醉蝗茶房

80's&水滸&異常な日常

ダメな人たち其の12

2005年09月03日 09時57分34秒 | ダメな人たち
エピソード12:昔の隣のI部長

 書き出すと際限なく出て来るんだけど、客はまだしも、我が事ながら上司に恵まれてないね(笑)
 えっと、最初に言っておくと、この人は基本的に悪い人ではありまっせん。
 ただ、ちょっとマネジメントスキルが低いだけ(笑)
 ま、この業界に有り勝ちな技術屋さんタイプなので、仕方ないと言えば仕方ない、仕方ないじゃ済まされないと言えばその通りと言う、ちょいと微妙な個性ではあります。

 さて、そもそもどう言う流れで隣の部長と接点が出来たかと言うと、こんな理由です。
 その会社自体、運用メインでやってきてるSIerだったので、開発案件で30人近くを回すような案件がほとんどなくて、ドキュメントを書くことやプロジェクト管理って概念が0に近かったんす。
 で、運用を持ってるある企業のマスタ管理システムをどさっとダウンサイジングするってんで、受注したのは良いけれど、回せる自信がなかったみたい。
 そこでプロジェクト管理担当ってことで、隣の部にいた寨主に声が掛かった次第。

 最初話を聞いた時、提案時に想定してた体制のアサイン状況を聞いたら、10人近く足りてない。
 「どうするんです?アサインできそうなんですか?」
と聞いたら、Iさん曰く、
「いないもんは仕方ないだろ」
って、仕方ないで済む問題なのか?(汗)
 取り敢えず、アサインは引き続きしてもらうことを条件に、やむを得ずマネジメント引き受けることに。
 このプロジェクト、Iさんとは別にプロマネはいたんだけど、汎用機畑の人で10人以上の体制回したことがなくて、仕様以外はほとんど寨主におんぶにだっこ。
 でも、すごーく良い人だったので、実質プロジェクト仕切ってあげて、プロマネの顔は立ててあげるようにしてあげました。

 その状態で進めてはいたんだけど、当然と言うべきか、2ヶ月もすると行き詰って来ちゃいました。
 ま、計画体制より少ない体制を強いられていたんで、当たり前なんですけどね。
 で、Iさんに話をするにしても、手ぶらじゃアレなんで、一日徹夜して体制強化を前提でスケジュール引き直したものを作りました。

寨主「今週の進捗状況から判断すると、やはりこのまま進むとコケます」
I氏「ダメだ、許さない。死ぬ気でやらせろ」
寨主「今のままだと、死ぬ気がなくても皆死んでしまいますが」
I氏「根性がなさ過ぎだ、どうにかしろ」
寨主「私がどうにかしてどうにかなるようなもんじゃないですね。根本的に人が足りないんだから」
I氏「じゃあ、人入れてやるからどうにかしろ」
寨主「てか、入れてやるじゃなくて、元々入れる計画じゃないすか」
I氏「今更言っても仕方ないだろ。じゃあ、それで良いな」
寨主「ちょっと待ってくださいよ。今の状況だと、単に人入れただけじゃ吸収できませんよ。スケジュール変更も必須です」
I氏「見せてみろ。・・・こんなに入れて、その上リスケなんて認められるか!」
寨主「では、コケますが、それでも良いんですね?」
I氏「人の件は認めても良いけど、リスケは認めない。俺の面子が潰れる」
寨主「あなたの面子は潰れなくても、プロジェクトが潰れますけど?」
I氏「ダメだ。そんなの俺の口から客に言えない」
寨主「では、増員のみで可能な限り建て直しますけど、保証できませんよ。良いですね?」

ってことで、面子優先で進めることに(笑)
 前にも書いたけど、自分がPMじゃないので、どっちにしても責任取れないんだけどね。
 この条件でIさんは事業部長と調整して、どうも「絶対大丈夫です!」と言ってきちまったらしい。

 それから一ヶ月、予想通り再度の修羅場に。
 ここで以前このシリーズにちょこっと顔出したデキる事業部長Nさん登場。
 現状の対策会議ってことで、Iさん・PM・寨主が呼ばれました。

N氏「お前、この前絶対大丈夫って言った結果がこれか?たった一ヶ月じゃねぇか」
I氏「は...すみません」
N氏「なんでこうなったんだよ。前回の計画変更の根拠はどうなってるんだ?」
I氏「は...努力はしたんですが...」
N氏「そんなこと聞いてんじゃねぇよ、どう分析してるんだ、現状を」
I氏「は...」

 と、この状況に寨主が思わずニヤニヤしてたらしく、Nさんから突っ込みが。

N氏「お前も笑ってるけどな、同罪だぞ」
寨主「お言葉を返すようですが、今のこの状況は予想されてましたよ」
N氏「どう言うことだ?」
寨主「先日の計画変更時、私から提案したのは増員とリスケのセットです。しかし、面子が潰れるとの理由でリスケは認められず、結果がこうなりましたが、その際引いたスケジュールを採っていれば、現状がオンスケだと判る筈です」
N氏「ちょっと待て、それ見せろ。...お前、そんなこと言ったのか?」
I氏「いや、リスケは客に言えないと思って...」
N氏「コスト的には計画体制より少ない体制でスタートしてるからこれだけ人入れても問題ないし、ここで一ヶ月リスケしたところで、2年越しのプロジェクトなら吸収できるだろ?」
I氏「そうですが、客に言うのは...」
N氏「その調整すんのがお前の仕事だろ!」
I氏「すみません」
N氏「で、どうするんだ?」
I氏「...」
寨主「あの...今でもこのスケジュール使えますので、私が客と調整してきても良いですけど...」
N氏「いや、こいつにやらせるから良い。ちょっとお前たち、席外せ」
寨主「はい...」

 そしてこの後、Iさんは延々1時間に渡り説教されたのでありました(笑)
 Iさんて寨主より12歳くらい年上だったけど、なんか悪いことしたなぁ...と一瞬だけ思った(笑)

 ま、マネジメント知らないのよね。
 最後にエピソードを一つ。

 20人超えるようなプロジェクトだと、通常は全体の進捗状況把握するのに数値化したものを使うんですが、それがIさん気に入らなかった。
 で、ある日のこと、「進捗報告書かせる時間が無駄だから、やり方変える。これからは俺が進捗管理する」と断言されました。
 進捗報告ったって、がちがちに書いたらそれこそ無駄なので、この時寨主が使ってたもんは極簡単なExcelの1枚モノでしたけどね。
 そして、次の進捗会議の日、二十数人並んだ席で、端から順々に状況説明と担当課題を語らせたIさん。
 一人一人に課題の解決のアドバイス、てか具体的な内容まで根堀葉堀聞いては、実装ベースの答えまで出してあげてましたが、結構とんちんかん(笑)
 これを二十数人やるんだから、さぁ大変。3時間コースでした。聞かれてる人以外は只管座ってるだけの3時間(笑)
 最後にIさん、「今週から進捗会議は月水金と一日置きにやるからな」
 皆のモチベーションが下がったことは、言うまでもありませんな(笑)
 そして、会議後に寨主を捕まえて一言、「わかったか、進捗会議ってのはこうやるんだ」
 なるほどねー(@_@)