自己満足的電脳空間

完全自己満足主義。テーマはない。自分の趣味・関心事を偏った嗜好と思考でダラダラと書き綴る自分のための忘備録。

タバコがF1を彩っていた時代があった…

2018-06-14 00:05:00 | 野球、その他スポーツの話
タバコを購入しなくなってから久しい。そのせいか、タバコ関連のネガティブな報道ばかり目に付く様になり、今では無関心になっていた。が、久しぶりに興味を惹かれた報道を目にした。

マールボロが1箱520円になるんだって!遂に500円を超える日が来たか…。

マールボロ、520円に フィリップ・モリスが値上げへ
6/12(火) 19:18配信 朝日新聞デジタル

国内たばこ販売2位のフィリップ・モリス・ジャパンは6月12日、紙巻きたばこの全4ブランド86品について、値上げを財務省に申請したと発表した。認められれば、10月のたばこ増税にあわせて20~50円引き上げる。主力の「マールボロ」(20本入り)は初めてワンコインを超え、1箱470円から520円になる。

対象ブランドは他に、「ラーク」「パーラメント」「バージニア・エス」。20本入りの商品は一律で50円の値上げになる。加熱式たばこ「アイコス」の専用たばこについては、すでに10月から値上げする方針を示しており、今後、追加で申請するとみられる。



まだ、バリバリの喫煙者だった頃、よく「1箱500円超えたら、タバコ止めざる得ないよなぁ~」なんて話していたが、ホントにそんな時代がやってきた。タバコ1箱がちょっとした弁当より高くなるなんて、もはやホラーだ。タバコは安価な嗜好品から高級品になろうとしている。自分の意志とは関係なく相当数の喫煙者がタバコ購入を控えざる得なくなるんだろうなぁ…。


一昔前はテレビCMや駅の広告、看板にタバコ製品やロゴが堂々と描かれ、1箱200円ちょっとで気軽に楽しめる嗜好品だったのは過去の話となった。タバコ広告はあらゆる場所からほぼ排除された。

増税による大幅値上げ。喫煙者の締め出し。著しく制限される喫煙可能スペース。魔女狩りのような迫害にさらされているタバコだが過去にはF1サーキットを華麗に疾走していた。そんなタバコブランドを郷愁に駆られながらピックアップしてみた。

# F1サーキットを疾走したタバコブランド一覧
■BARCLAY

●Jordan192 #32 S.モデナ(1992)
ブラウン・アンド・ウィリアムソン社のブランド。他にパーネリー、アロウズ、ウィリアムズをスポンサードしていた。F1の広告で見ていたので存在自体は認識していたが、実際に見たことも吸ったことはなかった。

■BENSON & HEDGES

●Jordan196 #12 M.ブランドル(1996)
1996年から2005年にかけてジョーダン・グランプリのスポンサーを務めた。1996年シーズン当初は野暮ったい黄土色だったが、その後、神々しいゴールドに変更(写真参照)。翌年からはイエローにペイントされたのは残念の一言。とは言え、車体全体をイメージカラーにペイントする手法は美しかった。ヨーロッパでバックパッカーしていた頃、愛煙したタバコの一つ。

■CABIN

●Tyrrell 021 #4 A.チェザリス(1992)
片山右京が1991年々にヴェンチュリー・ラルースからF1参戦に伴い、JTが「CABIN/キャビン」ブランドでパーソナル及びコンストラクターのスポンサードを開始。1993年は片山右京のティレル移籍に伴い、スポンサード先もティレルに変更。翌1994年からJTはブランドを「マイルドセブン」に変更しティレルへの支援を継続、更にベネトンへのスポンサードも開始した。2008年に「CABIN/キャビン」ブランドはWinstonブランドに移行したため現在は販売されていない。

■CAMEL



●Lotus 101 #12 中嶋悟(1989)
今まで神々しいほど美しかったJPSロータスがけばけばしいオレンジイエローに模様替えした際は絶望のどん底に突き落とされたようだった。しかし、愛するロータスが故に慣れてくると一転して好意的に受け止められるようになり、車体全体をイメージカラーにペイントする手法は美しいとえ思えるようになった。当時はマールボロの対抗馬のような存在だったが、F1での活動期間は意外と短く1987年~1993年の8年間のみ。他にミナルディ、ラルース(ローラ)、ティレル、ベネトン、ウィリアムズをスポンサードしていた。ちなみにタバコそのものは好みでなかったのでほとんど吸ったことはない。

■Chesterfield

●Lola BMS Scderia Italia T93-30 #21 M.アルボレート(1993)
前年のダラーラ・BMS192があまりにも美しかったため、ヴィビットな「Chesterfield/チェスターフィールド」カラーをまとったT93-30を初めて見たときはは愕然とした。しかし、なぜか時間の経過と共に、まぁまぁいいんじゃないかと思えてきた奇妙なマシン。翌1994年にミナルディと合併したためスクーデリア・イタリア最後のマシンとなる。チェスターフィールドはヨーロッパにいた時、数回吸ったと思う。

■GAULOISES

●Ligier JS43_#9 O.パニス(1996)
リジェ最終年の1996年、セイタ社はスポンサーブランドを20年継続した「GITANES/ジタン」から「GAULOISES/ゴロワーズ」に変更。これはかなりの衝撃だった。後継コンストラクターのプロストもスポンサード。ちなみにオレはジタンよりゴロワーズの方が好みだったのでヨーロッパでバックパッカーしていた頃、愛煙したタバコの一つ。

■GITANES

●Ligier JS41 #26 O.パニス(1995)
オレがF1を鑑賞し始めた頃はすっかり中断グループに落ち着き地味な存在だったリジェだったが、セイタ社の「GITANES/ジタン」は1976年から1995年の長きに渡ってスポンサーを努め、そのフレンチブルーはF1になくてはならない風景となっていた。余談だがオレはジタンのタバコは臭くて受け付けなかった。

■Gold Leaf

●Lotus 49 #1 G.ヒル(1969)
1968年にF1初のタバコスポンサーというよりF1初のスポンサーロゴとなったのが「Gold Leaf/ゴールドリーフ」であった。ここからF1の車体にはタバコロゴを含め、多くの企業やブランドのロゴが掲示されていくことになる。F1の広告で存在自体は認識していたが、実際に見たことすらない銘柄。今もあるのだろうか?

■IMPERIAL

●Lotus78 #6 G.ニルソン(1977)
インペリアル・タバコ・グループはJPSブランドでロータスをスポンサードしていたが1977年日本GPのみ「IMPERIAL/インペリアル」カラーリングを施したマシンを出走させた。F1の広告以外では見たことがない銘柄。

■John Player Special(JPS)

●Lotus 97T #12 A.セナ(1985)


●Lotus 98T #12 A.セナ(1986)
F1史上もっとも美しいロゴ。車体全体をイメージカラーにペイントする手法は圧倒的に美しかった。そして、オレはJPSロータスに魅せられてF1ファンとなり、JPS愛煙家となった。

■Lucky Strike

●BAR007 #4 佐藤琢磨(2005)
ラッキーストライクカラーをまとった車体が日の丸カラーのように見えるということで日本では好評だったBARホンダ。ちなみにBAR(ブリティッシュ・アメリカン・レーシング)はタバコ会社のBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)がティレルを買収して創立されたコンストラクターなので、スポンサーというよりはタバコ会社のコンストラクターという解釈のほうが正しいかもしれない。

■Marlboro

●McLaren MP4/8 #7 M.アンドレッティ(1993)
F1といえばマールボロ!というぐらいF1の風景の一部になっていた。マクラーレンに関しては車体全体をMarlboroのパッケージを彷彿させるような配色で気品あふれるものだった。タバコ広告禁止になった今でも「Marlboro」と表記しない手段でスクーデリア・フェラーリのスポンサーを継続中。他にBRM、アルファロメオ、スクーデリア・イタリア、オニクス、リアル等をスポンサードしていた。大学時代、異様に愛煙家が多かった銘柄だったな。F1による広告効果も大きかったのだろう。

■MILD SEVEN

●RENAULT R24 #8 F.アロンソ(2004)
現在のメビウス(MEVIUS)。1992年、片山右京選手のF1参戦によりJTはCABIN(キャビン)ブランドで片山選手及びヴェンチュリー・ラルースのスポンサードを開始。1994年からブランドを「MILD SEVEN/マイルドセブン」に変更。他にティレル、ベネトン、ミナルディをスポンサード。20歳代後半、ニコチン・タールともに高いJPSを吸うのがしんどくなり、その後継として愛煙していたのがマイルドセブンだった。

■Rothmans

●Williams FW16B #2 N.マンセル(1994)
かつては北朝鮮の金正日総書記が愛用していると言われたロスマンズ。過去にマーチもスポンサード実績あり。商品そのものは見たことあるが吸ったことはない。

■SKOAL BANDIT

●RAM03 #9 M.ヴィンケルホック(1985)
アメリカのタバコ会社の銘柄「SKOAL BANDIT/スコール・バンディット」。1984~1985年にRAMのメインスポンサーに。それ以外のことは全く知らない。当然、実物のタバコも見たこともなし。

■State Express 555(スリーファイブ)

●BAR006 #35 A.デビッドソン(2004)
WRCのスバル・インプレッサのメインスポンサーとして有名な「555」。1999年、BATがF1参戦を表明した際、BAR001の1台を「ラッキーストライク」カラー、もう1台を「555」と異なるカラーリングのエントリーを目論んだが、F1ではレギュレーション違反だったため、代案としてマシンの左右を異なるカラーリングに塗り分けるという奇抜な方法をとり、車体左半分がラッキーストライクの赤、右半分が555の青、ノーズは銀色という配色になった。

2000年以降はラッキーストライクカラーに一本化されたが、BATが中国国内では555ブランドを展開していたため、中国グランプリ限定で555カラーのマシンが登場した。2004年はサードカーのみ青色にペイントして出走(写真参照)。BARとして最後のレースとなった2005年は、2台のレースカーのカラースキームを555カラーにした。余談だがアジアでバックパッカーをしていた頃、一番愛煙していたのがこの「555」だった。

■VICEROY

●ATS D5 #10 E.サラザール(1982)
VICEROYと表記して「バイスロイ」と発音するらしい。ATS D5はノーズ先端部にロゴ有り。1974年にはパーネリもスポンサードしていたらしいが、この銘柄についてはそれ以上のことはわからないなぁ。

■West

●McLaren MP4/12 #8 M.ハッキネン(1997)
20年以上に渡るマクラーレンとマールボロのスポンサー関係終了後、マクラーレンを彩ったのは美しいシルバーのウエスト。マールボロカラーを凌駕するその美しさは多くの人々を魅了したに違いない。過去にザクスピードもスポンサードしていた。ヨーロッパ滞在時に喫煙する機会が多かった銘柄でもあった。

■Winfield

●Williams FW20 #1 J.ヴィルヌーブ(1998)
長期間ブルーをまとっていた車体がウィンフィールドカラーのレッドに変わったと同時に1990年代最強を誇っていたウィリアムズが低迷。そのためウィンフィールドカラーは「弱いウィリアムズ」というネガティブイメージが定着してしまった…。オーストラリア滞在時に数回だけ喫煙した記憶有り。


多分、他にもF1に参戦していたタバコブランドはあるんだろうけど、とりあえず思い出せるものだけ挙げてみた。

この頃のF1は美しいかった。魅力的だった。タバコ広告もその一部を担っていたのも事実だった。それに魅了されたオレは愛煙家になってしまったわけだから、タバコ広告の弊害はあったが…それでも、オレを含む、ある一定の年代までのF1ファンの記憶には、タバコ会社のカラーリングのマシンが刷り込まれている。それは古き良き時代の象徴であり、F1に熱狂していた自分自身への甘酸っぱい記憶でもある。


F1のタバコ広告だけでなく、ルパンに出てくる次元の折れたタバコに男らしさを感じ、おじいさんが根元まで吸うタバコに深みを感じ、ドラマのタバコを投げ捨て、靴の裏でもみ消すシーンにワイルドささえ感じていた。隔世の感があるねぇ…。