京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

2014-03-27 16:42:11

2014-03-27 | インポート

「京の冬の旅」最終日、東寺と、その塔頭である観智院に行きました。

東寺の正式名称は「教王護国寺」で、世界遺産に登録されています。

Touji

空海によって、真言密教の根本道場に定められました。

真言七祖像、両界曼荼羅図など多数の国宝を有しています。

五重塔は、現存する木造の塔として最大で、高さ約55m。

現在の塔は、徳川家光による再建で、5代目だそうです。

私が中学生の時は、塔の上まで登れましたが、今は1階部分しか見れません。

大日如来に見立てた心柱を囲んで、金剛界四仏が安置されています。

金堂本尊は、薬師如来坐像と日光・月光の両脇侍菩薩像があり、

光背上には七軀の化仏を配して七仏薬師をあらわし、

台座の周囲には十二神将像を配しています

6e4d101233445f4ce486d5764fb0bfed

これらの三尊像は、桃山時代の大仏師・康正の作です。

講堂も、素晴らしい国宝の仏像がひしめいていて、

不動明王・帝釈天・梵天・立体曼陀羅etc...があります。

特に私が気になったのは、塔頭・観智院の床の間に描かれていた、

宮本武蔵筆の「鷲の図」「竹林の図」です。

2b

二羽の荒鷲が、今にも飛びかからんとする様が的確に描かれています。

竹林の図は、二本の竹が交差していて、右が薄く描かれています。

O0360022511959157386

これにより、宮本武蔵は左利きであったと云われています。

床の間には玉座、うぐいす張りの廊下、武者隠しがあり、

紙張りの天井だったそうで、上に忍びの者が乗ったら、

下に落ちるような仕組みになっていたそうです。

床の間には溝が彫ってあり、溝には刃がしまってあり、

いざとなったら刃が取れるようになっていました。

縁側も、透かしすのこになっていて、隠れられないようになっていたようです。

奥が深い東寺内を巡りましたが、私の中での今旅の「ハイライト」は、こちら。

五大虚空蔵菩薩像です。

6_2

虚空蔵とは、無尽蔵、広大無辺の智恵を無尽に蔵している、という事だそうです。

五尊はいずれも、蓮の花弁で象られた蓮台に結跏趺坐(けっかふざ)し、

獅子・象・馬・孔雀・迦楼羅(かるら)という鳥獣の上に鎮座しています。

山科の安祥寺(あんしょうじ)の恵運(えうん)が請来したと伝えられ、

学僧の賢宝が安祥寺から移して、本尊とされたそうです。

まさに密教の観学院としての観智院に相応しい、智恵の仏様です。

お顔は面長で、中国の仏像の特徴がよく出ています。とても珍しい仏像でした。

春季特別公開は、3月20日~5月25日。

皆様も、是非一度、足をお運びされてはいかがでしょうか?

東寺HP⇒ http://www.toji.or.jp/         <マンマ・ミーア>