散日拾遺

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自著紹介 ~ 『健康への歩みを支える』(キリスト新聞社)

2016-09-14 07:09:00 | 日記

2016年9月14日(水)

 恥ずかしながらの御報告、8月末にささやかなブックレットを上梓した。タイトルは、

 『健康への歩みを支える ~ 家族・薬・医者の役割』(キリスト新聞社)

 内容は副題の方によく現れている。賀来周一先生から「精神障害者に対して家族はどう接したら良いか、薬に対する考え方や医者とのつきあい方などをわかりやすく書いてほしい」と御依頼をいただき、日頃から敬愛置くあたわぬ賀来先生の御指名とあれば一も二もないことと、即答で引き受けてから頭を抱えたのだった。おまけに、「もともと平山正実先生にお願いする予定だった」とのこと。これまた大恩ある平山先生の遺志を託されると思えば勇気は百倍するものの、我にかえって考えるにどう逆立ちしたって平山先生のようには書けないのである。

 カラ雑巾を絞る感じで数ヶ月呻吟の末、できあがったものは福島のH病院以来、患者さんたちに教わってきたことの集積に他ならない。同じ出版社から出た『統合失調症とそのケア』とそのあたりの事情は同じで、医者になって満30年の記念と思えば真に有り難い機会を与えられたのである。

 誰かのため、何かの役に立てば上出来と思っていたら、本ができてから2週間も経つか経たないかで思いがけない反応があった。この本の中でベンゾジアゼピン系薬剤の常用量依存に触れている。その部分を読んだ人が自身の服薬事情に不安をもち、相談してこられたのである。ずいぶん早い反応だったのにはナルホドの理由があったが、診療先に電話してもらって事情を伺ったところ、現にかかっている担当医が適切な対処をしているようである。そのままかかっていて大丈夫と請け合ったら、「ええ、ただ・・・」と言葉を濁された。ちゃんと診てくれているとは思うのだが、毎回の診察時間がごく短くてとても話ができないとおっしゃるのである。執筆中に聞いた話だったら、ネタに使いたい顛末だった。

 月曜日の勉強会で披露したところ、2人の若い人が「すぐ手に入れたい」と手を挙げた。桜美林時代の学生たちが、文字通り「健康への歩みを支える」仕事に携わっている。そして自分のとんだうっかりに気がついた。ブックレットにこめた内容には、既に30余回を数えるこの勉強会で学んだこと話し合ったことがたくさん含まれている。この会とメンバーへの謝辞を記さなかったのは、大きな忘恩というものだった。この場で深く反省・お詫びする次第である。

 

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 これとは別に『統合失調症のひろば』誌に小文を寄せる機会をいただいたので、近いうちに紹介したい。それから、昨年の6月に「心を聴く市民ネットワーク」で話したことを、主催者が文字に起こしてパンフレットにしてくれた。僕が校正に手間取ってこんなに遅くなってしまったが、これもISBNを付けて世に出してやりたいと思っている。

 などなど、暑さでヘタレている間に周りのおかげで諸事一段落し、次の仕事にとりくまないといけない。数ヶ月以内に締切を迎える作業が6件あり、まともに考えると気が遠くなるので考えないようにしていた。といって、まともに考えないと仕事は進まないんですよね、当然ながら。

 「6歳」にはやっぱり何かあるなと、yoko さんからの最新コメントで感じ、勉強会の仲間も口々に同感を表した。既に誰か書いているかもしれないが、誰が初めでも良い、そのことが少しはっきりして教育に反映されることを切に望む。これは僕の手には到底おえないことで、誰か何とかしてくれないかな。

 当方、本日はこれから長い会議日である。関西についで麻疹(はしか)の発生が報告されつつある千葉エリア、皆が無事でありますように。

Ω