ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

結構イケテル? インドの料理

2007年06月13日 | インターン@インド ハイデラバード

 

 インドでインターンをするにあたっての最大の懸念。それはインドでの食事でした。不衛生な水や油が原因となって旅行者を苦しめる下痢や食中毒に加え、僕には「辛いものが大の苦手」という、インドで暮らすには致命的な弱点があるからです。果たして6週間、生き残れるのだろうか・・・と戦々恐々とした気分で始まったインドでの食生活でしたが、10日ほどたった今の感想は…

 「結構イケテル!インドの料理」

 まずとにかく食事が「面白い」。辛いもの嫌いのため、日本でもアメリカでもインド料理屋を敬遠してきたこともあり、毎回の料理がこれまで見たことも聞いたこともない初対面ものばかり。名前を聞いて、写真を取って、いざトライ!といった感じで、一食一食が新たな「出会い」なのです。さらに予想に反して?味が結構イケている。という訳で今日は「辛いものが大の苦手」の僕がトライし、そして魅了されつつある、街で目にするインド料理の数々を紹介したいと思います。

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 こちらが勤務先のBasixのオフィスの正面にある露天。朝の出勤時、そして昼時には大勢の人が群がり、大声でオーダーしたものを立ちながら、あるいはしゃがみこんで手で食べています。そこで交わされてれている言葉は英語ではなく現地語のテルグ語。またパッと見(いや、見れば見るほど)不衛生、そして露店から発せられる雰囲気が何とも言えずコワイ…

 といった感じで、その敷居をまたぐのに躊躇していましたが、Basixの同僚の「まぁ心配すんな!」という声に押されて敢えて飛び込んでみると確かに結構イケている。しかも味はホテルと同じ、いや、ひょっとしたらそれより上手いすら言えるのに、価格は三分の一以下。15ルピー(45円)も払えばたらふく食べられます。そして何より、このインドと一体となっているような雰囲気がたまりません。

 例えばこちらは露店で注文したPanipuri(パニプリ)。シュークリームのカラの中に玉ねぎや人参を刻んだものを入れ、その上からスパイシーなソースとヨーグルト風のソースをかけて出来上がり。小腹がすいた時に最高です。

    

 こちらの露店では、インドの典型的な朝食メニューの一つであるDosa(ドサ)を焼いています。

    

 Dosaはクレープの皮のようなもので、それにスパイシーなスープを付けながら食べます。こちらはMasala Dosa(マサラ・ドサ)といって、中にコショウとカレーで味付けしたジャガイモが入っている僕のお気に入り。その他にも刻んだタマネギがぎっしり詰まったOnion DosaなどDosaにはいくつか種類があるようです。

    
 
 朝食の定番としてもう一つよく目にするのがIdly(イドリ)。蒸しパンのような見た目と食感ですがお米でできています。ややチーズ風味がしますがIdly自体は味があまりないので、ピーナッツを煎ってコショウで味付けしたソース等に付けながら食べます。


    

 こちらは、インド人の主食とも言えるRoti(ロティー)。ホカホカと熱いRotiをスパイシーなスープにつけつけ、汗をかきかき食べるともう体の芯までインドに溶かされてしまうかのようです。

    

 ちなみに先日ホテルで訳もわからず頼んだ夕食が大当たり!「Paneer Do Pyaza」といって、要はカレーのような感じ。見た目は悪いですが、本当にまろやかで辛みも殆どなく、初めて全部食べることができました。なお、Paneer(パニール)とは写真に写っている白い豆腐のようなもので、牛乳から作られているそうです。

     

 こちらもお気に入りのTomato Soup!マグマのような色をしていますが、味は甘辛く、中に浮かんでいるクルトンと一緒に食べるとホッとする味がします。ただ小さなカップで25ルピー前後(70円位)して少し高価なのが難点。

       

 

 さて、紹介が遅くなりましたが、インド料理の最定番といえばThali(タリー)。腹が減ったら、何を頼もうか迷ったら・・・とりあえず「Thali」と言えば、高級ホテルだろうと場末の露店だろうと、どこでも美味しくお腹を満たすことができると言います。Thaliはもともと「大皿」の意味らしいのですが、確かにThaliを注文すると最初ステンレスの大皿だけが運ばれてきます。その上に、お米とRoti、そして小さな皿に盛られた様々なスープ(カレー)がドカドカと置かれて食事開始。僕にとってスープは相当辛いですが、お米やRotiと一緒に少しずつ食べています。素晴らしいのは、残り少なくなると店員がすぐにやって来てスープでもお米でもお代わりを際限なく盛ってくれること。
 
 ちなみに、Thaliを露店で頼むとステンレスの大皿の代わりにバナナの皮がテーブルの上に置かれ、その上にお米やスープが盛りつけられるという何とも粋な格好です。バナナの皮をお皿代りに、スプーンを使わず手でカレーをかき回しながら露店で食べていると、汗がボトボト、ハエはブンブン、手はドロドロ…ともう何もかもグチャグチャ。食べ終わった後は、まるで運動した後のようにぐったりと疲れてしまいます。。。

      

 ただ、インド料理は辛いだけではありません。Thaliをはじめ多くの食事の終盤にはDahi(ダヒー)(←ヨーーグルトですが、ヨーグルトと言っても通じません)が出てきて、燃え上がった口を癒してくれます。また輪切にした玉ねぎにレモンをかけて食べると実にさわやか。ただ、生野菜はホテルやそれなりのレストランならともかく、特に雨期に露店で食べるのは相当リスキーだそうで、Basixの同僚達ですら避けているので、当面は敬遠せざるを得ません。

     

 そして食後にお勘定書きとともに必ず運ばれてくるのがAnise(アニース)という植物の種と角砂糖。最初は食べモノかどうか疑ってしまいましたが、ハッカのような味がして口が本当にすっきりします。角砂糖は辛いものと「中和」せよということなのでしょうか。

     

 たらふく食べた後に小さなカップで飲む熱いChaiチャイ:インドのお茶)がまたたまりません。何でクソ熱い中で辛い物食べて、さらに熱いお茶を飲まなければならないのか全く意味不明でありますが、この味が癖になってしまうのです。この不思議な魅力は説明できません。砂糖だけでなくショウガも入ったこの独特の味に魅了されています。

 またチャイは入れてもらうだけで楽しむことができます。物凄い高さからチャイを小さなカップに次々と注ぐチャイ売りのお兄さんの技は、まさに職人芸としか言いようがありません。

   

 町中で手に入る飲み物といえば、Sugarcane Juice(サトウキビのジュース)もよく見かけます。本当にそのまんまのサトウキビを主導の機会で潰して、出てきた汁をそのままコップに注いで出来上がり。

    

 先日の市内観光の際、仲良くなったインド人から「たったの2ルピーだし。ほら、子供たちもおいしそうに飲んでいるだろう?」と勧められて飲んでみましたが・・・

 うーん。草のにおいと味が相当強く、また不快に生ぬるくてこれはあまり好きになれませんでした。ぬるいのは氷を入れてもらえば何とかなるのでしょうが、この氷がもう壮絶に汚い。ドロドロのバケツから出した氷をどっかから拾ってきたような木の枝でガシガシ割って、そのままドカドカとコップに入れるのでこれはさすがに遠慮しました。しかし、インドの子供たちは笑顔でグビグビと飲んでいる。日本人は弱いですね…

     

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 料理はその国の国民性や風土を表すといわれますが、汗まみれになってインド料理を食べているとつくづくそう思います。

 毎回ひどい湿気と暑さの中で、これまでの僕にとっては耐えられない程の辛い料理を汗をダーダー流しながら食べているのですが、これが不思議とあまり気にならない。またインドの人々が日常的に使っている町中の露店や出店で食事をする時には、ものすごい数のハエたちと食事を“シェア”することになるのですのでが、これまた何故だか気にならない。

 このインドの気候と雰囲気のせいなのでしょうか。まことに不思議であります。  

 という訳で、色々トライしていますが、今のところおなかの調子はすこぶる良好。また、インド人は宗教上の理由から肉を食べない人が多いため、上に紹介した料理の材料は全て植物。実に健康的です。

 こんな感じでこのまま6週間無事乗り切れればよいのですが・・・ 


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