白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

石のつながり

2017年09月16日 16時22分49秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんにちは。
明日は武蔵小杉の永代塾囲碁サロンにて行われる、ウイークエンド交流会にゲスト参加します。
講座では三谷哲也七段との対局を解説します。
皆さんに楽しんで頂ける内容になるのではないかと思いますので、ぜひお越しください。
台風が気になりますが・・・直撃しないことを祈っています。

さて、本日は指導碁によく現れる形をご紹介します。



1図(テーマ図)
白に両ガカリされた形です。
白△と渡ったところで、黒の次の一手はAでしょうか、Bでしょうか?





2図(実戦)
ここで黒1と打ってしまう方が非常に多いですね。
級位者はもちろん、有段者でもよく見かけますし、果ては高段者まで・・・。
右辺の白1子に動かれるのが怖いのでしょうが、白2と裂かれると黒△が弱くなりますし、黒模様のスケールも非常に小さくなっています。
黒1は置き碁の優位性を自ら手放す手で、敗着と言っても過言ではありません。
実際、私の経験ではこの形を作って勝った黒は皆無に近いはずです。





3図(実戦)
黒1と飛び、黒△と握手するのが正解です(高段者ならAも良いでしょう)。
不安な石が無くなり、全体の黒模様のスケールもぐっと大きくなります。
この後白△が動き出して来たとしても、一方的に攻めるチャンスです。
もっとも、それでも紛れの余地はあるので、「やさしく語る 碁の本質」では別のコースをお勧めしていますが・・・。

定石を沢山覚えるよりも、このような場面で石の方向を間違えないことの方が遥かに大切です。
置き碁ではこのような場面が多く現れますが、落ち着いて正解して頂きたいですね。