白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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一力七段、準決勝進出!

2017年09月15日 21時12分38秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は第29回テレビアジア選手権1回戦が行われました。

NHK杯優勝者である井山裕太九段は、残念ながら李世ドル九段(韓国)に敗れました。
柯潔九段や朴廷桓九段とも互角に戦える井山九段ですが、何故か李九段には上手く行っていませんね。
今回も序盤でポカ? が出てしまったように見えました。

ですが、NHK杯準優勝者の一力遼七段は張涛六段(中国)を破り、見事準決勝進出を果たしました!
当ブログでは私の印象に残った場面を振り返ってみましょう。
なお、テレビ放送はまだですが、対局は幽玄の間でご覧頂けます。



1図(実戦)
張六段の黒番です。
ここで一力七段、白△とは思い切った手です。
白×、白〇、白□がバラバラの状況ですが、新たに離れた手を打って行きました。
場合によっては周辺の石は捨てても良いという、柔軟な発想です。
しかし、別の見方をすれば、黒の勢力圏内で大威張りで治まってしまおうという、力強い打ち方とも言えます。
一力七段、気合が入っていましたね。





2図(実戦)
黒△と打った場面です。
右辺の白が猛攻を受けていますし、白△も狙われています。
黒のペースのようにも見えますが・・・。





3図(実戦)
上辺の白は凌ぎましたが、右辺の白に眼が無くなりました。
白△と放り込んでコウに活路を求めましたが、一見すると白が苦しそうですね。





4図(実戦)
しかし、コウに勝ったことで黒△が全滅!
コウ替わりで左下隅を荒らされたとはいえ、これは白大利です。
一力七段、いったいいつからこの展開を読んでいたのでしょうか・・・。
この腕力、流石としか言いようがありません。

一力七段が登場する準決勝第2局と決勝戦は、9/17(日)に行われます。
優勝を期待しています!