散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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栗の豊年

2015-10-03 10:58:51 | 日記

2015年10月03日(土)

 隔年結果という言葉がある。果実類が一年おきに豊かに実を付けるという意味で、善応寺(ぜんおうじ ~ 僕の本籍である松山市北辺の。同名の臨済宗古刹に由来する名称)あたりの果樹は多くがその傾向を示す。一年頑張ったら一年休む、伸びんと欲さばまず屈せよ、自然がそのようにできているのだ。

 毎年の成果を求めるのは自然を知らない者の貪欲というべきで、その発想を当然のように制度に固定して現代人は自ら苦しんでいる。「共存共栄」より「共存共貧」と言ったエコロジストがいたが、これも類似のことである。けだし名言。

 前口上はさておき、昨年の不作から一転、柿田の栗の木が豊かに実をつけたのを、さっそく送ってくれた。ボウル一杯の秋、でもこれこの後がけっこう手間なのだ。面倒を厭う人には、栗ご飯は楽しめない。ギンナンも同じこと、野菜も果樹も収穫までにかかった時間と手間を考えるなら、葉の一枚もあだや無駄には捨てられない。

 「もったいない」「ありがたい」が日本ですたれ海外で見直される21世紀である。

 


虎キチとツバメ党

2015-10-03 08:13:26 | 日記

2015年10月2日(金)

 二、三年前の卒研生Mさんは、生まれも育ちも仙台なのになぜか熱烈トラキチで、阪神球団のことを常に「わがタイガース」と呼ぶ。大阪限定ではない、タイガースファンは東京にも多く、実は全国区なんだよね。

 僕は転勤族の息子だったこともあって、はじめはごく自然に巨人ファンで育った。それが標準だと思っていたから、中一で名古屋に引っ越し、中日ファンが超標準という異次元世界に放り込まれた時は、天地がひっくり返った感じがした。巨人離れしたきっかけは例の江川事件(1978年)で、江川個人がどうこうではない、そこに現れたこの球団の体質がすっかりイヤになってしまったのである。巨人というチームを愛するがゆえに、オーナーの暴挙に憤慨したファンも多かったはずで、そこで巨人ファンをやめるかやめないかはちょっと面白いポイントである。西方教会の堕落を怒り嘆いて分派行動に出たのがプロテスタント、対抗宗教改革を起こして内部改革につとめた側がカトリック、引き合いに出したらちょっと不謹慎かな。

 野球は好きだから贔屓チームがないのも物足りず、郷土愛媛はあれほど野球が盛んなのにプロチームがない。現に住んでいる東京のローカル球団と言えばスワローズである。江川事件の起きた1978年にはまさかのリーグ初優勝、余勢を駆って全盛期の阪急ブレーブスを破りまさかまさかの日本一になった。そのまま常勝球団になっていたら、にわかファンを続けるのも気が咎めたと思うが、翌年は見るも無惨な最下位転落。これが見捨てておかれますかと、それからもう40年近いんだね。

 後で知ったことだがスワローズは松山でキャンプを張ったりしていて、権現温泉という郷里の小さな温泉には池山らの手形や写真、植えた木などが今も残っている。なので松山は準・地元ぐらいの感覚だ。そのこともあってか、強く誘導したつもりはないのに息子たちが全員根っからのツバメ党にできあがった。それだけに最近パッとしなかったのは残念で、殊にいちばん野球の好きな三男は、強いスワローズを見た記憶がないのである。昨夜は延長に入ってから、二人並んで正座で応援した。11回裏には脚のシビレが限界に来てさすりさすり見ていたが、雄平の打球がライト線へ抜けた瞬間、三男の全身が空中に躍り上がっていた。

 以上、Mさん宛てにあらためて自己紹介。以下はMさんとのエールの交換である。

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 石丸先生

 ヤクルトリーグ優勝おめでとうございます‼︎ 手に汗握る素晴らしい試合でしたね。 我が阪神タイガースは、クライマックスに残れることを祈るだけです。

 M

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 Mさん

 ありがとうございます。 ヤクルトが勝ったから、ではなくて、今シーズンの天王山にふさわしい名試合でした。関本がバーネットから同点打を打ったときは、「さすが、やられた」と唸りました。 その後に出てきた能見のピッチングを見て、藤浪と能見の二人がいるだけでも今年の阪神の充実がわかると思いましたよ。 どういう訳かヤクルト打線が能見を苦手にしていないことが、微妙な勝負のアヤだったようですね。東北高校出身の雄平の決勝打ですので、どうぞ喜んでやってください。タイガースは強いです。まさかの失速まで、息子たちは「今年は阪神だろうなあ」とボヤいていました。 クライマックスシリーズ進出に向け、健闘を祈っています。

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 石丸先生

 おはようございます。御返信ありがとうございます。昨夜は、美味しい祝杯をあげられたことと思います。おめでとうございます。読売ではなくヤクルトが優勝して、私も嬉しいです。今年のヤクルトは、山田選手をはじめ、選手ひとりひとりがそれぞれの役割を果たし素晴らしいチームですね‼︎ ムラもなくうらやましい限りです。関本はやってくれると思ったらやはり打ってくれましたね‼︎ 次の回でゴメスの打球はてっきりホームランだと思い、家ではスタンディングオベーションでした。ファウルと知って力がいっきに抜けました。 ヤクルトの素晴らしいサヨナラ勝ちでした。 阪神は最後までハラハライライラさせますので、長らく阪神ファンをしていますと油断大敵は心得ています。 では、クライマックスでまた対戦できることを願っています‼︎