※※『ガラスの仮面』文庫版読み返してます。あらすじと感想まとめてます。※※
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※
仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら
49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら
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『ガラスの仮面』文庫版第16巻 ※第10章(途中から)※第11章(途中まで)
第10章 冬の星座
『ふたりの王女』開演
舞台上にまず現れたのは、マヤ演じるアルディス・・・
それは、いつものマヤを知っている者のほうがむしろ信じられないと思うであろう、
美しく可憐で輝くような温かさを醸し出す、天使のような王女だった。
マヤは舞台の上でこそ、本能が目覚める・・・。
そしてオリゲルドの登場。
出てきた瞬間に劇場全体が凍りつくような寒さに包まれる。
身も心も閉ざされた冬の王女がそこに居た。
オリゲルドの印象は圧倒的で、舞台を一気にオリゲルドの世界に染める。
そこへアルディスが登場、生のオーラで包み込む。
ふたりの戦いは始まったばかりだ。
アルディスは浮浪者であふれる街中に初めて足を踏み入れる。
これまで豪勢な屋敷の中で美しいものに囲まれて暮らしてきたアルディス姫、
初めて接する物乞いの手を、思わず振り払ってしまう。
そんな自分に戸惑いショックを受けるアルディス。
マヤはその、天使の姫が初めて感じた嫌悪の感情、そのあとに浮かぶ罪悪感を
自然に演じていた。
全身でアルディスになっている。
マヤは舞台上でどんどん光の王女に育っていった。
オリゲルドが登場すると、舞台は緊張感で包まれる。
陰のオーラを身にまといつつも光り輝く亜弓の演技、
観客の印象は一気にオリゲルドに釘づけとなる。
王族に反旗を翻す国民の前に姿を現し、今こそ一致団結をと民衆に説くアルディスのシーン。
姿を見せたマヤはこの世の者とは思えない、慈愛に満ちた愛くるしい微笑み、
その笑顔にすべての観客が、まるでラストニアの民であるような錯覚を感じ、
アルディスの言葉と態度に説得されていた。
**
幕間の休憩時間、
真澄は桜小路と遭遇する。
かつてマヤと一緒にいたころと比べても身長も伸び、すっかり青年に成長していた。
いつの間にか大人に、そう、チビちゃん、君もいつの間にか・・・・。
真澄は舞台上でマヤが見せる成長した姿に、これまで以上に心を奪われていた。
舞台裏でマヤは届けられた紫のバラを抱きしめながら、
この劇場のどこかにきっといる紫のバラの人に見てもらえることを
喜びに感じていた。
果たして北島マヤは姫川亜弓を越えられるのか、
超えられないまでも同等の力量を示せば、演劇界の扉が大きく開くことになる、
取材記者たちも興奮を抑えきれない
**
話が進むにつれ、オリゲルドの激しさはどんどん加速度的に増し、
観客をひきつけてやまない。
その残酷なまでの冷徹さ、人を人とも思わない猜疑心の塊。
亜弓が演じるオリゲルドは背筋も凍るような冬の王女そのものだった。
そしていよいよアルディスとオリゲルドの直接対決の場面。
これまで憎悪と野心のかたまりだったオリゲルドがはじめてその弱みをさらけ出す
天使のようだったアルディスがはじめて憎しみと殺意をみせる
オリゲルドがこれまで背負ってきた圧倒的な孤独と不遇によって育てられた氷の心。
観客はオリゲルドに同情し、まさにこの舞台の主役の輝きを放つ。
やっぱり姫川亜弓、クライマックスで観客の心を全て自身に集めてしまった。
しかし、どんなに影が濃くても光がなければ影はできない・・・
泣き崩れるオリゲルドを優しく包み込むアルディスの慈愛に満ちた表情は
まるで聖母マリア。
会場は、そのやわらかな光に癒されていった。
舞台終了
割れんばかりのカーテンコールはいつまでもつづき、『ふたりの王女』は大成功を収めた。
やはり圧巻だったのは亜弓演じるオリゲルド。
その天才といわれる姫川亜弓の圧倒的な演技に、
観客の印象は全て持って行かれたといっても過言ではない。
しかし、マヤのアルディスも人気が高く、一気にファンになったものも多い。
さすがに実力のほどを見せつけられた、しかしマヤは穏やかな表情を浮かべながら、
亜弓に拍手を送る。
その笑顔に負け惜しみの心はみじんもなかった。
亜弓もまた、この舞台で今までにない感覚を感じていた。
舞台の上で別の人格が自分を支配しているような、
身も心も別な人間になりきる、体の隅々にまで充実した思いが広がっていく、
私は舞台の上でオリゲルドとして生きていた。
終演後の舞台裏では、亜弓に取材陣が殺到していた。
続いてマヤを探す記者たち、しかしアルディスの仮面をはずしたマヤはいつもの通りの
地味で目立たないマヤ、その落差に記者も戸惑う。
演劇界復帰第1作の感想を聞かれたマヤは幸せでしたと答える。
なぜかと聞かれて戸惑うマヤに、
「アルディスが幸せな少女だったからだろう」
と真澄が声をかけた。
「まったくよく化けたもんだ、あのアルディスがこのチビちゃんと同一人物とは・・
さすがのおれもだまされる所だった」
真澄の嫌味をとりあえずほめ言葉だと受け取ったマヤだったが、
最後まで席を立たなかったことに、賭けには勝ったのだと知る。
「きみのアルディスはよかったよ、予想以上だ」
そう真澄に言われたマヤは、柄にもなく顔を真っ赤に染めてしまう。
約束通り君に花を贈ろうと言い残して真澄は去って行った。
周囲で聞いていた人々が、あの速水真澄からマヤへの花とは、たいへんな宣伝になると
話をしているのを聞き、
みんなが自分に注目するように花を贈ってくれるのかと、真澄の真意を想像するが、
にわかには信じがたい。
とにもかくにも、マヤはこの舞台によって、また表舞台へと本格的に足を踏み出した。
第11章 紫の影
休日の速水邸、真澄は義父、英介と『ふたりの王女』について話をしていた。
やはり注目は姫川亜弓が圧倒的、ドラマそのものを亜弓のオリゲルドが支えているといっていい。
演技術の点でいけば北島マヤはまだ姫川亜弓の敵ではない。
そう語る真澄に、英介はやはり紅天女は姫川亜弓が有力かと尋ねた。
真澄は、今回マヤが今までにない役柄を演じ、その自分とは全く正反対の人間を、
舞台上でごく自然に演じていた点を高く評価し、
さらにその技量でオリゲルドと二分する人気を得ていることを報告する。
今度の舞台によって道が開けたマヤ、あとはこの道をどうやって彼女自身が紅天女に
つないでいくか・・・。
千草の設定した期限まであと約1年、以前道は険しい。
しかし北島マヤは、1%の可能性に賭ける少女だ。
紅天女をなんとしても大都で上演することを真澄に厳命した英介は、
真澄に今好きな人いるのかと尋ねた。
いないと答えた真澄に、英介は見合い話を持ち出す。
これまでに何度となく話は出されているが、真澄はいつも、まだ結婚する気などないと
今回も写真を見もせず断ろうとした。
しかし、今回の縁談はこれまでとは違う。
仕方なしに写真に手を伸ばした真澄は、その見合い相手に驚きを隠せない。
「見合いをしろ真澄 これはわしの命令だ!」
第17巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
ほらー、ほぼ全編『ふたりの王女』だから短くなっちゃった・・・。
そしてあっという間に第10章が終わってしまい、いよいよ次巻からは・・・紫の影!
真澄がマヤマヤ挙動不審に堕ちていく過程が哀しくも切ない。
そしてとうとう、あの方登場・・・ふ、筆が鈍る。。
長くなるわ~~~たぶん次は。
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※
仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら
49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら
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『ガラスの仮面』文庫版第16巻 ※第10章(途中から)※第11章(途中まで)
第10章 冬の星座
『ふたりの王女』開演
舞台上にまず現れたのは、マヤ演じるアルディス・・・
それは、いつものマヤを知っている者のほうがむしろ信じられないと思うであろう、
美しく可憐で輝くような温かさを醸し出す、天使のような王女だった。
マヤは舞台の上でこそ、本能が目覚める・・・。
そしてオリゲルドの登場。
出てきた瞬間に劇場全体が凍りつくような寒さに包まれる。
身も心も閉ざされた冬の王女がそこに居た。
オリゲルドの印象は圧倒的で、舞台を一気にオリゲルドの世界に染める。
そこへアルディスが登場、生のオーラで包み込む。
ふたりの戦いは始まったばかりだ。
アルディスは浮浪者であふれる街中に初めて足を踏み入れる。
これまで豪勢な屋敷の中で美しいものに囲まれて暮らしてきたアルディス姫、
初めて接する物乞いの手を、思わず振り払ってしまう。
そんな自分に戸惑いショックを受けるアルディス。
マヤはその、天使の姫が初めて感じた嫌悪の感情、そのあとに浮かぶ罪悪感を
自然に演じていた。
全身でアルディスになっている。
マヤは舞台上でどんどん光の王女に育っていった。
オリゲルドが登場すると、舞台は緊張感で包まれる。
陰のオーラを身にまといつつも光り輝く亜弓の演技、
観客の印象は一気にオリゲルドに釘づけとなる。
王族に反旗を翻す国民の前に姿を現し、今こそ一致団結をと民衆に説くアルディスのシーン。
姿を見せたマヤはこの世の者とは思えない、慈愛に満ちた愛くるしい微笑み、
その笑顔にすべての観客が、まるでラストニアの民であるような錯覚を感じ、
アルディスの言葉と態度に説得されていた。
**
幕間の休憩時間、
真澄は桜小路と遭遇する。
かつてマヤと一緒にいたころと比べても身長も伸び、すっかり青年に成長していた。
いつの間にか大人に、そう、チビちゃん、君もいつの間にか・・・・。
真澄は舞台上でマヤが見せる成長した姿に、これまで以上に心を奪われていた。
舞台裏でマヤは届けられた紫のバラを抱きしめながら、
この劇場のどこかにきっといる紫のバラの人に見てもらえることを
喜びに感じていた。
果たして北島マヤは姫川亜弓を越えられるのか、
超えられないまでも同等の力量を示せば、演劇界の扉が大きく開くことになる、
取材記者たちも興奮を抑えきれない
**
話が進むにつれ、オリゲルドの激しさはどんどん加速度的に増し、
観客をひきつけてやまない。
その残酷なまでの冷徹さ、人を人とも思わない猜疑心の塊。
亜弓が演じるオリゲルドは背筋も凍るような冬の王女そのものだった。
そしていよいよアルディスとオリゲルドの直接対決の場面。
これまで憎悪と野心のかたまりだったオリゲルドがはじめてその弱みをさらけ出す
天使のようだったアルディスがはじめて憎しみと殺意をみせる
オリゲルドがこれまで背負ってきた圧倒的な孤独と不遇によって育てられた氷の心。
観客はオリゲルドに同情し、まさにこの舞台の主役の輝きを放つ。
やっぱり姫川亜弓、クライマックスで観客の心を全て自身に集めてしまった。
しかし、どんなに影が濃くても光がなければ影はできない・・・
泣き崩れるオリゲルドを優しく包み込むアルディスの慈愛に満ちた表情は
まるで聖母マリア。
会場は、そのやわらかな光に癒されていった。
舞台終了
割れんばかりのカーテンコールはいつまでもつづき、『ふたりの王女』は大成功を収めた。
やはり圧巻だったのは亜弓演じるオリゲルド。
その天才といわれる姫川亜弓の圧倒的な演技に、
観客の印象は全て持って行かれたといっても過言ではない。
しかし、マヤのアルディスも人気が高く、一気にファンになったものも多い。
さすがに実力のほどを見せつけられた、しかしマヤは穏やかな表情を浮かべながら、
亜弓に拍手を送る。
その笑顔に負け惜しみの心はみじんもなかった。
亜弓もまた、この舞台で今までにない感覚を感じていた。
舞台の上で別の人格が自分を支配しているような、
身も心も別な人間になりきる、体の隅々にまで充実した思いが広がっていく、
私は舞台の上でオリゲルドとして生きていた。
終演後の舞台裏では、亜弓に取材陣が殺到していた。
続いてマヤを探す記者たち、しかしアルディスの仮面をはずしたマヤはいつもの通りの
地味で目立たないマヤ、その落差に記者も戸惑う。
演劇界復帰第1作の感想を聞かれたマヤは幸せでしたと答える。
なぜかと聞かれて戸惑うマヤに、
「アルディスが幸せな少女だったからだろう」
と真澄が声をかけた。
「まったくよく化けたもんだ、あのアルディスがこのチビちゃんと同一人物とは・・
さすがのおれもだまされる所だった」
真澄の嫌味をとりあえずほめ言葉だと受け取ったマヤだったが、
最後まで席を立たなかったことに、賭けには勝ったのだと知る。
「きみのアルディスはよかったよ、予想以上だ」
そう真澄に言われたマヤは、柄にもなく顔を真っ赤に染めてしまう。
約束通り君に花を贈ろうと言い残して真澄は去って行った。
周囲で聞いていた人々が、あの速水真澄からマヤへの花とは、たいへんな宣伝になると
話をしているのを聞き、
みんなが自分に注目するように花を贈ってくれるのかと、真澄の真意を想像するが、
にわかには信じがたい。
とにもかくにも、マヤはこの舞台によって、また表舞台へと本格的に足を踏み出した。
第11章 紫の影
休日の速水邸、真澄は義父、英介と『ふたりの王女』について話をしていた。
やはり注目は姫川亜弓が圧倒的、ドラマそのものを亜弓のオリゲルドが支えているといっていい。
演技術の点でいけば北島マヤはまだ姫川亜弓の敵ではない。
そう語る真澄に、英介はやはり紅天女は姫川亜弓が有力かと尋ねた。
真澄は、今回マヤが今までにない役柄を演じ、その自分とは全く正反対の人間を、
舞台上でごく自然に演じていた点を高く評価し、
さらにその技量でオリゲルドと二分する人気を得ていることを報告する。
今度の舞台によって道が開けたマヤ、あとはこの道をどうやって彼女自身が紅天女に
つないでいくか・・・。
千草の設定した期限まであと約1年、以前道は険しい。
しかし北島マヤは、1%の可能性に賭ける少女だ。
紅天女をなんとしても大都で上演することを真澄に厳命した英介は、
真澄に今好きな人いるのかと尋ねた。
いないと答えた真澄に、英介は見合い話を持ち出す。
これまでに何度となく話は出されているが、真澄はいつも、まだ結婚する気などないと
今回も写真を見もせず断ろうとした。
しかし、今回の縁談はこれまでとは違う。
仕方なしに写真に手を伸ばした真澄は、その見合い相手に驚きを隠せない。
「見合いをしろ真澄 これはわしの命令だ!」
第17巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
ほらー、ほぼ全編『ふたりの王女』だから短くなっちゃった・・・。
そしてあっという間に第10章が終わってしまい、いよいよ次巻からは・・・紫の影!
真澄がマヤマヤ挙動不審に堕ちていく過程が哀しくも切ない。
そしてとうとう、あの方登場・・・ふ、筆が鈍る。。
長くなるわ~~~たぶん次は。