白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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昨日の対局

2017年09月08日 21時45分55秒 | 対局
皆様こんばんは。
昨日、ブログの画像が消えるトラブルが発生しましたが、現在は復旧しています。

囲碁界ニュースです。
許家元四段棋聖戦Sリーグ昇格を決め、七段に昇段しました!
Cリーグに入ってからノンストップで駆け上がり、僅か3年で上位6人の中に食い込みました。
来期の棋聖戦リーグがますます楽しみになりましたね。

さて、本日は私の対局を振り返ります。
対局相手は菅野尚美三段でした。



1図(テーマ図)
私の黒番です。
白△と挟まれ、黒△が弱くなっています。
ですから、基本的な考え方からすれば・・・。





2図(実戦)
弱い石を動く、黒1などが考えられます。
勢い黒7と反撃し、本図の後は戦いになります。

これはこれで互角の進行でしょうが、左辺は白石の多い場所であり、そこで戦うのは私の好みではありません。
そこで実戦は・・・。





3図(実戦)
黒1、3と下辺に展開しました。
そして白4とコスミツケられ、黒△が弱くなっています。
黒は弱い石を放置したことになりますが・・・。
本に書いてあることは嘘だったのか? と言われてしまうかもしれませんね(笑)。

しかし、これも基本的な考え方を応用したものなのです。
石が攻められないためには守ることが基本ですが、いっそ捨ててしまえば守る必要も無くなるということです。
もし白4の後、続けて白Aとでも打ってくれれば、大喜びで他の大場に先行します。
もっとも、白Aのような手はプロは絶対に打ちませんが・・・。
そういう手が良くないということは、私の本にも書いているぐらいですからね(笑)。

さて、その後黒5とカカり、白6と挟まれた場面ですが・・・。





4図(実戦)
ここでも手抜きで黒1の大場に先行しました。
実戦はこの後白Aと打ちましたが、もし白Bと打って黒△を攻めて来た場合は、構わず黒Cあたりに開くか・・・。





5図(実戦)
本因坊道策風? に黒1から捌くような図も脳裏をよぎりました。
これが妥当な進行とはとても思えませんが、打っていると色々な図を考えるものです。


難しい碁でしたが、途中で相手にミスが出てから急に黒の流れになりました。
次の対局も頑張りたいと思います。