散日拾遺

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リュウドウグモ

2019-11-20 15:06:27 | 日記
2019年11月20日(水)
 「じゃあ、あの雲は何というの?」
 「・・・あれはリュウドウグモ」
 「リュウドウグモは、どういう雲?」
 「冬が近づいて空がきれいに澄みわたると、龍は嬉しくて、じっとしていられなくて、空の端から端まで一目散に駆けるのね。龍の吐いた息が、駆け抜けた跡に尾を引いて、それでこんなふうに見えるの。龍の道の雲と書いて、龍道雲。」
 「空を駆けると、龍は疲れる?」
 「疲れるよ」
 「疲れてはぁはぁする?」
 「はぁはぁするよ、その息が木枯らしになって、びゅうびゅう吹くの」
 「それから、どうなるの?」
 「龍は疲れたからお休みするのね。そうすると、龍のいびきがごおっ、ごおって吹雪になって」
 「雪が降るんだ」
 「雪が降るのさ」
 「今は昔みたいに雪が降らないって、おじいちゃんが言ったよ」
 「龍がいびきをかかなくなったんだね、お休みできなくなったのかな」
 「なんで龍、お休みできないのかな、うるさいからかな、うるさいと寝られないって、おじいちゃん言ってた」
 「じゃあ夜は静かにしようか」
 「龍がお休みできるように?」
 「おじいちゃんがお休みできるように」
 「そしたら雪がいっぱい降るね」
 「うん、きっと降る」
 

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