ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

100番目のメッセージを綴るにあたって

2007年05月05日 | 日々の思い

 昨年10月末に29歳を迎えるにあたって始めた「ケネディスクールからのメッセージ」も、気が付けば今日で100番目の記事を迎えることになりました。 

 100回目の節目を迎えるにあたって、改めてブログを綴る意味について自分なりの思いをまとめておきたいと思います。

 まず、忙しい日々の中、あるいは無数のウェブサイトの中から「ケネディスクールからのメッセージ」を訪問して頂き、そして長々とした記事を読んで頂いている皆さん、本当に有り難うございます。当サイトでは、日々のアクセス件数や記事ごとのアクセス数を把握できる「アクセス解析」という機能を利用していますが、この半年間で頂いた総アクセス件数は、昨日の段階で40,718件となっています。

 この数字が多いのか少ないのかは、ブログをつけている皆さんの間ではやりの「ランキング」に参加していないのでよく分かりません。ただ、自分にとって励みになるのはアクセス数が着実に伸びてきていること、そして何よりこのサイトの中で、あるいは個人的にメール等を通じて頂いているコメントです。

 これはブログに限らないと思いますが、人に対して、世の中に対して何かメッセージを発信した時に反応があるということが、こんなに嬉しく、また有り難いものだとは思っていませんでした。単に励みになることに加え、皆さんからのコメントが、自分の思考に新たな光を当ててくれていることを、そしてまた、メッセージの伝え方で足りない部分を浮かび上がらせてくれていることを実感しています。

 また「アクセス解析」機能を使って、皆さんがどのようなサイトから、あるいはどのような検索ワードを使ってこのブログにたどり着いたかを知ることができるのですが、これは僕が「読者ニーズ」を把握するために役立っています。

  最もよく見られる検索ワードはやはり「ケネディスクール」。これに「出願」や「留学」、といった語を加えられているケースも多く見られ、今後ケネディスクールへの留学を目指されている方が多く読者の中に大勢いらっしゃることが分かります。学期中は時間の関係で叶いませんでしたが、休暇中に、ケネディスクールあるいは米国大学院への留学に向けて、海外経験の全くない僕がたどった道を紹介する記事も書いていきたいと思っています。

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 話は変わりますが、記事を書くのは大変です。

 一つの記事を書くのに平均で約1時間半。課題などに追われてまとまった時間が作れない日や、一日で考えがまとまりきらない時には、複数日にかけて記事を練り、トータルで4~5時間かかる時もあります。記事に記された日付と実際の更新日に1週間から10日くらいのずれがあるのもこのためです。しかも最近かかる時間が増えてきているように感じます。

 言うまでもなくこれは大変なコストです。もしもブログをつけていなかったら、もう少し飲み会に顔を出すことができたかもしれません。もっと睡眠時間を取って長生きできるかもしれません。しかし、これは僕のブログに対する向き合い方がもたらす、当然の、そして意味のあるコストだと思って今日まで続けてきています。

 コンピューターのスクリーンに映し出される自分のページとどう向き合うか・・・

 友人や知人に向けての日記、あるいは自分への備忘録としてブログを付けている方も多いと思います。題材が毎日の自分の経験であるという点では、「ケネディスクールからのメッセージ」も日記と呼べるのかもしれません。

 ただ、「非日常的な日常の連続」と言える米国留学の一日一日、ケネディスクールでの一瞬一瞬、交わす会話の一言一言が、少なくとも自分がこれまでの人生の中で味わったことのないプライスレスな経験であることを考えると、そうした経験に自分なりに出来る限り高い付加価値を付けて「目に見える形」で残しておくとともに、意味のあるメッセージとして発信していきたい。そして、受け取ってくれる多くの人々と共有することで、その価値をさらに高めていきたいという思いがあります。

 そのために、一つ一つの出来事をウシのように何度も反芻し、必要があれば関連の資料を調べ、そして出来る限り具体的に分かりやくすく、かつ臨場感をもって伝えるよう文章を練る・・・この半年間で、僕の中での「ケネディスクールからのメッセージ」の位置付けは、「日記」から「エッセイ」へと変化しつつあると言えるかもしれません。

 そして「経験」という、形のない目に見えないものを、文章という目に見える形に創り上げていく・・・

 白紙のスクリーンを自分なりの表現で彩っていく・・・

 そんなプロセスを楽しんでいる自分がいることもまた事実です。

 ただ一つ残念なのは、溢れかえるほどネタがある一方で時間が限られていること。この半年間、記事にはできなかった、多くの印象的な出来事が沢山ありました。そして、それらの記憶は時間とともに薄れていってしまっています。なんだかもったいない気分になってしまいます。

 こんな思いで綴られていく「ケネディスクールからのメッセージ」。「継続は力なり」を旨に今後も続けていきますので、よろしくお願いします。


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2 コメント

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楽しみにしています (kinkin)
2007-05-18 19:08:04
kinkinと申します。

公共政策に興味を持つ地方公務員でございます。
私はAnglo-phileですのでイギリス留学を検討しておりましたが、今は国内の院を目指しております。
潜在能力に加え40歳代という年齢的な問題もあり前途多難ですが、いろいろなかたのブログを拝見して自分にハッパをかけております。

貴殿のブログは、現役の公務員でこうした研修機会に恵まれない地方公務員にとっても良い勉強になると思います。
いつも楽しみにしておりますので、お体に気をつけて、これからもご活躍ください。
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kinkinさん (ikeike)
2007-05-25 19:39:41
こんにちは。コメント有り難うございます。期末試験準備等に追われていたため、お返事が遅くなってしまい失礼しました。このブログがKinkinさんのような私の大先輩にあたる方にとっても参考になると評して頂き、非常にうれしく思います。

Kinkinさんのブログも拝見させていただきました。日々の業務改革、公共政策大学院に対する思い、また若い世代が大学院で学ぶことのできる制度を作ろうとされる熱意には、非常に胸打たれるものがあります。

 ちなみに、ケネディスクールにはミッドキャリアプログラムという1年コースの修士課程があり、社会人経験10年以上、平均年齢40歳という経験豊かな学生が大勢学んでいます。そして、彼らが大学院の付加価値を高める上で果たす役割は極めて大きいのです。

現在、日本にも東大、早稲田、一ツ橋など公共政策大学院が次々と設立されていますが、職務経験と問題意識が豊かな現役公務員や会社員を如何に多く巻き込み、そして彼らがその後のキャリアパスを優位に描くことができる付加価値を提供できるかが、成否のカギのように思っております。
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