散日拾遺

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1月11日 ガリレオ・ガリレイ

2024-01-11 07:41:00 | 日記
 晴山陽一『新版 365日物語 上巻: すべての日に歴史あり . Kindle 版』

1月11日 ガリレイが木星の四つ目の衛星を発見する

 …と書かれると、三つ目までは別人が見つけていてガリレイが四つ目を、と受け取りそうだが、そうではなくて。
 そもそも木星にいくつ衛星があるかというと、これが今では95個(2023年2月26日現在)だというのだが、そのうち79個は直径10kmに満たない小さなものだそうだから、おそらくもっと小さな破片については、ことさら衛星と呼ぶべきかどうか判然としない場合もあり、数を確定することが難しいものと思われる。
 ちなみに95個中の74個は木星の自転と反対方向に公転する逆行衛星だというのだが、どうしてそんなことが可能なのか未だにまったく理解できない。ともかく地球や火星とは、ずいぶん衛星のありようが違うようである。
 話を戻して、95個中で比較的大きな4つのものは直径が3,100~5,300kmとあり、地球の衛星である月(直径3,475km)とほぼ同サイズである。この4つを1610年1月にガリレオがすべて見つけた。1月7日に3つ、それぞれ後にイオ、エウロパ、カリストと名づけられたものである。そして1月11日に発見されたのが、木星最大の衛星すなわちガニメデであった。
 ガリレオはローマ教皇庁の意に反して地動説を主張したことで知られるが、彼をこの確信に導いたのは金星の満ち欠け、木星の衛星発見、太陽の黒点活動という三つの観察事実であったという。当時として飛躍的に高性能の天体望遠鏡をガリレオは自作したのである。
 金星の満ち欠けは別として、他の二つは必ずしも天動説と矛盾するようにも思えないが、そのあたりはこちらの理解不足なのだろう。ガリレオは1637‐8年頃に両眼が相次いで失明し、その後は弟子と息子の口述筆記で著書を記している。望遠鏡で太陽黒点を観察し続けたとすれば、それなりの対策を施したとしても赤外線による網膜障害は避けがたかったものと思われる。

   

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