邪魔〈上〉 (講談社文庫)奥田 英朗講談社このアイテムの詳細を見る |
今回は、奥田英朗『邪魔〈上〉』を紹介します。上下巻合わせておよそ800ページありますが、早くページを進めたいという気持ちになります。
140ページあたりに記載されているあるハイデックスの火災事故が起きてから、少年の渡辺裕輔、警官の久野薫、火災事故の第一発見者及川茂則の妻でパート勤めをしている恭子それぞれの喜怒哀楽の人間劇場が始まるといったところだろう。犯人捜しよりも、それぞれの登場人物の人間ドキュメントを味わってほしい。特に、及川恭子の追い詰められ、転落していく様は本書の見ものである。
上巻でいえば、久野が渡辺裕輔らを骨折に見舞ったことや花村を尾行していたのがばれたことが下巻までつきまわることになる。
この続きは、邪魔<下>で