「京の冬の旅」最終日、東寺と、その塔頭である観智院に行きました。
東寺の正式名称は「教王護国寺」で、世界遺産に登録されています。
空海によって、真言密教の根本道場に定められました。
真言七祖像、両界曼荼羅図など多数の国宝を有しています。
五重塔は、現存する木造の塔として最大で、高さ約55m。
現在の塔は、徳川家光による再建で、5代目だそうです。
私が中学生の時は、塔の上まで登れましたが、今は1階部分しか見れません。
大日如来に見立てた心柱を囲んで、金剛界四仏が安置されています。
金堂本尊は、薬師如来坐像と日光・月光の両脇侍菩薩像があり、
光背上には七軀の化仏を配して七仏薬師をあらわし、
台座の周囲には十二神将像を配しています。
これらの三尊像は、桃山時代の大仏師・康正の作です。
講堂も、素晴らしい国宝の仏像がひしめいていて、
不動明王・帝釈天・梵天・立体曼陀羅etc...があります。
特に私が気になったのは、塔頭・観智院の床の間に描かれていた、
宮本武蔵筆の「鷲の図」「竹林の図」です。
二羽の荒鷲が、今にも飛びかからんとする様が的確に描かれています。
竹林の図は、二本の竹が交差していて、右が薄く描かれています。
これにより、宮本武蔵は左利きであったと云われています。
床の間には玉座、うぐいす張りの廊下、武者隠しがあり、
紙張りの天井だったそうで、上に忍びの者が乗ったら、
下に落ちるような仕組みになっていたそうです。
床の間には溝が彫ってあり、溝には刃がしまってあり、
いざとなったら刃が取れるようになっていました。
縁側も、透かしすのこになっていて、隠れられないようになっていたようです。
奥が深い東寺内を巡りましたが、私の中での今旅の「ハイライト」は、こちら。
五大虚空蔵菩薩像です。
虚空蔵とは、無尽蔵、広大無辺の智恵を無尽に蔵している、という事だそうです。
五尊はいずれも、蓮の花弁で象られた蓮台に結跏趺坐(けっかふざ)し、
獅子・象・馬・孔雀・迦楼羅(かるら)という鳥獣の上に鎮座しています。
山科の安祥寺(あんしょうじ)の恵運(えうん)が請来したと伝えられ、
学僧の賢宝が安祥寺から移して、本尊とされたそうです。
まさに密教の観学院としての観智院に相応しい、智恵の仏様です。
お顔は面長で、中国の仏像の特徴がよく出ています。とても珍しい仏像でした。
春季特別公開は、3月20日~5月25日。
皆様も、是非一度、足をお運びされてはいかがでしょうか?
東寺HP⇒ http://www.toji.or.jp/ <マンマ・ミーア>