、・・・・・」
(なんだかおかしい、わたし・・・・)

舞台袖に立つ里美を認識するだけで、
愛都は演技に集中できなくなっていたのだ。

"私、里美さんが気になって演技ができない・・・・"



ep第46話←                  →ep第48話
~~~~解説・言い訳~~~~~~~~
現代っ子愛都ちゃん、演技の才能とストイックさは
まさに亜弓さんとマヤを足して2で割ったような
天才子役、ちょっとクールで冷めた目をしています。

若さゆえの自信と、割り切った考え方で
マヤと対照的ですが、マヤがスロースターターなのは
読者にはもうおなじみなのよ!愛都ちゃん!!
~~~~~


体質改善日記:食事編2018

2018-03-09 16:19:04 | カロリー日記

思い起こせば1年前、健康診断でひっかかったからといって
カロリーに気を付けた生活はします!!という記事を上げました。

時は過ぎ、今年も健康診断の季節がやってまいりました。


結果・・・・・・



F!!!!!


Fって何?赤色になってるんですけど・・・・。


F:治療が必要です



が~~ん。


引っかかったのはコレステロールです。
この一年、摂取カロリーには気を付けてきましたが
若干自覚ありの偏った食生活が影響したのか、
総コレステロール値
LDLコレステロール値
ともに最高値を更新!!!!


若干キレましたが、仕方ない。
こうなったら本気で食事療法に取り掛かります。

というわけで、出来る限りの動物性脂肪摂取を排除すること
洋菓子は食べません。
野菜・きのこをたくさん摂ります。
ごはんも食べます。
ジュースは飲みません。
肉が食べたいときは魚を食べます。
夜9時以降は食べません。

という戒めを実施しています。
食べ物手帳も準備しました。毎食何を食べたか記録しています。
このノートに書けないような後ろめたい食材は口にしないという
強い意志のもと、
これから本気の食事療法に取り掛かります。


う~~~ん、でもこれ体質のような気もするんだよね。