いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
このフレーズを知っているという人は多いと思います。
しかし、多くの人は何となく知っている、という感じではないでしょうか。
特に今の若い世代にとっては。
年輩の方になると、黒澤明の映画で知った、という人もいるかもしれあせん。
それでも、元々はどこからきたのか、ということについては、知らない人もいるかと思います。
最近では、これをもじった「夜は短し歩けよ乙女」という小説がはやりましたが。
さて、このフレーズは「ゴンドラの唄」という大正時代に流行した歌の詩なのです。
それを作詞したのが、歌人として知られている、吉井勇です。
この吉井勇というのが、京都にゆかりの深い人物でもあります。
中でも祗園は、歌碑が建てられるほど、縁のある街です。
その歌碑に刻まれている短歌が、
かにかくに祗園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる
というものです。
祗園で遊び倒したという吉井勇らしい一首で、また、祗園という街に相応しい一首でもあります。
この歌碑にちなんだ「かにかくに祭」というのが、毎年11月8日に行われています。
11月8日というのは、歌碑が建てられた日です。
祭といっても、仰々しいものではなく、規模としたら祗園の町内行事といった体。
それでも、正装の舞妓さんが歌碑に花を供える場面は、雅な風情。
アマチュアカメラマンが大勢やってきて、シャッターチャンスを狙います。
4人もの舞妓さんを一度に見られる機会というのは、そうそうありませんから。
今年は11月8日が日曜日なので、たくさんの人がやってきそうです。
”あいらんど”