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散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
コメント歓迎、ただし仕事関連のお問い合わせには対応していません。

女慕貞 男效才良 ~ 千字文 021/うつ病とIL6/NYへお出かけ

2014-02-17 08:29:28 | 日記
2014年2月17日(月)

◯ 女慕貞 男效才良
 女は貞潔を慕い、男は才良を效(なら)う。

 「そのようなものだ」というのか、「しかあるべし」というのか。
 いずれにしても「異議あり」の声が挙がりそう。あるいは、「昔はそうだったのね」でことさら異議も出ないかな。
 
 男も貞潔を慕い、女も才良を效(なら)う。
 異議なし!

***

 インターネット配信情報から:

【問題】
 うつ病の見られない高齢女性(70歳-84歳)において、低値がその後のうつ病の予測因子であることが報告された炎症性サイトカインは次のうちどれか。
「SmartestDoc米国版」より

A IL-1β
B IL-8
C 腫瘍壊死因子(TNF)-α
D IL-6

【解答と解説】
 正解はインターロイキン-6(IL-6)。
 最近の研究によれば、うつ病が進行中の女性では、うつ病の見られない女性に比べてインターロイキン(IL)-6、IL-8、および腫瘍壊死因子(TNF)-αが低値であった。
 さらに、ベースライン時にうつ病が見られなかった女性では、脳脊髄液(CSF)中のIL-6低値が、1回以上の追跡調査時におけるうつ病の予測因子となることが報告された。
 Kern S, et al. Brain Behav Immun. 2013;32:153-158.

 現にうつ病でもない女性に、この目的だけでCSFのチェックなどできないから、今のところ臨床的には使えない。ただ、こうした知見の蓄積の上に、いずれ使える手法が編み出されてくることだろう。

***

 久保南海代さんにブログ掲載のことをお伝えしないとと思っていたら、ちゃんと御覧くださっており、懇ろにカードで御礼を賜った。
 寒波のNYへお出かけだそうだが、逆に週末毎に雪に悩まされている残留組へのねぎらいをいただいた。

 南海代さんの御主人は僕らにとって兄貴のような存在で、口数少なく柔和な方であったが、ここぞという時には熟慮するところを穏やかにきっぱりおっしゃった。本当に頼りになるとは、ああいう人だった。

 南海代さんと共に、世界を駆け巡っておられることだろう。
  

恭惟鞠養 豈敢毀傷 ~ 千字文 020/皮膚自我/予定調和と信仰

2014-02-16 08:51:09 | 日記
2014年2月16日(日)

◯ 恭惟鞠養 豈敢毀傷
 つつしんで(父母に)守り育てられたことを思えば、
 どうして敢えて身体を傷つけたりできようか。

 「身体髪膚」から連続するメッセージ。
 「恭惟鞠養」は「(父母の養育の恩を)つつしんで思い、(父母を)鞠養(キクヨウ)せよ」の意味だが、それでは豈敢毀傷にうまくつづかないので、「鞠養せよ」ではなく「鞠養の恩」と読ませるのが、李注などの苦心するところらしい。

 二回のまとめ、
 「身体髪膚、これを父母に受く。敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり」(孝経)
 「身体髪膚、これを神に受く。敢えて毀傷せざるは、信の求めなり」(散日経)

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 昨日とうって変わっての晴天、先週も土曜の大雪の後、日曜は青空だった。
 ヘレン・ケラーが「愛」の意味を問うたとき、サリバン先生が「雨上がりの空に太陽がさす」風景で答えたと、子ども向けの伝記で読んだ覚えがある。Mさんから教わったように、日差しは目でなく肌で分かるものなのだ。

 肌 ~ 皮膚感覚のかけがえのなさ。
 「今日のメンタルヘルス」の分担執筆者である山口創先生が、この方面での啓発的な仕事を営々と積んでおられる。貴重な社会貢献だ。
 D・アンジューの『皮膚自我』は刺激的だった。

 口唇期に先立って皮膚期が存在するとするか、あるいは全ての発達段階においてそれらを裏打ちするものとして遍在すると考えるか、ともかく皮膚の意味は根源的で比類なく大きい。何しろ外と中との境界なんだから、細胞にとっての細胞膜と同じで、それがなかったら僕らは存在できない。精神における自我境界の見えるモデルでもあり、今日いちじるしく揺らいでいる人の側面に関わっている。
 発達期の皮膚にたっぷり栄養をもらっていないと、長じてそこに不安が残ってリスカの一因となる・・・「そんなに単純じゃないですよ」と山口先生に笑われそう。

  

***

 予定調和と信仰の違いは・・・不調和なもの、容認しがたいことまでも、人生の一部として引き受けることか。
 だからヨブ記なのか。

 日曜の朝、天気晴朗なれども風強し。

蓋此身髮 四大五常 ~ 千字文 019/天声人語『スマホフリー』

2014-02-15 09:37:09 | 日記
2014年2月15日(土)

◯ 蓋此身髮 四大五常
 そもそも我らが身体髪膚は、地水火風の四大からなり、仁義礼智信の五つの徳を備えている。

 道徳、あるいは倫社の時間。

 「身体髪膚これを父母に受く」(『孝経』)
 古めかしくもカッコイイ言葉で、一言すげ替えれば聖書の金言として通りそうだ。
 「身体髪膚これを神に受く」
 粗末にできるはずがない、という理屈。もちろん他人の身体も、である。
 
 四大は地・水・火・風、エンペドクレスは中国人?
 彼の場合は、これら四つのリゾーマタ(エレメント)を結ぶものが愛 φιλια、分かつものが憎であり、その離合集散・動的反復の場が宇宙であるとする。
 ちなみに『老子』では、「天・地・道・王」を四大とするそうだ。

***

 今朝の天声人語、満腔の共感をもって転載しておく。

勘違いしそうな英語の一つに「スモークフリー」がある。たばこ吸い放題、ではない。反対に、たばこを吸わない、煙で悩まない、といった意味だから間違えると大変だ。フリーとは本来、何らかの拘束から解放された状態をいう▼それに倣(なら)えば、スマホフリーはスマートフォンを使わないこと。できるわけない、と悲鳴が聞こえそうだが、試みている会社が岐阜県にある。私用のスマホを使わない社員に、毎月5千円の奨励金を出す制度をつくった▼関市の岩田製作所で、正しくはデジタルフリー奨励金と呼ぶ。社員が下を向いてスマホをいじり、昼休みの会話も減った光景に岩田修造社長(65)が考えた▼「人と話す。本を読む。物思いにふける。そんなアナログ的時間と空間が増えれば、想像力、表現力、他人をおもんぱかる力がつく。10年もしたら相当に差が出て、企業としての競争力がつくだろうと思う」。その言葉にうなずく▼社員90人のうち20人が手を挙げた。まだ多くはないが、「全員が挙手する会社なんて気持ち悪い。ぽつぽつと、徐々に変わればいい」。デジタルの奔流に溺れかかる時代に、「手ぶら」の爽快と効用は貴重である▼思えばスマホは、多種多彩なアプリでいよいよ厚化粧になって、人を手招きする。〈スマホをば二十一世紀の阿片(あへん)とは言い得て妙なり今日の車内は〉と昨年暮れの朝日歌壇にあった。きつい一首だが一面の真実でもあろう。ときには「フリーの風」に吹かれる一日が、あっていいと思う。


 

 

化被草木 及萬方 ~ 千字文 018

2014-02-14 08:45:11 | 日記
2014年2月14日(金)

今週末も雪だ。思い出すことがあるが、後にしよう。
電車が遅れるかもしれないし。

取り急ぎこれだけ。

◯ 化被草木 及萬方(カヒソウモク ライキュウバンホウ)
 徳化はあまねく草木におよび、王化はすべての国々に及ぶ

・・・だといいなあ、
降り積む雪が、天の住人の心の清さであるならば・・・

Happy Valentine's Day !